ユン政権、来年春頃に早期レームダックとの分析も・・このまま政権交代か、それとも大逆転劇か

本ブログでも何度か取り上げましたが、ニューシースと韓国ギャラップが実施した「次期大統領にふさわしい人物は誰だと思いますか」という世論調査(3月15に発表)で、共に民主党の李在明(イジェミョン)代表が37.3% 、圧倒的1位でした。2位は与党側の人で、ハンドンフン法務部長官でしたが、16.4%。ヘラルド経済やニューストマトなどの記事によると、「明日が総選挙なら、どの政党に票を入れますか」という調査の結果だと、「共に民主党候補に」と答えた人が51.3%。与党(国民の力)候補だと答えた人は31.0%だけでした。

最近の各種調査でも、野党側の支持者たちは「イジェンミョン支持」という意見が39%に達し、他の候補より圧倒的な『集中』を見せています。与党側ではハンドンフン法務部長官が1位ですが、その支持率は17%。票が分散されているともいえるし、知名度の高い人がいない、ともいえます。しかも、ハンドンフン長官はユン大統領と同じ検察出身なので、どことなくユン大統領(検察側の人をよく登用します)の支持率と連動する側面がある、とのことでして。本ブログでも昨日お伝えしたばかりですが、こんな中、ユン大統領の支持率が27%まで下がった、という調査結果が出てきました。

 

ユン大統領の場合、なにがあってもとりあえず支持する「コンクリート層(鉄板という表現もよく見かけます)」が30%とされていました。そのラインより下がったのが、強いインパクトになったようです。ちなみに、前任者の文大統領は、ムンパ(文派)という言葉が流行るなど、このコンクリートさんたちが特に話題になりました。なんと、コンクリート支持率ラインが40%だとも言われています。こんな状況ですから、レームダック関連記事も増えてきましたし、また、一部のメディアは、まだまだ慎重ではありますが、政権交代に関する予想も出しています。

さて、どうでしょうか。調査機関によって異なるだろうし、訪米・米韓首脳会談などもあるので、これからまた30%ラインは回復するのではないか・・な気もしますが、選挙関連専門家たちから、これはかなりマズイ状態である、との分析も出ています。プレシアンというネットメディアの記事、世論調査機関の副代表と選挙戦略専門家の社会政策大学院教授などが、「選挙(来年春の総選挙)に負けたらレームダックになる」ではなく、「レームダックになったから選挙に負ける」現象が見えてきた、と話しています。選挙に負けてレームダックになるなら、それでも前に進むことができるけど、レームダックになってから選挙に負けると、そのままシッティングダック(座っているだけ)になってしまう、と。

 

なぜそうなるのかというと、選挙で負けると、「大統領が人気がないから負けた」とされ、与党側の人たちも大統領から離れてしまう、というのです。文大統領が人気だった頃には、公薦(※国会議員選挙で、その政党からの公式推薦を得ること)を得るために、大勢の人たちが「私は大統領の秘書官だったんだぞ。私こそが国会議員に公薦されるべきだ」というふうに、「私は大統領の~だったんだぞ」が大流行していたそうです。その逆パターンが出来てしまうと、結局は選挙に負けたのは『大統領が不人気だから』という結論になってしまい、与党内でも誰も大統領を気にかけなくなる、と。何か、王が登場する時代劇かなにかを見ているような、そんな気もします。以下、<<~>>で引用してみます。

<<・・世論調査専門家キム・ボンシン、ジョウォンC&I副代表は14日、MBCラジオに出演し、「国民の力(※現与党)が総選挙で負ければレームダックが来るというけと、私の見解としては、その前からレームダックになる可能性がある」と話した。副代表は2018の地方選挙で当時大統領だった文在寅(ムン・ジェイン)前大統領を置いて、各候補たちから「いわゆる文在寅マーケティングがとんでもない規模だった。大統領支持率が相対的に高いため、いわゆる後光(※バックに居る人物の影響力に乗ること、七光)を得ようとする現象が起きた」、というのだ・・

 

・・当時、すべての候補たちは、私は文在寅の何をしたとか、秘書官だったとか、そのような話をしょっちゅうしていたと言う。キム副代表は引き続き「キム・ギヒョン代表(※現在の与党代表)からは、そんな効果は得られそうにないし、それなら、ユン大統領からでも後光を得ようとする、ユン大統領マーケティングをやるしかないけど、逆に、もし出馬しようとする候補が全員ユン大統領と距離を置こうとするなら、どうなるのでしょう。そうなると、総選挙結果を見る前に、それがそのままレームダックの始まりになるわけです」と話した。総選挙の敗北でレームダックが来るのではなく、総選挙の敗北がレームダックの結果として現れることもあるという指摘だ。選挙戦略の専門家であるハン・サンイク嘉泉大学社会政策大学院教授も、同じ放送で「総選挙を敗北すれば、レームダックどころではなくなるだろう。座ったままのシッティングダックになるだろう」と展望した(プレシアン)・・>>

繰り返しになりますが、支持率を回復できるチャンスが『無い』とは思えません。ただ、詳しくどのようなチャンスがあるのか・・というと、これといって言えることがないのも事実。今回の訪米でどんな実績を持ち帰ることができるのか、が注目されていますが。それもまた、いまのところ具体的なものではなく、「~についての話し合いを始めると合意した」なものになるのでは、と思われます。

 

 

おかげさまで、新刊が発売中です!今回は、マンションを買わないと『貴族』になれないと信じられている、不思議な社会の話です。詳しくは、新刊・準新刊紹介エントリーを御覧ください。経済専門書ではありませんが、ブログに思いのままに書けなかったその不思議な「心理」も含めて、自分なりに率直に書き上げました。以下の「お知らせ」から、ぜひ御覧ください。ありがとうございます

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。

   ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2023年3月1日)からですが、<韓国の借金経済(扶桑社新書)>です。本書は経済専門書ではありませんが、家計債務問題の現状を現すデータとともに、「なぜ、マンションを買えば貴族になれるのか」たる社会心理を、自分なりに考察した本です。・新刊として、文在寅政権の任期末と尹錫悦政権の政策を並べ、対日、対米、対中、対北においてどんな政策を取っているのかを考察した<尹錫悦大統領の仮面 (扶桑社新書)>、帰化を進めている私の率直な気持ちを書いた<日本人を日本人たらしめているものはなにか~韓国人による日韓比較論~>も発売中です。・刊・準新刊の詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。 ・当に、本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。