韓国大手メディア「米中どちら側にもならない国々『T25』を見習おう」

何度か取り上げましたが、米中対立の中で韓国が進むべき道について、「実は。米中の間でどちらを選ぶか真剣に悩む必要はない」とする主張が広がっています。いまのところ主流意見だとは言えませんが、なかなかの大手メディア、大物政治家が同じ主張をすることも、そう珍しくありません。論拠は、「半導体でもバッテリーでも最高の技術を持っている」ので、米国も中国も、そこまで強い対応を取ることはできない、というのです。中には、名米実中(米国には名分をあたえ、実利は中国から得る)という主張までであります。

そんな中、またそのバリエーションの一つといえる記事はありました。すでに与えたから、その分、もらおうという、「米国から先端技術共有などもっと『得るべきだ』」とする内容の記事です。その論拠は2つです。永遠の友人など存在しないということ、もう一つは、米国がここ30年間経済的にものすごく好調だから、です(主張の趣旨からしていまは友人ということになっていますが、これが「現・友人」の考えることでしょうか)。大手で、しかも右側とされる中央日報の記事です。日本語版もありますが、なぜかオリジナルの一部がありません。T25関連内容で、T25とは、米中の間でどちら側にもならない国々のことだそうです。それを参考にすべきだという部分だけ、なぜ日本語版に無いのでしょうか。単なる字数の問題かもしれませんが・・以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・最近アメリカの景気が良い。製造業好況に対する期待があふれている。半導体法とインフレ抑止法に代表される産業政策が効果を出している。ファイナンシャルタイムズは17日、「激変・バイデンの産業政策、実を結ぶ」というタイトルの記事で、インフレ抑止法と半導体法以後、米国製造業に2000億ドルを超える投資約束が溢れたと報じた・・(※最近30年間米国の経済は想像以上によかったという内容の後に)・・米国のことをよく知っている国家情報院の元ハイレベル関係者は、「経済安保という概念には、米国の優れた立ち位置が投影されている。米国は、安保を重視する国務省を前面に出して2国間交渉をする。だから、経済論理が安保論理の上位にある」と懸念した。彼は「通商を担当する経済省庁と各企業の主張を十分に聞いて、徹底して国益に合うよう実利的にアプローチしなければならない」と助言した・・

 

・・サプライチェーン関連専門家、産業研究院のキムゲファン産業通商研究本部長は、「米国は、韓国が持っている世界最高水準の製造力を持っていく。だから、韓国も量子コンピューティング、人工知能など、米国がリードする先端分野の知識と技術の共有を要求しなければならないのだ」と話した・・・・強大国のどちらかを選ばず、両側と取引するように実用的に中立を守る25カ国を、イギリスのエコノミストが最新号のカバーストーリー「超強大国の間で生き残る」で「T25」という名前をつけた。西側のロシア関連政策に参加したわけでも、だからといってロシア側でもないグループ、また米国と中国の関係で中立を守る国々のことだ。

メキシコ・イスラエル・トルコ・ベトナム・タイ・エジプト・南アフリカ・フィリピン・チリ・ナイジェリア・ブラジル・シンガポール・インド・パキスタン・インドネシア・マレーシア・アルゼンチン・サウジアラビア・アラブ首長国連邦(UAE)などがT25だ。「どちらの味方もしようとしない、かしこい国」を分析するという副題がついたこの記事は、米中競争の間にある私たちとしても、参考にする価値がある(中央日報)・・>>

 

ハッキリ書かれているわけではありませんが、「米国の好調には、各国からの投資があった」の部分で、「すでに、(その投資の一部として)私たちは十分なものを与えた」という前提あっての主張です。多分、IBMとラピダスの協力など、日米半導体協力を意識しての主張ではないでしょうか。すでに、今回の米韓首脳会談でもっといろいろ話せ、ということでしょうけど・・さて、どうでしょうか。バイデン大統領は、「ユン大統領が望んでいる内容」に具体的には触れず、一緒にサムスン電子の米国工場を訪問したり(訪韓したときにもこのやり方でした)して、多少のパフォーマンス的な日程にとどまるだろう、という予測が出ています。これまた去年5月に訪韓したときと同じで、ほかは北朝鮮・中国関連の安保がメインになる、と。

 

 

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