韓国、G7が新設する「経済的威圧に備える協議体」に参加せず・・理由は「中国を意識したものだから」か

G7首脳の原爆資料館訪問及び献花、ゼレンスキー大統領の電撃訪日などいろいろ話題がありすぎでちょっと隠れてしまいましたが、今回G7では『経済的威圧に備えるための経済協議体』を構成するというユニークな議題がありました。国名が具体的に出てこないのはいつものことですが、中国、ロシアを意識してのものです。中国、ロシアなどが、経済的な対応措置を取って他国の外交・国内政策に影響を及ぼそうとする場合に備えて、他国を支援するという協議体です。韓国もTHAAD問題というのがありましたので、つい昨日までは、複数のメディアがこの件を肯定的に報じていて、一部は『韓国の外交的努力が実った』という書き方をする記事もありました。

ですが、2日も経っていない今日、韓国はその協議体に参加しないという報道がありました。理由は、またもや『特定の国に対するものだから』です。これは文在寅政権から続いた政策で、『特定の国』に対するグループには加入しない、というものです。大統領室が直接話した内容で、複数のメディアが報じていますが、本エントリーのソース記事はヘラルド経済です。特定の国といっても、すべて中国のことです。クアッドの話が初めて出てきたときにも、文政権は「特定国家はずすグループには加入しない」と政府レベルで公言していました。ユン政権になっても、このスタンスは変わっていないわけです。これでよくもG8がどうとか言えるものだな、といったところです。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・大統領室は20日、主要Gカ国(G7)首脳が共同声明を通じて創設に合意した経済安全保障協議体に、韓国は加担する計画はないと線を引いた。大統領室ハイレベル関係者はこの日午後、広島にある現地プレスセンターで記者たちと会い、G7経済安保協議体参加について「中国を含む特定国家の経済的威圧や対抗措置に備えて特定の国が何か協議体を作ることで、韓国が加入した事例がなく、今後も(加入する)計画はない」と答えた・・

・・同関係者は「共同宣言に、金融、貿易、開発、処理水の問題が出てきて(※G7は日本の努力とIAEAを支持すると明らかにしました)、中国のリスクに備えて、サプライチェーンルートを多様化するためのG7国家間の調整プラットフォームを作ることにするという 文章がある」と説明した。それとともに、「それはG7国家間の結果と分析である」とし、韓国が協議体に参加しないだろうと改めて強調した(ヘラルド経済)・・>>

 

遠回しに言っていますが、結局は特定国(G7)が作ったからではなく(新しい形の協議体だから加入した前例が無いのはどこの国も同じでしょうし)、特定国(中国、ロシア)を意識したものだから加入しない、というのです。それに、「G7が決めたものだからG7でない韓国は無関係」という趣旨を話していますが、これがG7各国大使を集めて「G8のために」と乾杯した国の大統領室関係者の言うことか・・と、呆れてしまいます。17日の記事で前にも引用したことがありますが、韓国日報は、『政権が変われば基本政策も変わるというのが、G8加入できない一つの理由ではないのか』という指摘を書いています。

<<・・パクジン外交部長官は先月、外交部が主催した在韓G7大使招待晩餐で「G8のために」と乾杯をしたりもした。ただ、まだG8加入議論は本格的に始まっていない。来る19~21日、日本広島で開催されるG7首脳会議ではメンバーシップ拡大の可否についての議論は予定に無いという・・・・政権が変わっても外交政策の一貫性を維持できるのか、それもG7国家が掲げている厳しい条件の一つだ。最近、安保問題に浮上した米中対立とロシアのウクライナ事態などで、外交政策を一貫して推進できるかということだ(韓国日報)・・>> 政権が変わって政策が変わるのももちろん問題ですが、変わってほしい『こういうの』は政権が変わっても変わらないから、さらに問題です。次の更新は午後5時~6時あたりになります。

 

おかげさまで、新刊が発売中です!今回は、マンションを買わないと『貴族』になれないと信じられている、不思議な社会の話です。詳しくは、新刊・準新刊紹介エントリーを御覧ください。経済専門書ではありませんが、ブログに思いのままに書けなかったその不思議な「心理」も含めて、自分なりに率直に書き上げました。以下の「お知らせ」から、ぜひ御覧ください。ありがとうございます

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。

   ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2023年3月1日)からですが、<韓国の借金経済(扶桑社新書)>です。本書は経済専門書ではありませんが、家計債務問題の現状を現すデータとともに、「なぜ、マンションを買えば貴族になれるのか」たる社会心理を、自分なりに考察した本です。・新刊として、文在寅政権の任期末と尹錫悦政権の政策を並べ、対日、対米、対中、対北においてどんな政策を取っているのかを考察した<尹錫悦大統領の仮面 (扶桑社新書)>、帰化を進めている私の率直な気持ちを書いた<日本人を日本人たらしめているものはなにか~韓国人による日韓比較論~>も発売中です。・刊・準新刊の詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・ンシアリーはツイッターをやっています。ほとんどは更新告知ですが、たまに写真などを載せたりもします ・当に、本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます