視察団「設備に問題無かったがだからって性能が保障されたわけではない」 / IAEA「処理水サンプル問題なし。日本側の測定は正確だった」

昨日、ちょうど視察団が視察結果を発表しましたが、同じタイミングで、IAEAが処理水サンプルを分析し「意味のある追加核種の検出は無く、日本側の測定は正確だった」と中間報告を発表(※IAEAホームページ)しました。視察団は試料採取などをしておらず、IAEAの試料を共有しています。視察団の発表内容も、「~を見てきた」なものだけで、視察団メンバーではありませんが与党の関連TFリーダーは、「非常事態にはどうすればいいのか見てきたことに意味がある」と発言したりしました。それでも視察団は「追加資料、追加分析などが必要だ」としながら、最終報告は後にするというスタンスを取っており、結果の発表は随分後になりそうです。

ファイナンシャルニュースは、IAEAと視察団のスタンスがずいぶんと異なる点を指摘、IAEAの中間報告により日本は名分を得たものの、視察団は追加で確認することが多いとし、「各施設が設計図通りにつくられていることを確認したが、それでも性能が保障できたわけではない」と話した、と報じています。日本にいる間(視察中)は、「要請した資料は日本側からもらえた」、「もともと原子力関連で全ての資料が見られるわけではない」など、現実的な発言も多かったですが・・世論を意識したのでしょうか。以下、<<~>>が引用部分となります。

 

<<・・検証中の国際原子力機関(IAEA)が、「日本東京電力が汚染水サンプルで放射性核種を測定・分析した方法は適切だ」という中間報告書を発表した。IAEAは、総合データを分析した結果、既存の放射性核種以外に追加核種が有意なレベルで発見されなかったと明らかにした。事実上、今夏の海洋放流計画に力を添えたのだ。同日、韓国視察団は視察活動に対して意味のある進展があったと評価したが、追加分析が必要だとし、最終結論は出さなかった。IAEAは31日(現地時間)、東京電力がサンプルを分析した結果と、海外研究機関などで同じ分析を行った内容を比較した中間報告書を公開した。報告書は「東京電力はサンプル測定と関連技術の能力において、高いレベルで精度を実証し、サンプルを収集する手順でも適切な方法論的基準を守った」と伝えた。

 

また「放射性核種を分析するために東京電力が採択した方法は適切で目的に合致し、比較分析に参加した第3の研究機関の分析結果でも(三重水素の他に)追加的な放射性核種が有意なレベルで検出されなかった」と 説明した・・・・今回の報告書の前にも、IAEAは5回にわたって関連報告書を出した。このうち4つの報告書は、IAEAのTFが直接調査した内容をもとに作成されたものだ。IAEAは傘下研究所3ヶ所と韓国・フランス・スイス・アメリカの研究施設で同様に収集したサンプルを一緒に分析した・・

・・処理施設を点検した韓国政府視察団は、「処理設備の性能が基準に満足するかどうかを判断する総合分析にスピードを上げる」と明らかにした。視察団団長のユ・グクヒ原子力安全委員長は前日、政府ソウル庁舎で進行したブリーフィングで・・・・「具体的資料も確保し、科学技術的検討過程で意味のある進展があった」としながらも、「処理施設が設計図通りに設置されていることを確認したが、それが性能を保障するわけではない。長期間、安定的運営可能性は、故障などの事例を分析し、多核停止除去設備(ALPS)定期点検項目、維持管理計画などを追加確保して確認する」と付け加えた(ファイナンシャルニュース)・・>>

 

引用部分にもありますし、本文上部にリンクした原文を読んでみても、 「The samples taken for the report were analysed by TEPCO; by the IAEA in its laboratories in Monaco, and in Seibersdorf and Vienna, Austria; and in third-party laboratories in France, the Republic of Korea, Switzerland and the United States – all of which are members of the network of Analytical Laboratories for the Measurement of Environmental Radioactivity (ALMERA)」となっています。韓国の機関も参加した、と。そのためか、追加資料というか追加で確認するというのが、「設備が故障しないのか」などになっています。ただ、記事によっては、「IAEAは最終報告書の発表を『早ければ今月末』としており、報告書が発表されると、視察団が何も発表しないわけにもいかないだろう」とも見ています。できる限り引き伸ばして・・たとえば来年の総選挙の後まで・・って、まさかそれはないでしょう(笑

 

 

おかげさまで、新刊が発売中です!今回は、マンションを買わないと『貴族』になれないと信じられている、不思議な社会の話です。詳しくは、新刊・準新刊紹介エントリーを御覧ください。経済専門書ではありませんが、ブログに思いのままに書けなかったその不思議な「心理」も含めて、自分なりに率直に書き上げました。以下の「お知らせ」から、ぜひ御覧ください。ありがとうございます

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。

   ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2023年3月1日)からですが、<韓国の借金経済(扶桑社新書)>です。本書は経済専門書ではありませんが、家計債務問題の現状を現すデータとともに、「なぜ、マンションを買えば貴族になれるのか」たる社会心理を、自分なりに考察した本です。・新刊として、文在寅政権の任期末と尹錫悦政権の政策を並べ、対日、対米、対中、対北においてどんな政策を取っているのかを考察した<尹錫悦大統領の仮面 (扶桑社新書)>、帰化を進めている私の率直な気持ちを書いた<日本人を日本人たらしめているものはなにか~韓国人による日韓比較論~>も発売中です。・刊・準新刊の詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・ンシアリーはツイッターをやっています。ほとんどは更新告知ですが、たまに写真などを載せたりもします ・当に、本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。