韓国の外国為替保有額、『預金(現金にあたいする)』が約27%減少・・専門家「関係回復をチャンスに、米国及び日本と通貨スワップを」

一時ほど(尹大統領就任の直後あたり)ではないものの、また通貨スワップ関連の主張が増えてきました。今回は、為替レートそのものより、米国との金利差を意識してのものです。ちょうど9日にもエントリーしましたが、米国と韓国の金利差は、いままでは1.5%pが最大でした。いま、韓国の基準金利は3.5%で、米国は4.5~4.75%。金利差は1.25%pですが、21~22日のFOMC(連邦公開市場委員会)で、多分0.5%pぐらいの金利引き上げがあるのではないか、と予想されています。本当にそうなるなら、金利差は1.75%pで、記録更新となります。

一角では、「金利差が広がっても大した影響はありません」という主張も出ていますが、一部は、「外貨為替市場で何か問題が発生したとき、実際に為替レートなど目に見える形で反映されるまで、ある程度は時間がかかるというのです。1997年のときも、為替レートがもっとも通貨安になる(ドル1600ウォン台)まで、2年かかった、とのことでして。今回の金利差も相応の影響を及ぼす可能性が高く、米国や日本との関係が素早く回復しているだけに(原文のままです)、米国・日本との通貨スワップが必要だ、とも。本エントリーで紹介するのは、ニューデイリー、セジョン大学経営学部キムデジョン教授の主張です。教授は1~2年前から、寄稿文などで通貨安に備えての米国・日本との通貨スワップを積極的に主張してきた人物です。以下、<<~>>が引用部分となります。

 

<<・・懸念されるは、Fed 連邦準備制度の緊縮が、韓米間の金利差を今までで最大に広げる可能性があるという点だ。 現在、両国間の金利差は1.25%p水準だ。最大だった2000年10月(1.50%p)以後、22年余りぶりの金利差だ。Fedが今月に0.5%引き上げを行うと、その差は1.75%pまで広がることになる。可能性は高くないが、来月に韓銀(※中央銀行)がもう一度基準金利を「現状維持」とし、Fedが5月に追加で0.25%p基準金利を引き上げると、金利差は2.00%pに達することになる。キム・デジョン世宗大経営学部教授は「Fedが今月0.5%p引き上げを行い、次、その次も0.25%p引き上げる可能性がある」、「次の月、韓銀が金利引き上げに踏み込むしかないだろう」と展望した・・

 

金利差が広がり、ドル高状態が続くと、より高い収益率を求めて外国からの投資資金が流出し、ウォンは通貨安が進むと懸念される。為替レート防御レベルで、外国為替保有高も減少する可能性が高くなる。6日、韓銀が発表した2月末時点での外国為替保有額は4252億9000万ドルだ。1月末より46億8000万ドル減少した。昨年11月以降、増加傾向を続けたが、4カ月ぶりに減少に転じた。外国為替保有額の中で、現金に当たる『預金』は267億5000万ドルで、1カ月で74億2000万ドルも減少した。外国為替当局が為替レート防御のために、ドルを市場に売るなど市場に介入したためだと思われる。Fedが金利上げ基調を維持する場合、外国為替保有額の減少は勢いを増す可能性があるわけだ・・

 

・・キムデジョン教授は、「国際決済銀行(BIS)が勧告した我が国の外国為替保有高は9300億ドルで、我々は現在45.7%にとどまる」とし「外国為替危機の時、為替レートが1600ウォン台頂点まで約2年の時差があった」、「 今、後為替レートが1500ウォン以上まで動く可能性がある」と話した。教授は引き続き「外国為替市場からの影響に備えなければならない」とし「米国、日本との関係が急速に回復しているだけに、2021年末に終了した600億ドル規模の韓米通貨スワップと共に、安全装置として700億ドル規模だった韓日通貨スワップも再締結しなければならない」と主張した(ニューデイリー)・・>>

繰り返しになりますが、この件、前ほど話題になっているわけでもないし、米国は言うまでもなく、日本もいまは過渡な通貨安を警戒しているので、通貨スワップは難しいと思われます(米韓通貨スワップなどを見ると、いつもドル安基調のときでした)。ただ、外国為替保有額を現金部門に範囲を絞って記事を書いたのは、他のメディアとは明らかに異なるアプローチだと言えるでしょう。なんというか、いろいろ悩みがたえない尹大統領でした。

 

 

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