サムスン電子、1~3月期営業利益が前年同期比96%減少・・半導体は4兆ウォン台のマイナスと予想される

今朝は、2つの案件をお伝えします。まず、昨日(一つ前のエントリー)書いた各社の予想通り、サムスン電子の営業利益が大幅に減少しました。暫定実績で、詳しくは今月末頃に発表されるとのことですが、売上は連結基準で63兆ウォン、営業利益は6千億ウォンでした。2022年1~3月期に比べると売上高は19%、営業利益は95.75%減少した数値です。2022年10~12月期に比べても、売上10.59%、営業利益80.08%減少となります。いまのところ詳しい部門別データは載っていませんが、各メディアは共通して『メモリ半導体部門がもっとも大きな原因』としています。

減産を発表したからか、サムスン電子と半導体関連会社の株価は大幅に上がっているとのことですが・・また『アリ(個人投資家)』だけがあわてて動いているのか、それとも機関・外国からも買われているのかどうかは分かりません。繰り返しになりますが、部門別の詳しいデータはまだ発表されていません。ただ、アイニュース24など一部のメディアが、『半導体部門は、赤字になったのではないか』という予想を出しています。2022年10~12月期には、SKハイニックスは赤字でしたがサムスン電子の半導体部門はかろうじて黒字を維持していました。ここからは<<~>>で引用してみます。

 

<<・・(※先の営業利益発表値について書いた後)これは、市場のコンセンサス(証券会社の推定値平均1兆1千億ウォン)を下回るものだ。サムスン電子の実績不振は半導体によるものだ。営業利益の50~60%に達する、半導体事業を担当する「DS部門」が、4兆ウォン水準の損失を記録したと推定される。サムスン電子DS部門が3ヶ月単位の分期発表で営業損失を記録したのは、2009年第1~3月以降14年ぶりだ・・・・サムスン電子関係者は「メモリ半導体は、マクロ状況と顧客購買心理鈍化に伴う需要減少および多数の顧客会社の財務健全化の目的在庫調整が持続し、去年10~12月期比で実績が大幅に減少した」とし「システム半導体およびディスプレイも景気不振及びオフシーズンの影響で、前期と比較してパフォーマンスが低下した」と述べた・・

 

実際、半導体価格は原価に近い水準まで下がっている。2021年9月まで4.1ドルを維持していたPC用DRAM汎用製品(DDR4 8Gb 1Gx8)価格は、1月から平均1.81ドルに下がった。NANDフラッシュ汎用製品(128Gb 16Gx8 MLC)の平均固定取引価格も2021年7月4.81ドルから先月3.93ドルに下がった・・・・キムグァンジン・ハンファ投資証券研究員は、「半導体部門の減益が、全社減益の主な原因」とし、「メモリは主要顧客社の在庫縮小基調が当初予想と異なり強く維持され、出荷増加率が既存ガイダンスを下回る見通しだ」と分析 した(アイニュース24)・・>>

 

と、いうことです。ただ、市場が回復したとしても、メモリではいままでのような実績を維持するのは容易ではないのでは、な気もします。何度も書いていますが、日米台の半導体協力などを見ていると、『主流』となる流れからずいぶん離れているのではないか、そんな気もしますので。SKハイニックスは、すでに去年から半導体部門で大幅な損失を記録しています。さて、予想では、こちらも数兆ウォン台のマイナスになるだろう、とされていますが・・どうでしょうか。こちらも今月中には発表されると思われます。

余談ですが、2月の経常収支関連データを紹介します。1月に続き、2月の経常収支赤字となりました。半導体輸出は40%以上減少したとみられる、とも。韓国銀行が今日発表したデータによると、2月経常収支は5億2000万ドルの赤字。去年2月は58億7000万ドルの黒字でした。ただ、今年1月には42億ドルの赤字(統計作成してから最大値)だったので、2月はまだいいほうだった、という見方もあります。通関関連データからの推定値だと、半導体は前年同月比でマイナス41.5%。

 

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