日韓首脳会談、共同宣言は今回も無しか・・処理水放流が初めて議題に

昨日も追記の形でお伝えしましたが、7日に予定されている岸田総理とユン大統領の日韓首脳会談関連で、いくつか情報が出ています。個人的に気になるのは3つあります。まず一つ目は、12年ぶりに総理が国立ソウル顕忠院(国立墓地)に参拝、献花することになりました。この前の白善燁(ペクソンヨプ)氏のときもそうでしたが、基本的には朝鮮戦争のイメージが強く、総理がここを訪れるのは、安保関連でのイメージを強調するためだと思われます。中央日報などによると、はじめて参拝・献花したのは2006年で、安倍総理でした。時期的に、北朝鮮核問題が原因だったのでは、と思われます。それから2011年に野田総理が参拝・献花して、12年ぶりです。

2つ目は、大統領室によると、共同記者会見は予定しているものの、今回も共同宣言は「難しい」とのこと。いくつかの重要な議題において、まだまだ合意できないでいるということでしょう。4日夕方の情報なのでこれから急いで何か形だけでも用意する可能性がありますが、わざわざシャトル外交を強調しての会談なのに、事前調整はうまくいっていないようです。複数のメディアが報じていますが、アジア経済によると、「競技をして、実際に首脳会談をして、決定することだ」としながらも、大統領室は共同宣言は難しいと見ています。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・ただし、今回の首脳会談で共同宣言が出る可能性は高くない。 大統領室関係者は「共同記者会見はするだろうけど、そこで何かの宣言が出てくるというのは、難しいと思う」とし、「協議を経て、実際に首脳会談をして、決定する問題だ」と説明した。青年基金設立(※青年世代を助けるために設立するとしている基金)を発表する可能性については、「未来世代のためのビザや就職など様々な努力が反映される」、「日韓だけでもなくすべての国で、首脳間協議があるとき、青年を含む未来世代のために何をするかがとても重要な関心事なので、それに応じて協議がなされないかと思う」と話した(アジア経済)・・>>

 

一応、韓国側はかなり力を注いでいるようです。ニュース1などによると、いままで警護処(警護担当)が最高レベルの警護を行うのは米国、中国、ロシアの首脳だけでしたが、今回、日本総理も最高レベルの警護対象にした、とのことです。また、様々な『サケ(日本酒)』を用意し、ユン大統領が官邸内のキッチンで直接料理をして(ツマミ?)出すことも検討中だそうです。「会談で3点、笑顔は満点」路線でしょうか。

3つ目は、処理水海洋放流が初めて議題になること、しかも大統領室がこれを発表したことです。いままでは、本件は議題にしないというのが基本スタンスで、この前、尹大統領が訪日したとき、『会談で同じ話が出てきたらしい』という報道があって、それだけでも韓国内では大きな騒ぎになったりしました。各メディアによると、大統領室は本件が議題になるとしながら「重要なことなので、あえて議題にしない理由はない」とするなど、今までとは明らかに異なるスタンスを見せています。一部のメディアは、尹大統領がこの件について「今までより肯定的な何か」を出し、岸田総理としてはそれをG7で確認することで、「周辺国からも肯定的な話が出ている」ことをアピールしたいのではないか、とも報じています。

 

しかし、その条件(?)として、岸田総理が今回の会談または記者会見などで、いわゆる『談話の継承』について、もっと強い表現をするのではないか、という報道もでています。たとえば、この前のように「継承します」というだけではなく、その談話の該当部分を読み上げる(これを『新しくシャザ◯した』と言えるかどうかは別にして)形を取るのではないか、というのです。いわば、トレードするという話ですが・・ただ、この話、尹大統領にも岸田総理にもかなりの負担になるでしょう。さて、どんなショーを見せてくれるのかまだ分かりませんが、8日には首脳同士の日程は無く、岸田総理は午後には日本に帰国する予定とのことなので、7日には結果が分かるでしょう。次の更新は、明日(6日)の11時頃になります。

 

 

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