ユン大統領の訪米日程がスタート・・多くのメディアが「いままで『ギブ』したから、今度こそ『テイク』だ」という論調

ユン大統領の訪米日程が始まりました。12年ぶりの国賓訪問です。事前に報じられている内容は、安保関連ばかりです。同盟ということもあるし、もちろん必要な案件ではありますが、言い換えれば、両方にとってとても『便利』な案件でもあります。ユン大統領としては「北朝鮮問題にここまで協力すると、両国が意見を一つにできた」と成果をアピールできます。バイデン大統領としては「北朝鮮『陣営』問題にここまで協力すると両国が意見を一つにできた」とアピールできますから。中国・ロシアと北朝鮮を一つの陣営と見るレベルが、異なるからです。

昨日(23日)時点で報じられている『核心議題』は、安保、特に核共有に関する内容です。NATO式にするというものですが、いまのところ具体的な話が出ているわけではありません。まず聯合ニュースTVから<<~>>で引用しています。 <<・・ユン大統領が米国国防訪問のため明日(24日)出国します。尹大統領は今回の防米期間70周年を迎えた韓米同盟の新たな未来を提示する計画です・・・・ユン大統領が5泊7日で米国を訪問します。12年ぶりに実現した今回の国賓訪問の核心は、韓米首脳会談と国賓晩餐です。ホワイトハウスの前庭サウスローンで公式歓迎式が開かれ、両首脳が執務室で会談した後、ローズガーデンで共同会見を開きます。「韓国式核共有」など対北朝鮮拡大抑止方案が核心議題です(聯合ニュースTV)・・>>

 

ただ、複数のメディアが、「いままではずっと『ギブ』だったので、こんどこそ『テイク』する番だ」という論調の記事を出しています。去年5月、バイデン大統領が韓国・日本を訪問したときにも、各メディアが「私たちがずっと『あたえた』のに、多くのものを『もらった』のは日本だ」という記事を載せました。当時の米韓首脳会談、個人的には、(それまでが文大統領だったということもあって)普通の会談だったと思っています。そこまでサプライズはなかったけど、だからといって、そこまで問題があったわけでもない、と。でも、当時の各メディアの記事は、『もらうはずのものがもらえなかった』に集中していました。本ブログで紹介したものとしては、ヘラルド経済(2022年5月25日)が、「米国に何かをプレゼントし続けないとならない私たちとは異なり、日本はより多くのことを得ている」という論調の記事を載せました。

 

最近の半導体関連記事でも同じ論調が強くなっています。これだけ米国に投資しているから、少なくとも中国工場の正常化(現在レベルの維持)は『もらっても』いいはずだ、というのです。今回の訪米でも、同じ論調が増えてきました。中でも個人的に『そこまで言うか』と思ったのが、CBSノーカットニュースの記事です。今回、ユン大統領の訪米に合わせてワシントンを訪れる人、特に企業関係者が多いので、ワシントンでホテル宿泊費やビジネスルーム使用量などが2倍、3倍になるほど、現地の景気がよくなっているとしながら、『地域経済に多くのものを与えたのだ。これだけの人を動かして、それに相応するプレゼント袋を持って帰ってくることができるかどうか期待がかかっている(記事原文のまま)』としています。

日本は相応の役割をするから、米国が日本に頼り、日本が米国に頼るわけです。それだけのことではないでしょうか。半導体支援法案と関連しても、バイデン大統領は、中国工場、補助金条件などで具体的な話は出さないだろう、という予想が主流です。実質的な譲歩をするのではなく、バイデン大統領がユン大統領と一緒にテキサスにあるサムスン電子の工場を訪問するなど、パフォーマンス的なもので『相手の顔を立てる』のをメインにするのではないか、と。さて、相変わらず「安保」と「経済」を別々に考える人が多い中、ユン大統領、どんなプレゼント袋を持ち帰ることができるのでしょうか。ユン政権としては、電気料金値上げで下がる分の支持率はカバーできる何かがほしいところでしょうけど。

 

 

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