また為替レートへの懸念が広がる・・「去年の(ドルウォン)1400より、いまの1340のほうがリスクが高い」

去年からずっと続いているのでもう日常って雰囲気までありますが、また為替レートが話題になっています。特に、去年のウォンドル1400ウォンより、最近の1340のほうがもっとリスクがあると気づくべきだ、という記事がありました。ソウル経済というメディアの4月30日の記事ですが、なにかあればすぐ国際情勢が~日米と通貨スワップ~とする記事が多い中、ユニークな内容を取り上げています。評価はともかく他の記事よりユニークな点は、「3%も金利を上げたのに何も変わっていない」を指摘している点です。これ、指摘するメディアが全然無いわけではありませんが、韓国メディアがあまり触れない側面です。

最近、日銀が金融緩和策の維持の表明して円も安くなっていますが、そういうのは政策の影響で、他の国が緊縮している中、金融緩和を続いている(これまた評価はともかく、『続けることができている』だけですごいものだと思いますが)通貨が安くなるのは自然な流れで、基準金利を3%も上げたのにまだ通貨安が問題になっているウォンは、それとは異なるというのです。もう一つ、「去年は1400まで行ったから」という主張に対して、去年は今に比べて国際情勢による影響が大きかったけど、最近の通貨安は、明らかに国内要因が大きくなっているという指摘です。これは貿易収支、対中貿易関連の記事でもたまに目につく主張ですが、「いつまで国際情勢『だけ』を原因だとするのか」とする手指です。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・5月2~3日(現地時間)米国で開かれる連邦公開市場委員会(FOMC)会議を控え、外国為替市場の緊張が高まっている。韓国銀行が事実上、金利引き上げを止めた状態で、米国連邦準備制度(Fed)が少しだけ動いても、金利差は1.75%pになり、今まででもっとも幅が広がる(※今までは2000年1~5月と2023年3~4月の1.5%pが最大記録です)。今まで一度も経験したことのない金利差に、経常収支も赤字が続いている。最近、ウォンドル為替レートが、対外要因より経済内部のファンダメンタルによって揺れているだけに、1400ウォンを突破した昨年9月よりも、今のほうがリスクが高いとする指摘も出ている。

最近注目されるのは、ウォンがドルとの連動から外れていることと、他の通貨と比較しても揺れる幅が大きいことだ。昨年は、米国の緊縮スピードが速く、これに伴いユーロ貨と円なども一斉に通貨安になった・・・・当時、ウォン・ドル為替レートも1400ウォンを越え、イチャンヨン韓銀総裁は「為替レートを過去の水準と比較せず、米国を除く他の国の為替レートと同じように動くものだと見なければならない」、「国際要因なのか国内要因なのかを考えてみましょう」などと話した・・

 

・・そんな昨年とは異なり、今年の為替レートの動きは、国際要因よりも国内要因により大きな影響を受けている。 米連邦が金利引き上げ速度を調整するという観測とともに、シリコンバレー銀行(SVB)事態などが発生し、ドルもそこまで強いというわけでもなく、ユーロなどは強勢に転じた。緩和政策を固守する日本の円は通貨安基調が自然だとしても、2021年以降基準金利を3%ポイント上げたウォンがそれより大きい幅の通貨安になっている点は、明らかに自然ではない・・

・・このようにウォンだけが通貨安になっているのは、経常収支赤字など国内ファンダメンタルが原因だ。経常収支は今年1月、42億1000万ドルという最大の赤字を出した後、2月にも5億2000万ドルの赤字が発生し、11年ぶりに2カ月連続となった。13カ月目の赤字である貿易収支は、今年に入って4月20日まで累積赤字が265億8400万ドルに達する。昨年の為替レートが1400ウォンを超えていた時は、貿易収支が赤字であっても経常収支は黒字だった(ソウル経済)・・>>

 

あと、相変わらず通貨スワップ関連の記事も結構な数がでており、この前のアメリカンパイ会談でも「なんで通貨スワップの話がないのか」とする記事もありましたが、いまのところ、続報は出ていません。そういえば、久しぶりに日韓財務相会議があったそうですが、中央日報など複数のメディアによると、通貨スワップに関する話は無かった、とのことです。7日にはキュン(岸田・尹)会談が開かれるということですが、そこで何か話が出るのでしょうか。いまのところ可能性は高くない気がしますが。次の更新は、明日(4日)の11時前後となります。良きゴールデンウィークを!

 

 

おかげさまで、新刊が発売中です!今回は、マンションを買わないと『貴族』になれないと信じられている、不思議な社会の話です。詳しくは、新刊・準新刊紹介エントリーを御覧ください。経済専門書ではありませんが、ブログに思いのままに書けなかったその不思議な「心理」も含めて、自分なりに率直に書き上げました。以下の「お知らせ」から、ぜひ御覧ください。ありがとうございます

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。

   ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2023年3月1日)からですが、<韓国の借金経済(扶桑社新書)>です。本書は経済専門書ではありませんが、家計債務問題の現状を現すデータとともに、「なぜ、マンションを買えば貴族になれるのか」たる社会心理を、自分なりに考察した本です。・新刊として、文在寅政権の任期末と尹錫悦政権の政策を並べ、対日、対米、対中、対北においてどんな政策を取っているのかを考察した<尹錫悦大統領の仮面 (扶桑社新書)>、帰化を進めている私の率直な気持ちを書いた<日本人を日本人たらしめているものはなにか~韓国人による日韓比較論~>も発売中です。・刊・準新刊の詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。 ・当に、本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。