韓国、中国と「半導体サプライチェーン協力強化」に合意か・・中国政府が公式発表

いままで本ブログでは、ユン政権(ユン政権だけの問題でもありませんが)がなにかそれらしいことを言って、そのあとにすぐ「あ、でも、それはですね」と火消しする姿を何度も何度も伝えてきました。今回は、どうやら政府レベルで中国と半導体サプライチェーン強化に合意した・・と思われます。G7サミットが終わってから10日も経っていません。詳しくどういう合意をしたのかは報じられていませんが、このタイミングで政府レベルの合意とは、これはこれで凄い(?)ことではないでしょうか。

今回の件、中国側からは公式発表がありましたが、韓国側からの発表はありません。韓国側の発表は、中国に、「レアメタルなど必要な材料の調達の安定化を求めた」とする内容だけです。ソース記事のノーカットニュース(CBS)は、今回の合意に、例のマイクロン社の『穴埋め』が含まれているのかどうかが特に重要ではないだろうか、と記事を書いています。もし今回の合意にマイクロン社関連内容があるなら(直接的な記述が無くても、たとえば『半導体供給不足の場合に協力する』などの内容があるなら)、これは中韓半導体協力において大きな一歩になります。米韓だとその逆になりますが。

 

ただ、ブルームバーグが『ユン政権は、マイクロン社の穴埋めには応じない方向になりそうだ』と報じた直後のことでもあるので、まだどう決まったのか言い切れる段階ではないでしょう。いずれ、サムスン電子やSKハイニックスの中国工場実績などのデータから明らかになるでしょうけど。本ブログ的には、マイクロン社穴埋めは別にしてでも、半導体サプライチェーンで中韓が何かの合意がなされた可能性は高いと思っています。なぜなら、去年夏から、続いて同じ趣旨の記事が報じられてきたからです。韓国からの要請で、中韓半導体サプライチェーン強化の協議が始まった(去年7月)、そのための協議体が作られて協議が進展しているものの、あまり対外的には公開されなかった(今年2月)、などなど。今回の合意は、その結果ではないでしょうか。以下、<<~>>が引用部分となります。

 

<<・・半導体サプライチェーンをめぐって米中対立が深まっている中、中国政府が、韓国と半導体サプライチェーン分野で協力強化に合意したと明らかにし、その内容と背景が注目されている。中国商務部は26日、ホームページを通じてアンドクグン産業通商資源部通商交渉本部長とワンウォンタオ中国商務部長が、米国デトロイトで開かれているアジア太平洋経済協力体(APEC)貿易長官会議で両国間の通商懸案について議論したとした。

二人はこの場で両国間の産業ネットワークとサプライチェーン安定性問題などについて議論したが、中国商務省は発表文を通じて「両側は半導体産業ネットワークとサプライチェーン分野で対話と協力を強化することに合意した」と強調した。中国側の発表通りならば、最近、米国半導体企業に対する中国当局の措置以後、半導体サプライチェーンをめぐる米中両国間の対立が深まっている状況で、韓中のハイレベル会議を通じてこのような合意が導出されたという点は、多くのことを話してくれる・・

 

・・半導体輸出が減少し、貿易赤字行進が14カ月目続いている状況で、米国半導体企業に対する措置は、好機である。しかし、米国の圧力のため、このような機会を活用するのが難しい状況だ。だからといって米国のために半導体最大輸出国である中国の供給要求に応じないのは難しい。このような状況で、韓中通商分野のハイレベル会合から出てきた「半導体サプライチェーン分野協力強化合意」が具体的にどのような内容を盛り込んでいるのかが注目される・・

・・特に、マイクロン社関連措置による韓国半導体企業の代替供給まで今回の合意に含まれたかどうかが大きな関心事だ。ただし、今回の回動に関連した産業通商資源部報道資料には「アン本部長は中国側に貿易円滑化と核心原材料・部品需給安定化のための関心と支援を要請した」という内容などが書いてあるだけで、半導体に関する合意内容は 含まれていないという点で、中国側が自分たちに有利な部分だけ発表したという見方もある(ノーカットニュース)・・>>

 

「有利な部分だけ発表」は事実かもしれませんが、それが本当に書いてある内容なら、それが問題でしょう。マイクロン社関連が含まれているのかは分かりませんが、このタイミングでこの内容。先に書いた「非公開協議体」のことも含めて、気になるところです。しかし、これを「中国が助けてくれと言ってきた」よ報じているメディアが多いのも、また・・気になると言うか、なんというか。そんなところです。

 

 

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