ユン大統領「共有しなくても、私たちは1年で核武装できます」/半導体業界「それより中国工場1年猶予を取ってください」

一つ前のエントリーでも同じことを書きましたが、今回のユン大統領の訪米関連で各メディアの記事を読んでいると、公式には「核共有」、非公式には「半導体」がもっとも目につきます。まず核共有については、米国側が「はっきりしておきますが、核共有ではありません」と話し、大統領室もそれを認めましたが・・時事ジャーナルなど複数のメディアによると、今度は、ユン大統領自ら「その気になれば1年で核武装できる」と話しました。ハーバード大での演説の後、懇談会での発言です。「ワシントン宣言がもっとも良い方法だ」を前提にしているものの、現在の米国の拡大抑止だけではたりないので独自路線で行くという趣旨でもあります。しかも、例の「核共有ではない」発言の直後のことです。

ワシントン宣言がもっとも良い方法だとしてはいるし、核開発は自分の意見ではなく「そんな世論がある」としているものの、ユン大統領以外にこの件を積極的に取り上げる人はいないし、ワシントン宣言が発表されてから2日も経たないうちに、しかもその意味において米韓が異なる見解を述べたあとにわざわざ「韓国は核開発能力を保有している」という趣旨の発言をしたのは、異例なことだとしています。異例も何も、これは事実上、ワシントン宣言に対する反発でしょう。米韓の立場の溝が、どんどん深くなっていく形です。時事ジャーナルはこの件で、「しかし、それがどういうことなのかを考える必要がある」とし、以下のように書いています。以下、各紙、<<~>>が引用部分になります。

 

<<・・政界では、韓国が核開発能力を備えていると見ている。数十年間の原子力技術開発と運営経験などがその基盤だということだ。しかし、核開発は、大きな対価を伴うことになる。核開発のためには高濃縮ウラン生産と、使用後の核燃料の再処理が必要であるため、韓米原子力協定を修正またはやり直さなければならない。しかし、この過程で韓米同盟には深刻な亀裂が発生する可能性がある。また、核拡散禁止条約(NPT)脱退は、国連において大きな問題とされるだろう。2004年、原子力研究院が実験レベルで0.2gの高濃縮ウランを生産した事実が明らかになった時には、安保理に回付される直前まで行った。当時、安保理行きを強く主張したのは米国だった(時事ジャーナル)・・>>

 

さて、個人的に、この件はしばらくは表面上には出てこないだろうと見ています。ただ、決して消えたわけではないでしょう。しかし、ワシントン宣言を発表したのも、大統領室がそれを核共有だと言ったのも、米国側がそうじゃないと言ったのも、それからユン大統領がこの発言をしたのも、すべてが「訪米中」のことです。日程が終わった後に(首脳が帰ってから)各国の外務省などがそれぞれ発表しながら意見の差が出てくるのは何度も見ましたが、こんなにスピーディーな展開も珍しいではないでしょうか。さて、次は、半導体1年猶予の話です。こちらは公式発表ではありませんが、京郷新聞など各メディアは「具体的に見える成果がないのはともかく、せめて、この1年猶予だけでも取ってほしかった」という業界関係者たちの声を報じています。ここからは京郷新聞です。

 

<<・・(※訪米でいろんな話し合いがあったとしながら)国内半導体業界が当面した各種懸案に対して、米国からの確実な返事は得られなかった。米国は去年10月、米国の先端半導体装置が中国に入ることに関連した措置を取りながら、サムスン電子とSKハイニックスなどの中国工場に限っては1年間これを猶予した。これらの企業が中国工場を継続的に運営するには、毎年この措置を猶予しなければならない。業界では、ユン大統領がバイデン大統領から「猶予措置の延長」という確答を受け取ってほしいと思っていたが、今回の会談で明確な答えは得られなかった・・

・・特に、米国半導体法の「超過利益共有(※補助金を得た企業が想定以上の利益をあげた場合、最大で補助金の75%までを米国政府と共有する)」、「会計資料の提出」「施設へのアクセス許可」などの条項においても、直接的な成果はなかった。「相互好恵的な米国内企業投資を奨励することを保証するために緊密な協議を続ける」という原論的な内容だけだった。国内半導体業界関係者は「重要な懸案に対する答えが出てこなかった」と話した(京郷新聞)・・>>

 

「毎年」と堂々と書いてあるのが、もっとも驚きです。ゴールデンウィークの予定ですが、今日までは1回更新で、明日と明後日は『一応』平日ですので、2回更新に戻そうかと思っております。ただ、全て予定ですので、当日の朝のエントリー(1日丸ごと休む予定はありません)で告知致します。

 

 

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