中国、半導体などで韓国からの輸入が大幅に減少・・『安保は米国、経済は中国』が根本的に変わっていく

去年秋あたりから本ブログも同じ趣旨を書いたりしましたが、複数のメディアが、中国と韓国の貿易構造の変化を指摘しています。2000年代になってから、韓国の経済は、国内では「民間債務」、国外では「チャイナブーム」によって発展しました。ケース・バイ・ケースだとは思いますが、全般的には、韓国が黒字を出す構造でした。特に、韓国の半導体輸出の場合は、中国市場に40%近くが集中しています。しかし、その構造が、変わってきました。

中国の技術発展(特にメモリー半導体においては、技術の差がほとんど無いと言われています)、双循環とも言われる国産化政策により、中国が黒字を出す、そもそも韓国から輸入する必要がなくなってきたわけです。実際、2022年は、月によっては両国の貿易収支が、中国のほうが黒字になるなど、この流れが著しくなってきました。当局は「一時的な現象」としていましたが、複数の経済関連メディアが、そういう問題ではないと、時期ではなく構造の問題だと指摘するようになりました。そして、今年になってから、この流れがさらに鮮明になってきました。

 

中国の場合、春節があるので1~2月を一つにまとめて統計を出しますが、その結果、韓国からの輸入が大幅に減少しています。他国の場合は、台湾以外はそれほどでもない、とのことでして。もっとも減少幅が大きかったのが台湾(マイナス30.9%)で、その次が韓国(マイナス29%)です。半導体は、マイナス22.7%でした。ソースはファイナンシャルニュースとなります。以下、中国からのデータがもとなので、いつものように「韓国の対中輸出・輸入」ではなく「中国の対韓輸出・輸入」になりますが、1~2月基準で、中国の韓国への輸出の増減率はプラス2.1%。しかし、中国の韓国からの輸入の増減率は、マイナス29.0%。ソース記事によると、去年同期間となる2022年1~2月には、プラス16.6%でした。これが2022年9月にマイナス0.3%に、初めてマイナス転換し、それから12月にはマイナス6.5%まで下がっていました。昨年、一回の反騰もなかった、とのことです。以下、<<~>>が引用部分となります。3月の分も、10日までのデータが出ているので、あとで合わせて紹介します。

 

<<・・年間輸出も同じだ。 過去5年間、中国の対韓輸出入額を見ると、輸出額の場合、2018年1089億どる、2019年1110億ドル、2020年1125億ドル、2021年1489億ドル、2022年1626億ドルだった。しかし、輸入額の場合、2018年2046億ドル、2019年1736億ドル、2020年1728億ドル、2021年には2135億ドルに増加したが、2022年に再び1997億ドルに減少した。中国の貿易赤字(※韓国の貿易黒字)規模も年々縮小している。単純計算すると、2018年から、957億ドル、626億ドル、603億ドル、646億ドル、371億ドルなどの数値が出る。

昨年の場合、新型コロナ初期(※影響が本格的に反映される前)の2020年より、中国の対韓貿易赤字は38.5%減った。昨年3月、シン・ハイミン駐韓中国大使は「韓国は中国の3位交易局」というユン大統領(当時当選人)の発言に、「再来年頃には2位になっている可能性もある」と答えた。経営者総連合会もその年8月、韓中外交樹立30周年記念式で、「今年、韓国は中国の2位交易国になるだろう」と展望した。彼らの期待のように、昨年、年間基準で韓国は中国の2位交易国になった。しかし、それだけだ。全体の貿易規模は大きくなっても、統計を見ると、中国は韓国と貿易で赤字を減らす商売をしている。それさえ、今年に入ってからは、再び日本が2位になった・・

 

・・1~2月の日中貿易額は499億9500万ドルで、中韓の483億3900万ドルより多い。日本は、半導体など米国主導の対中牽制に積極的に参加し、中国との多くの懸念事項をもっていながらも、経済・貿易では着実に利益を手にしているという証拠となる(ファイナンシャルニュース)・・>>

ここからは『韓国のデータがもとで、中国への輸出』の書き方になりますが・・3月に入ってからは(10日まで)、韓国の輸出は金額基準で去年同期比より16.2%減少しました。特に減ったのが半導体で、41.2%も減少しました。中国への輸出減少が大きな原因だとされており、韓国の対中輸出は35.3%減少しています。さて、安保は米国、経済は中国・・とまだまだ言われていますが、こんな状態で、それでいいのでしょうか。半導体関連とか、米国との関係とかも、『中国にあるサムスンとSKハイニックスの工場』がもっとも話題になっていますし。民間債務とともに、こちらもまたゴール(色んな意味で)が見えてきたのではないか、そんな気がします。

 

 

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