韓国視察団、市民団体・民間専門家は同行せず・・イギリス専門家、韓国講演で「私なら喜んで飲みます」

私が韓国旅行している間のできごとをチェックしているところですが、比較的最新のもので、処理水関連の記事を紹介します。まず、岸田総理が訪韓する前から、「G7前に周辺国から(ユンたんから)処理水関連で肯定的な流れを導き出そうとしていた」という話はありました。問題があるかどうかは別にして、韓国政府がスタンスを変えるなら、ほかはともかく『反対しているのは中国だけ』という流れを作ることができるからです。この分析が合ってるかどうか、必要なことだったのかどうかについての評価はともかくして、そのための措置の一環として、視察団を受け入れることにした、というのです。

個人的に、IAEAから問題ないとされているのに、本当にそんな理由で視察団を受け入れたのだろうかと、分析そのものには疑問ですが、日本側にとって大きな問題になることはないだろう、と思っています(これは、決して「受け入れる必要があった」という意味ではありません)。なぜなら、もし視察団が何かの問題提起をするなら、「じゃ、IAEAの報告書は何なのか」ということになります。結局はIAEAと韓国視察団、どちらかの見解に何かの間違いがある、という話になります。なにも問題ないという結論になるなら、「ほら、日本の言う通りじゃないか」という展開になります。もちろん、公認された国際機関でもない人たちなので、「視察」だけにすべきでしょう。

 

視察団も、検証団とか、査察団とか、いろいろ名称が変わりましたが、いまはほとんどのメディアが素直に「視察団」と書いています。どこまでできるのか、それがまずよくわからないところです。また、MBCの14日の報道によると、今回の視察団に民間専門家や市民団体は含めないことにした、とのことです。日本側がこれらの参加を認めようとせず、韓国政府もそれを受け入れ、政府参加の人たちだけにした、と。とにかく、市民団体無しというのはいい選択だと思います。ただ、韓国内では「市民団体が参加しなかったからノーカン」ということになるでしょうけど、それはいつものこと。他に、聯合ニュースの報道によると、韓国内で関連セミナーがありましたが、イギリスの専門家は「私ならALPSの処理水は喜んで飲める」と話しました。一部から「じゃ飲んでみなさい」と言っていることへの、反論でしょう。合わせてお伝えします。以下、各紙、<<~>>が引用部分となります。

 

<<・・視察団が23日ごろ、4日間日本を訪問することに両国政府が合意しました。ですが、細部の日程と訪問場所は確定できませんでした。海底トンネルを含め、排出設備を直接点検するという韓国側の要請に、日本側が応じなかったからだと取材の結果確認されました。両国はいったん視察団が来る23日を前後して3泊4日間日本を訪問することに合意しました。しかし、具体的なスケジュールは決められませんでした。政府高官は「私たちの専門家が直接点検すべきポイントを多数要求したが、日本は内部的に相談した後に決定すると答えた」と伝えました。

特に排出設備を直接見るという要請に関して、立場の差を縮めることができなかったと伝えられました・・・・今回の会議を「説明会」で表現した日本は、これまで「視察団の訪問は検証のためではない」と主張してきました・・・・両国はテレビ会議などで日程を調整することにしました。視察団の規模は、私たち側が要求した通り20人前後にすることになりましたが、日本の主張を受け入れ、民間専門家と市民団体は同行しないと伝えられました(MBC)・・>>

 

<<・・放射線分野の世界的碩学とされるウェイド・アリソン英国オックスフォード大学名誉教授(82)が、韓国原子力研究院と原子力学会が15日ソウル鍾路区HJビジネスセンターで行ったセミナーで、「いま、福島のALPSの処理水1リットルが私の目の前にあるなら、私はよろこんで飲みましょう」と話した。アリソン教授は、放射線と核物理学の分野を40年以上研究してきた学者で、2009年に発表した著書「おそれが科学を飲み込んだ」などを通じて、放射線と原子力の危険性が誇張されたという主張を着実に広げている。彼は「もしそのような水を1リットル飲むとしても、計算すれば、放射能の数値が自然の数値に対して80%上がるだけ」とし、処理水は安全だと主張した。人体内にもカリウム40など放射線源が排出する放射線量が1kg当たり60~100ベクレル(㏃)水準であるが、処理水中の三重水素が及ぼす影響もこの程度の数値だというのが彼の説明だ・・

 

・・アリソン教授は、じゃなぜ飲料水や工業用水として活用しないのかという一部の主張については、「海洋放流が最も容易で費用が少ないため選択される」とし「日本政府が、おそれをなしている人々のための安全措置を行っているのに、すでに安全なものを『より安全に』とすれば、人々は逆に『じゃ安全ではないのか』というまちがった考えを持つ可能性もある」と説明した。彼は、「ALPSでフィルタリングされていない三重水素が放出する低線量放射線に長期的にさらされたときに影響に関する研究がないため、安心できない」という主張については、なんだかんだで水素の一種なので水で流され出ていくため、体内にとどまるのは12~14日間で、体内蓄積されないため、食物連鎖を通じての影響もないと主張した。続いて「すでに人体が宇宙放射線など低線量放射線に常に露出されており、これに対処する方法で進化してきた」とし、身体がこれに対処できる能力を持っていると彼は強調した(聯合ニュース)・・>>

 

 

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