「4つの不可」関連、韓国外務省「そんな話は無かった」 / 中国外務省「両国関係の責任は我々にあらず」

昨日お伝えした、中国の4つの不可。ハンギョレ新聞の単独報道でしたが、さっそく韓国側のポータルサイトでは「4大不可」が検索予測に出てくるなど、かなり反響があったようです。簡単に概要だけ振り返りますと(詳しくは二つ前のエントリーをお読みください)、韓国を訪問した中国外務省のアジア担当局長が、「台湾問題などに触れる場合、中韓間の協力は不可」、「日米中心の外交政策を取るなら、中韓の協力は不可」、「現状のような緊張状態が持続した場合、習近平主席の訪韓は不可」、「現在のような情勢では、北朝鮮問題で韓国の主導権行使は不可」の4つの不可を韓国政府に伝達した、という内容です。

さて、この中のどれが「やつは4大不可の中でも最弱」とされるかは分かりませんが、いままで『安米経中(安保は米国に、経済は中国にたよる)』を続けてきたユン政権としては、大きな悩み事です。だからといって今目立つ方向転換をしたら、訪米から何とか『外向きに示す』ために頑張ってきた外交路線がすべて無力化される心配もあります。この件、話題ではありましたが、他のメディアからは記事が出てなかったですが、内容そのものまではともかく、どうやら「4つの不可」に相応する何かがあったのは事実のようです。

 

なぜそう思うのか。韓国外交部(外務省)は『事実と異なる。そんな話は無かった』としましたが、中国外交部は関連した発言に、イエスもノーもせず、『様々な課題に直面した両国関係だが、その責任は我々にあらず』と話しました。それぞれニュース1YTNですが、他にも複数のメディアが報じています。さすがに「言ったけど?」とは言ってませんが、この二つの反応を見たところ、事実だったと思われます。妙ですね。片方が「事実と異なる」としているのに、なんで「事実だったのか!」と思われるのでしょうか。私の心が曇っているから、でしょうか。以下、各紙、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・外交部は、中国当局が最近、韓国政府に「4大不可」方針を通報したという一部のメディア報道に対して事実と異なるという立場を出した。外交部当局者は31日、「劉中国外交部アジア担当局長の訪韓の際、いわゆる4つの不可方針を通報し、外交部外の人とも会ったなど、全般的な報道内容は全く事実ではない」と 言った。局長は去る22日、ソウルでチェヨンジュン外交部東北アジア局長と韓中外交局長級協議を進行した。外交部当局者は当時協議について「すでに発表したように両国外交部局長は韓中関係など相互関心事案について幅広く意見を交換した」と説明した(ニュース1)・・>>

<<・・中国が、最近韓中関係が困難と挑戦に直面していると責任は、自国にはないと主張しました。マオニング外交部スポークスマンは、定例ブリーフィングで、去る22日開かれた韓中外交部局長級協議の時、中国が韓国に「4つの不可」立場を通報したかどうかを尋ねる質問に、このように答えました。韓国のあるメディアは、中国が韓国政府に向けて台湾問題などの核心案件、日米外交中心政策を引き続き繰り広げる場合、習近平主席の訪韓などハイレベル交流、韓国の対北主導権行事は不可とするなどの4つの立場を伝えた、と報じました(YTN)・・>>

 

引用部分にはありませんが、中国外務省は、しばらく開催されなかった日中韓首脳会談(今回は韓国で開かれる番です)については、3国全てにとって得になることであり、その再開には反対しない、とも話しました。さて・・一部のメディアは、ちょうど昨日の北朝鮮のミサイル発射とアラートの件もあって、「北朝鮮問題で、中国の協力無しにできることがあるのか」という論調の記事も出しています。でも、中国経済への依存を考えると、経済的なことならまだ分かりますが、そっち方面で何か期待できることがあるのでしょうか。むしろ、中国という存在そのものがあるから、北朝鮮問題が長引いている、という側面のほうが強いのでは。とにかく、ユン大統領、何をどう対処するのでしょうか。山場であると同時に、わかりやすいという面では日米への良い「見せ場」でもありますが。

 

 

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