昨日、ソウルでは、ユン大統領の各種政策、特に日本関連外交政策のことで、5万人が集会を行いました。ただ、朴槿恵大統領のときにあったあのカオス(笑)に比べると、その勢いは強いとは言えないものでした。5万人というのも、「一つの集会」に集まったという意味ではありません。多くの団体が集会を主催したものの、連帯が弱くなったのか、バラバラでした。そもそも、ユン大統領の支持率は、下がってはいるものの、まだまだ(調査機関にもよりますが)35%。5%ぐらい下がりましたが、そこまで大きく揺れているわけではありません。
去年、一時は20%台まで下がっていたユン大統領の支持率は、与党内でユン大統領支持派が勢力を拡大したこと(表面的には党内対立が収まった)、そして、労働組合の要求に強く対処したことが高く評価され、今年になってからは40%まで上昇していました。しかし、最近、また35%前後まで下がりました。また、支持勢力が集結したか、最近のデータでは、少しですが上昇している、とも。先週、なんというか、とてもキシ(ダ)キシ(ダ)していたので、これならかなり良いほうではないのか・・と個人的には思っています。
前にも同じ文章を書いた記憶がありますが、文政権の頃から、対日外交は、その政権を支持するか・しないかの、一つの基準になっています。いまのユン大統領には、どんなことがあっても支持する、いわゆる「コンクリート支持層」が、30%存在すると言われています。彼らは、今回の外交政策で政権を支持するわけではなく、政権を支持するからこれ『も』支持する、としているわけです。日本関連だけでなく、「反対すれば、相手側(この場合、野党側)に力を添えることになる」という両分構図が強い案件では、いつもこうなります。
ただ、別の見解もあります。発表される支持率は、調査結果『支持する』としたデータです。たとえば、支持する30%、支持しない30%、どちらでもない40%なら、支持率は30%と発表されます。最近、この「支持しない」が(同じく調査機関によりますが)5%pぐらい上昇し、58~60%になっている、とのことでして。また、政党支持率がまた動いて、しばらくは与党のほうが上でしたが、与党・野党(共に民主党)の支持率が並んだ、または逆転したというデータも出ています。日本の場合、法定労働時間は1週間に40時間となっていますが、韓国は52時間です。これを69時間にするという政策、いわゆる「69時間」問題も大きく影響しています。以下、デジョン日報というローカルメディアがまとめた、複数の調査機関のデータです。<<~>>で引用してみます。
<<・・ユン大統領の国政支持率はメディアトマト33.5%、韓国ギャラップ34%、ジョウォンC&I36.6%、リアルメーター36.8%、RNサーチ37.1%で、すべて下がりました。一方、「支持しない」は韓国ギャラップ58%、RNサーチ59.0%、リアルメーター60.4%、ジョウォンC&I62.1%、メディアトマト64.6%で、危険水位まで上がりました。政党支持率を見れば、国民の力(※与党)は2-3週間前だけでも5-10%差で共に民主党に勝っていましたが、完全に逆転されました。今週出てきた5つの世論調査すべてで、共に民主党にまけています。韓国ギャラップ1%p差、RNサーチ6.6%p、ジョウォンC&I9.4%p、リアルメーター9.6%p、メディアトマト14.2%p差です(デジョン日報)・・>>
14.2%p差は個人的に「いや、これはない」と思っていますが・・こんな中、一部のメディアが、2024年4月10日に予定されている総選挙を取り上げています。まだ1年以上先のことですが、その総選挙の結果で、いまの政策が持続するかどうかが決まる、というのです。まだまだ与党側ではこれといった「有力候補」が決まっていないとはいえ、「次期大統領にふさわしい人」調査でも、野党代表であるイジェミョン氏が1位でした。ニューシスが世論調査専門機関国民リサーチグループとエースリサーチに依頼して「今後国を率いる次期指導者の適合度」を調べた結果(3月15日発表)、イ・ジェミョン代表が37.3% で1位、与党側で次期大統領候補と噂されているハン・ドンフン法務部長官は16.4%で2位。
続いてホン・ジュンピョ大邱市長(7.2%)、オ・セフン ソウル市長(7.1%)、ウォン・ヒリョン国土交通部長官(5.6%)、アン・チョルス議員(4.2%)、イ・ナギョン元「共に民主党」代表(4.1%)、ユ・スンミン前議員(3.5%)、キムブギョム前国務総理(1.6%)でしたが・・パッとしない結果でした。「支持候補なし」は6.5%、その他は4.1%、よく分からない2.5%、などなど。 ※初稿のとき、『4月22日』としていましたが、4月10日の間違いでした。申し訳ございません。
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