韓国メディアに広がる「米中のどちらかを選んではならない」・・「マイクロン社の『穴埋め』したほうが、米国にも得になる」という主張まで

何度か取り上げましたが、ユン政権がスタートしたときから、米韓首脳会談の後など米国関連で何かあればほとんどのメディアが「もう完全に米国側に舵をきった」とする記事を載せます。左側のメディアすらも、「たしかに完全に舵をきったが、中国との関係も管理すべきだ」という論調を出したります。が溢れます。でも、中国関連でなにかあれば、すぐに「米中どちらかを選ぶのは国益にはならない」という記事があふれます。

今回の、米マイクロン社関連の件で、また似たような流れが見られます。心理的G8がどうとかと盛り上がってから10日も経たず、早くもほとんどのメディアが「どちらかを選んでは国益にならない」という論調の記事を載せ、保守側のメディアとされる朝鮮日報も、「中国工場でサムスン電子やSKハイニックスが半導体増産を行い、マイクロン社の不足分の穴埋めをしたほうが、中国半導体の自立をおくらせるため、米国にとっても得になる」という謎の主張を載せています。そんな中、ソウル新聞など、複数のメディアは、日米の半導体協力を紹介する記事を出しており、相応の対策が必要だとしています。中には、「日本は、中国内に工場を持っていないので、その点が新しいメリットとなっている」という指摘もあります。以下、両紙、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・(※一つ前のエントリーで紹介した)中国が十分な事前協議なしに「韓中半導体協力強化」資料を発表したのは、米国の半導体関連措置に対抗するには、韓国が切実に必要だからだ。去る21日、中国は米国の代表的メモリ半導体企業マイクロン社に、サイバーセキュリティリスクが発見されたという理由で措置を発表した。中国でデータ、金融など情報インフラのマイクロン社製品の購入を中断し、米国に打撃を与えるという計算だった。マイクロンは昨年だけ中国で4兆ウォンの売上高(全体売上高の11%水準)を上げた。米中半導体対立はこれまで「チップ4(韓・米・日・台湾)」と「半導体支援法」などで米国が動いてきたが、今回は中国も本格的に動き出したのだ。問題は、中国の措置が成功するには、韓国半導体企業の協力がなくてはならないという点だ・・

 

・・米中半導体対立は長期戦であると予想されるため、国内半導体企業は特定の国に味方できない状況だ。一方的に米国か中国側を選ぶ決定を下すと、莫大な損を被る可能性があるからだ。中国でサムスン電子はNANDフラッシュ物量の40%を、SKハイニックスはDRAMの40%、NANDフラッシュの20%を生産している。 これらの大規模生産ラインを短期間で置き換えることは困難だ。米中半導体対立が激化するほど、中国内生産基地がサムスン・SKハイニックスの中国販売は保障され、守られるという分析もある。中国でサムスン・SKハイニックスがマイクロン社の不足分を埋めることが、中国の半導体自立速度を遅らせるので、米国にも利益だという主張も出ている(朝鮮日報)・・>>

 

<<・・米国と中国の半導体競争が激しい中、半導体製造分野で日本の再浮上が注目されている。マイクロン社など脱中国半導体工場の代替地として、日本が浮上したのに続き、日米間の半導体技術開発、人材育成、サプライチェーン構築強化に対する協力合意がなされている・・・・数十年間、半導体生産基地の役割を果たした韓国・台湾に比べ、半導体工場の新たな立地として、日本の強みは「中国との距離感」だ。工場がなかったから中国との取引関係もなかった日本に半導体製造工場を建てるのが、新しいサプライチェーン構築に容易だとされているわけだ。問題は、韓国半導体の戦略だ。米国という先端半導体技術強国と、中国という最大市場にはさまれている状況で、対処が必要な境遇に置かれている・・

 

・・まだ市場は水面上では穏やかである。米国と中国が米国メモリ企業マイクロン措置をめぐって対立を本格化し、中国が親米政策を露骨化する日本とオランダへの圧迫を高めているが、中国は、自国メモリ供給の大きな軸を担う韓国には状況を鋭意注視しているだけだ。クォンギジョン・クァンウン大学電子バイオ物理学科教授は、「米国は中国のマイクロン措置を契機に、米国産の代替が可能な韓国などを強い脅威として感じたようだ」とし「AI半導体を中国に取られてはならないという危機感も、電力半導体など半導体全般に技術を取り揃えた日本を選んだ背景だと思われる」とし、超格差技術開発と人材養成の重要性を強調した(ソウル新聞)・・>>

どの記事を読んでみても、「韓国の技術力」というものをものすごく高く評価し、だからこそ米中どちらを選ぶ必要はない、という論調があります。さて、どうでしょうか。中国メーカーのことを考えても、いま韓国側のメディアが「技術力の超格差」という言葉を使う状態だとは、とても思えませんが。

 

 

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