ユン大統領、習近平主席に「年内訪韓」を提案・・米韓首脳会談の3日前、両岸問題発言の5日後のこと

一つ前のエントリーで紹介した、米韓首脳会談のワシントン宣言。関連ニュースをもう少し読んでみたら、「内容を発表する前に、米国側は中国側にその内容を伝え、説明してくれた」というものがありました。大統領室の『ハイレベル関係者』が、記者たちにそう伝えた、というのです。デジタルタイムズなど複数のメディアが報じています。安保関連の内容ですし、中国側に事前通知したとしても別に不思議なことではありません。でも、心が曇っているためか、私には、どうもその関係者の論調が、「だから、中国に関しても大丈夫」に聞こえました。以下、各紙、<<~>>が引用部分になります。

<<・・米国が26日(現地時間)に開かれたホワイトハウスでの韓米首脳会談を控え、韓国に対する拡大抑止強化案を盛り込んだ「ワシントン宣言」を、中国に事前説明したことが分かった。大統領室の高位関係者はこの日の午後、ワシントン現地のプレスルームブリーフィングで、「米国が今日ワシントン宣言を発表する1日か2日前に、中国にワシントン宣言をおおまかに事前説明した」と明らかにした。同関係者は「宣言が中国と直接的な衝突要因ではなく、北朝鮮の核・ミサイル脅威に対する同盟レベルの対策なので、中国としてはこれを懸念したり、何の問題意識を持つ必要がないという趣旨で、事前ブリーフィングをしたものだと聞いている」 と説明した(デジタルタイムズ)・・>>

 

「中国・ロシア」と「北朝鮮」を別々に考えるスタンスは、いつものことではあります。ちなみに、訪米前に、ユン大統領が両岸問題について話したときにも、「国際的によく使われる(他の国も同じことを言っている)原論的なもの」と、一歩下がる姿を見せましたので(一部のメディアが、ユン政権が中国大使を招致したと報じていますが、それは、その大使が使った「くちだしをするとは」という発言が外交的にふさわしくないというもので、両岸問題とは別の件です)。でも、それとは別に、もう少し遡って調べてみたら、ユン大統領が習近平主席の年内訪韓を提案したことがわかりました。ソース記事はSBSです。「力による現状変更に反対する」と話したのが19日、この提案が24日、米韓首脳会談が27日です。さすが大統領。とてもとても忙しいですね。中国外務省はこの件について、「これといって答える内容は何もありません」としました。

 

<<・・中国外交部は、ユン大統領が駐中大使を通じて希望した習近平中国国家主席の年内訪韓について「提供できる情報は無い」と明らかにしました。スポークスマンは26日のブリーフィングで、習近平主席の訪韓に関する質問を受け、「中国と韓国はそれぞれの問題を適切に処理することなどを含め、両国関係の健全で安定した発展を推進するためのコミュニケーションを維持している」と答えました。スポークスマンは引き続き「あなた(記者)が話した高位級交流について、提供できる話がありません」と明らかにしました。駐中韓国大使館によると、ジョンジェホ駐中大使は去る24日、北京人民大会堂で習近平主席に尹大統領から受け取った信任状を提出しながら、習主席の年内訪韓を通じて両国の高位級交流が活性化されることを期待する、という尹大統領のメッセージを伝えました(SBS)・・>>

 

さぁ・・なんというか、やはり、まだスタンスをハッキリするつもりは無いのでしょう。今回の訪米で、半導体(特にサムスン電子とSKハイニックスの中国工場関連)などでほとんど話が出なかったのも、見方にもよりますが、議題にできるほどの段階ではないからでしょうし。ちなみに、先のデジタルタイムズの記事からですが、米韓首脳会談で、日韓関係についての話は無かったそうです。冒頭発言(記者たちにも公開される発言)では相応の内容がありましたが、大統領室の関係者によると、「日本と関連して、なにか具体的な計画や、今後の懸案事項についての話し合いは無かった」、とのことです。本当に無かったのか、それとも無かったことにしているのかは分かりませんが。

 

 

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