韓国、「青年層の経済活動」に関する問題指摘が相次ぐ・・2月の青年就業者が、新型コロナ全盛期と同じぐらい減少

去年10月の基準金利引き上げから、各メディアの経済関連記事が増えました。家計債務問題は言うまでもなく、各企業の問題、プロジェクトファイナンスや不動産関連、『回して防ぐ(自転車操業)』が一般化している中、第2・題3金融圏が事実上の『停止』状態になると、庶民金融はどうなるのか、などなど。その中でも、青年(記事のデータ基準で15~29歳)関連のデータを取り上げる記事が目立ちます。合計出生率関連もそうですが、やはりもっとも重要なのは、青年に関する問題ではないのか、というのです。新刊でもそうでしたが、本ブログでも、この件について何度か取り上げたことがあります。

そんな中、青年の中で、仕事をせず、求職活動もしない、これを調査カテゴリーでは『休んでいる』とするそうですが、その休み人(?)の青年が、50万人を超えたというニュースがありました。ソースは文化日報です。数だけで見るとパッとしませんが、青年就業者が約385万人ですので、気にせざるをえない数値となります。実際、数年前から、複数のメディアから指摘されています。ちなみに、去年より約4.5万人増えた数値で、いままでで最多記録となります。

 

輸出関連でもっとも話題になるのは、対中輸出と半導体輸出の減少ですが、それだけではありません。記事によると、輸出にたよる側面が大きかっただけに、すでに雇用減少が目立っており、主に製造業などで雇用が減少しており、 特に青年層の場合、2月基準で青年就業者は385万3000人で、これは、1年前より12万5000人減少しました。ちなみに、2月基準で今までもっとも青年就業者が減少したのは、新型コロナの影響が雇用統計に現れた2021年2月(2020年2月との比)で、当時は14万2000人が減少しました。最近は新型コロナの影響もさほど無いのに、今までで2番目に大きく、2021年と同じぐらいの減少幅になったわけです。

16日、本ブログでは、「2月に増えた就業者数は31万2千人なのに、60代以上は41万人も増えましたが、15~29歳の場合は12万5千人も減った、とのデータを紹介したことがあります(こちらはニューシースです)。統計庁が発表した2023年2月の就業者数は2771万4000人で、前年比31万2000人増えたものの、60歳以上で41万3000人増えたが、60歳未満の全就業者数ではむしろ10万1000人も減少しています。特に20代と40代で、それぞれ9万4000人、7万7000人ずつ減りました。こんな中、就職活動そのものをやめる青年も、増えているわけです。以下、文化日報から、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・景気鈍化の余波で雇用市場が凍えている中、先月、経済活動状態を調べた歳、「就職準備をせずにただ休む」と答えた青年層(15~29歳)の回答者が50万人に達することが調査された。20日、統計庁国家統計ポータル(KOSIS)によると、2月の非経済活動人口(就業者・失業者ではない人口)のうち、活動状態を「休んだ」と答えた青年層は49万7000人だ。1年間で、4万5000人(9.9%)が増加した数値だ。 2月だけでなくすべての月で見ても、2003年1月の統計作成以来、最大の規模だ。

青年層「休んだ」の人口は2019年2月38万6000人から2020年2月43万7000人、2021年2月44万9000人、昨年2月45万3000人と、着実に増えてきた・・・・半導体中心の輸出不振が製造業就業者の減少につながるなど、最近の雇用市場は沈滞している。青年層の就業者も4カ月連続で下がった。特に、先月の青年就業者は385万3000人で1年前より12万5000人減り、これは2021年2月(14万2000人減少)以後、2年ぶりに最大の減少幅を記録したことになる(文化日報)・・>>

 

韓国で青年失業問題が指摘されるのは、そう珍しいことではありません。実際に発表される失業率とは違い、いわゆる「体感失業率(拡張型失業率など)」は、調査機関にもよりますが20%を軽く超えています。また、就業者としてカウントされる人たちでも、「1週間に35時間以上働く」青年の数は減っています。ケースバイケースでしょうけど、これは一般的に、仕事の「質」が低下しつつある、とされています。また、大学を卒業した『休む』さんたちも多く、2019年時点で366万6千人です(ニュース1)。経済活動人口が2800万人とされているのに、大学を卒業して『休む』が366万となると、これはもう社会問題でしょう。2011年頃の記事に、同じく「大学まで卒業した非経済活動人口」は295万2千人となっているので、10年間で、まさに急増したと言えます。

これは、もちろん「仕事が無い」のがもっとも大きな理由でしょうけど、実は本人の考え方の問題でもあります。先のニュース1の記事にとると、「私は大卒なのにこんな仕事できるか」という人たちが多い、とのことでして。記事は、「このように、大卒非経済活動人口が増えたのは、『学歴は高くなったのに満足できる仕事が見つからなかった』、または『現実と乖離』が理由だと分析された。去年(※2018年)5月基準で、若年層が仕事をやめた理由を見ると、『報酬や労働時間などの労働条件が満足できなくて自らの仕事をやめた』場合が、全体離職経験者の半数を占めた」、となっていますから。困ったものです。

 

 

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