韓国、合計出生率0.78人(ソウル0.59人)。今年は0.73、来年は0.7の予想・・ブルームバーグ「また自分で自分の記録を塗り替えた」

これまた定期的に(発表があるたびに)話題になる、合計出生率関連です。結論から申し上げますと、0.78人でした。首都のソウルは0.59人。前代未聞といってもいいでしょう。もう少子高齢化とかそんなレベルを超えて、一部のメディアは「本当にこれで国家運営ができるのか」という記事まで出しています。うろおぼえで恐縮ですが、私が日本に来る少し前のことです。あのとき、不動産購入資金の送金、引っ越しなど、韓国側で進めるべき手続きがおもったより遅くなり、本の原稿もあったので、かなりあたふたしていた記憶があります。あのとき、確か「1」ラインを守れ・・という記事がありました。朴槿恵大統領関連記事が多すぎでパッとしませんでしたが。

それから6年が経ちました。帰化の件も、『予想より早い時期に』、結果報告ができるのではないか・・な気もしますが、それはトモカクして。で、あれが2017年でしたから、「1を守れ」な記事が出てから約5~6年で、0.78まで下がったわけです。いま調べてみたら、2018年に0.98人でした。問題があるか無いかより、その『深化』スピードが速すぎることこそが、真の問題である・・本件だけでなく、本ブログで取り上げてきたほとんどの案件に共通する特徴でもあります。聯合ニュースによると、再来年0.61人を予想するシナリオもある、とのことでして。朝鮮日報の記事によると、ブルームバーグやCNNなど外国メディアも結構注目しています。『また自分で記録を塗り替えた』などなど。以下、各紙、<<~>>が引用部分となります。

 

<<・・合計出生率は1974年3.77人となり3人台に入り、1977年に2.99人で2人台、1984年に1.74人と、1人台になった。2018年(0.98人)には0人台になり、その後も2019年(0.92人)、2020年(0.84人)、2021年(0.81人)、下がるばかりだ。合計出生率を市道別に(※日本でいうと『県別に』)見ると、ソウル(0.59人)が最も低く、続いて釜山(0.72人)、仁川(0.75人)の順だった。 合計出生率が最も高い地域は世宗(1.12人)だった。昨年の合計出生率は、統計庁が2021年12月に出した将来人口推計賞の見通し(0.777人)と同様の水準だ。政府は、新型コロナによる婚姻減少などの影響で、合計出生率が2024年0.70人まで下落した後、反騰すると見ている。しかし、これは中位シナリオによるものであり、予想されるシナリオによっては、合計出生率が2025年に0.61人まで低下するというものもある(聯合ニュース)・・>>

 

<<・・海外メディアも22日、合計出生率が史上初めて0.7人台に落ちたという統計庁の結果について集中分析した・・・・ブルームバーグ通信は「世界最低出生率記録をまた自分で塗り替えた」というタイトルの記事を通じて韓国の低出産問題を詳細に報道した。メディアは統計庁が発表した「2022出生統計を引用し、「人口減少に入った」「世界最低水準の出生率がさらに下落し、人口高齢化という経済問題が加重されている」とした。この日の統計庁発表によると、昨年の出生児数は24万9000人で、1年前の26万600人より1万1500人(4.4%)減少した。合計出生率は昨年0.78人で、2021年(0.81人)より0.03人減った(朝鮮日報)・・>>

CNNなども同じ趣旨を報じていて、いわゆる教育熱、高い住居費、賃金などの格差などをその背景として見ている、とのことです。聯合ニュースと朝鮮日報以外にも、さすがにほとんどのメディアがこの件を記事にしていますが、その中でもノーカットニュース(CBS)は、もはや国家運営に関わる案件だとしています。このことについて知らない人はだれもいない。この件についてなぜ誰も積極的に議論しないのか、というのです。

 

<<・・統計庁が発表した2022年統計を見ると、合計出生率は0.78人で、0ついに0.7台になった。人口を維持するために必要な合計出産率は2.1人だとされているが、年が経つにつれて、まさに果てしなくさがるばかりだ。予告されていた結果なので、ショックなどという言葉を使うことすらためらってしまう。本当にこういう状態で「国家を維持できるか」という心配は、現実になった。0.78人は、2020年基準OECD国家平均合計出生率1.59人の、約半分だ・・

・・仕事と子育てを並行するのが難しい経済的環境、私教育費負担、住宅購入の難しさなどが、出生率を下げているのは、もう誰もが知っている事実だ。 青年たちが結婚することさえ難しい現実だから人口が減少するというに対する診断は、なにも目新しいものではない。誰もが知っているのだ・・・・人口統計学者たちは今後出産率が0.7人まで低下すると予想する。2025年に0.61人まで下がるという見通しもある。一言で、もう対策は本当にあるのかと思われるほどの状況だ。しかし、政治家たちはいつも政争ばかりで、このリスクを重く扱うつもりがあるとは思えない(ノーカットニュース)・・>>

 

お陰様でもうすぐ発売となる新刊にも同じ趣旨を書きましたが、これ、『マンションを持っているのか、いないのか』で人を判断する風潮そのものが原因ではないでしょうか。他人はどもかく、「自分自身」も含めて各人がそうなので、なにより必要なのが『ローン(マンション購入資金)』になってしまうわけです。ローンというのも、ある程度までなら、いくらでも肯定的な効果が出せるものですが・・明らかに『ヨンクル』だから問題になるわけでして。見方にもよりますが、現状は、民間の債務で経済を立て直してきた、壮大な『オチ』ではないでしょうか。

 

 

おかげさまで、また新刊の紹介ができるようになりました。今回は、マンションを買わないと『貴族』になれないと信じられている、不思議な社会の話です。詳しくは、新刊・準新刊紹介エントリーを御覧ください。経済専門書ではありませんが、ブログに思いのままに書けなかったその不思議な「心理」も含めて、自分なりに率直に書き上げました。以下の「お知らせ」から、ぜひ御覧ください。ありがとうございます

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
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