韓国、今度は税収不足・・税収が去年より大幅に減少し、半導体関連支援法(税額控除)にも影響か

貿易収支とか、為替レート防御とか、電力公社の債券とか、お金関連でいろいろ話題が続いていますが、それだけではありません。SBS韓国日報など複数の大手メディアが、税収不足について取り上げています。税収が大幅に減少しており、かなり肯定的な予想をしても、このままだと国家政策に影響が出てしまうだろう、と。ユン政権は景気対策として、今年予算の65%を上半期に使うとしていますが、それがうまく施行できなくなる、というのです。理由は簡単です。株価の下落で取引所(関連した特別税など)が減ったり、不動産価格の下落で譲渡所得税が減ったりしたからです。この分だけでも、2022年に比べて(1~2月基準)5兆ウォン以上税収が減少しました。

国債を出せばいいじゃないかという話もありますし、多分そうなるだろうとは思いますが、国債新規発行を出来る限り減らし、財政を節約して運用すると宣言したユン政権(政権が変わるたびに似たようなことを言っていますのでユン政権だけの問題でもありませんが)だけに、実際に『使う分(景気対策)』を減らすのではないか、という見方も出ています。また、再審議中の「Kチップス法」など、大企業への事実上の減税、すなわち半導体関連投資への税額控除などにも影響をおよぼすと予想されます(※半導体関連内容は私見で、ソース記事にはありません)。以下、<<~>>が引用部分となります。

 

<<・・今年、税収不足事態に対する懸念が高まっています。企画財政部によると、今年に入って2月まで国税収入は54兆2千億ウォンで、1年前より15兆7千億ウォン減りました。去る1月、国税収入の減少分が6兆8千億ウォンだったことを考慮すれば、減少分が2倍以上に大きくなったのです・・・・ 今年の残りの期間、昨年と同じ税収があると仮定しても、今年の税収は380兆2千億ウォンになります。昨年税収は395兆9千億ウォンで、15兆7千億ウォン少なくなります。政府の今年歳入予想値である400兆5千億ウォンより20兆ウォン以上足りなくなり、いわゆる「パンク」になる可能性もあります・・

・・政府は国税収入400兆5千億ウォンを含む総625兆7千億ウォンの収入を仮定し、今年の総支出として638兆7千億ウォンを確定した状況です。また、景気対策として、6月末まで、史上最高レベルの65%を執行するとしています。財政はできるだけ早く引っ張って使うとしているのに、税収が足りず、政府は韓国銀行から資金を借りる方法を使用します。不足分が一定水準を超えた場合、国債発行を早めるなどしなければなりません(SBS)・・>>

 

<<・・年初から発生した税収不足は、不動産・株式など資産市場の不振から始まった。住宅価格及び株価下落の影響で、1~2月の累積譲渡所得税、証券取引税(農漁村特別税を含む)の収入だけでも前年比5兆1000億ウォン減少した・・・・このような流れは今年も持続する可能性が高い。所得税、付加価値税ともに、国税収入規模が大きい法人税も、見通しはおもわしくない。先月末、法人税申告した主要企業の実績が、昨年10~12月期の景気下落と相まって、振るわなかったためだ。

前例のないほどの不動産公示価格の下落に伴う総合不動産税の減少(※この前、本ブログでも「公示価格が大幅に下がった」とエントリーしたことがありますが、これに合わせて税金が決まります)も国税収入を制約する。昨年10~12月期の企業の業績や公示価格の急落は、政府が今年の国税収入見通しを出した昨年8月末でも、予想できなかったことだ。経済が政府予測と違って、下半期にも改善されなければ、景気関連政策が『動力』を失う可能性がある・・・・国債発行という手が残っているが、債務を増やさず財政を最大限節約して運用すると宣言したユン政権としては避けたい選択で、政治的負担がある(韓国日報)・・>>

 

「3月から12月まで、去年と同じぐらいの税収があると仮定しても」って、ずいぶんとポジティブな過程だな・・と思いました。まだ発表前なので本ブログでは取り上げないでいますが、サムスン電子の営業利益が8割減るとか、9割減るとか、そんな予想が出ています。半導体では大幅なマイナスが予想される、とも。そういうのもまた、税収にかかわる重要な要因になるでしょう。半導体関連投資の税額控除などを決める、いわゆる「Kチップス法」のとき、企画財政部が税収を理由に税額控除拡大に反対していたと言われています(それで大企業8%控除に決まったけど、ユン大統領が承認せず、国会で再審議中です)。こうして見ると、企画財政部の指摘が合っていたのかもしれません。さて、ユン大統領の秘策(多分、あr)はどんなものでしょうか。

 

 

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