ユン大統領「外国為替問題で、岸田総理と『一緒に悩む』ことにした」(※外務省関連ページには記述なし)・・再び盛り上がる日韓通貨スワップ関連議論

最近、また通貨スワップ関連記事が増えてきました。本ブログで不定期に取り上げているキムジョンデ教授など、前から一貫して米国・日本との通貨スワップを主張している人もいますが、多くのメディアは、何かの会談とか国際会議などがあると「スワップをスワップを」と記事を載せ、うまくいかないと「外貨保有高は十分」という記事を載せたりします。今回盛り上がっているのも、基本的には首脳会談関連です。4月、ユン大統領が訪米することになったので(バイデン大統領が去年5月に訪韓したとき、招待すると言っていました)、その際の首脳会談で通貨スワップを話すだろう、という流れです。

もう一つは、この前の訪日・首脳会談のとき、ユン大統領が「経済安保、先端科学、外国為替問題、金融問題においても、一緒に悩むことにした」と話した・・という情報があったからです。このことで、これは通貨スワップのことだ、という予想が広がりました。詳しくどこでどんな形で話が出たのか(または、本当に出たのかどうか)は分かりませんが、とにかくこの「一緒に悩むことにした」を受けて、首脳会談の後から多くのメディアが通貨スワップ記事を載せていたわけですが・・

 

本ブログでは他に取り上げたい部分があったのでエントリーしませんでしたが、もう1週間近く経つのに、今日もまただニューデイリーに関連記事がありました。記事は、表向きにはそうでもないけど、シリコンバレー銀行(SVB)とクレジットスイス(CS)問題で、ユン政権は金融リスクに大きな不安を抱いているとしています。そもそも、政権始まった直後から金利・為替レートで様々な問題が起きており、それが政策推進において壁になってきたからです。「このような状況で、日本との通貨スワップで得られる実益は大きい」とする専門家も多い、とも。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・主要国がとんでもない通貨緊縮政策を繰り広げる中で、唯一、量的緩和を固守している国が日本だ。両国間の経済協力の雰囲気が造成され、8年間中断された通貨スワップの期待感も広がっている。グローバル金融不安が大きくなっている中、日韓通貨スワップが安全装置になるというのだ。22日、金融関係者たちによると、チュギョンホ経済副首相とイチャンヨン韓国銀行総裁、キムジュヒョン金融委員長、イボクヒョン金融監督委員長は、毎週日曜日、経済首長会同を続けている。昨年のレゴランド事態など流動性リスク以後続けてきたこの会同は、ユン政権の金融政策の方向をとるコントロールタワーの役割をしている。

これまで当局は、韓日通貨スワップについてそこまで議論する事案ではないとの立場だった。先月基準、外国為替保有額が4252億9000万ドルで世界9位と評価されるほどで、通貨スワップで得る実益が大きくないという見方だ。イ総裁は昨年懇談会で「通話スワップが心理的な安定になるのは事実だが、だからといってなんでもかんでも解決できるものではない」と話した。しかし、尹大統領が岸田文雄日本首相との首脳会談で、「経済安全保障と先端科学だけでなく、金融・外国為替分野でも一緒に悩むことにした」と明らかにしたことで、経済界を中心に通貨スワップの期待が出てくるようになった。大韓商工会議所は韓日首脳会談の後に出した報告書で、「米国と欧州銀行のリスクが、国内外為市場に及ぶ可能性がある」とし「韓日通貨スワップ再稼働して金融安定を図る必要がある」と提言した(ニューデイリー)・・>>

 

ただ、日本外務省の首脳会談関連ページには金融関連の話は載っていません。ちなみに外務省の日韓首脳会談(16日)関連ページ、包括的な書き方をしている部分を見てみると、「政治・経済・文化など多岐にわたる分野で政府間の意思疎通を活性化していく」、「安全保障対話」、「サプライチェーンの強靭化や機微技術流出対策」、「経済安全保障に関する協議を立ち上げる」、などなど書いてありますが、金融とか外国為替関連の話はありません。余談ですが、米国Fedは、常時スワップを締結している5カ国(日本、イギリス、スイス、カナダ、EU)に、ドル流動性供給などを強化すると発表しました。

 

 

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