今度は米国から・・米シンクタンク「マイクロン社事態をサムスン電子・SKハイニックスが利用するなら、両国の信頼は大きな影響を受けるでしょう」

一応、一部の外国メディアが「ユン政権は、サムスン電子やSKハイニックスがマイクロン社の『不足分の穴埋め』をしないように事を進めるだろう・・と記事を出していますが、いまのところ何も具体的な情報は無く、副総理が「各企業が判断すること」と話しただけです。穴埋めとは、中国政府の措置によるマイクロン社の減産分を、サムスン電子やSKハイニックスが増産して補うことを意味します。米国側はすでにユン大統領の訪米前からこの趣旨をユン大統領に伝えている、と複数のメディアから報じられています。

一角では、中国がマイクロン社に関連措置を下すことができたのは、サムスン電子やSKハイニックスから代替品を確保できるからであり、米国の事前要請はそういう部分を予想していたからではないのか、とも言われています。そんな中、聯合ニュースTVなど複数のメディアの報道によると、米議会とシンクタンクから、この問題を直接的に取り上げるようになりました。中には、もしサムスン電子・SKハイニックスが「穴埋め」を行った場合、米韓の信頼は大いにゆれるであろう、とも。また、これだけだとちょっと短すぎるので、SBSの記事から対中輸出関連内容も一緒に紹介します。一つ前のエントリーでも取り上げましたが、どうやら赤字(中国が黒字)が続いている、とのことでして。以下、各紙、<<~>>が引用部分となります。

 

<<・・米中の半導体関連対立が高まっている中、韓国に向けた米側の圧迫が大きくなっています。政治家、専門家の間で、韓国企業に対し関連措置を強化しなければならないという声が相次いでいます・・・・共和党所属のマルコ・ルビオ連邦上院議員は自身のホームページに通って、ラモンド商務長官に送った書簡を公開しました。先端半導体生産装置の対中国輸出につちえ、強化を促す内容です。そして、今年10月まで一時的に猶予措置を受けたサムスン電子とSKハイニックスを指摘しました。

韓国企業は依然として中国内施設で生産を続けているとし、これらに対する適用猶予措置を延長するのか、それとも韓国の要求を聞いてやるために最終発表を遅らせているのか、米国商務省に回答を要請しました。米国政府が猶予延長を検討しているという外国メディアの報道が出た中、反対の立場を表明したのです。先月、米下院マイク・ギャラガー米中戦略競争特位委員長が、中国の措置を受けた米国マイクロンの不足分を、サムスン電子・SKハイニックスが埋めるようになれば、装備猶予措置を撤回しなければならないと主張したのと、同じ趣旨の発言です・・

 

・・米国内の半導体専門家も、同じ声を出しています。【ロバートアトキンソン、米国情報技術革新財団会長:「韓国企業が米国マイクロンに対する措置を活用して利益をあげれば、両国の信頼に亀裂が発生、大きな問題になるだろう。我々は中国メモリチップの輸出・輸入を許可しないという、同盟協定を結ばなければなりません」】。米中半導体の葛藤が激化するほど、韓国の存在感が浮上しており、米国内で協力を圧迫する声はますます激しくなるように見えます(聯合ニュースTV)・・>>

 

次はSBSの報道で、現代経済研究院というシンクタンクが発表した内容です。これもまた、『新型コロナなどの要因による部分もあるが、結局は中国の競争力上昇(いわゆる構造的変化)によるものだ』としています。同じ趣旨の分析を何度も目にしますが、政府側の発表はいつも「ある時期がすぎれば(たとえば、新型コロナによる影響が終わって中国の経済活動が本格的に再開されれば)」としています。

<<・・現代経済研究院は本日(※5月30日)発表した「対中国貿易構造変化と示唆点」報告書で、「中国貿易収支が急激に低下し、国内産業全般の輸出競争力に対する懸念が高まっている」と指摘しました。対中国貿易収支の黒字規模は2013年628億ドルで頂点に達し、昨年は12億ドルに急減した後、今年は3月までの累積基準で79億ドルの赤字を記録しました。現代経済研究院は、このような対中国貿易収支の変化の原因として、高位技術製造業の黒字減少と、低位技術製造業の赤字拡大を挙げました・・

 

・・高位技術製造業の対中国貿易収支「黒字」規模は2010年264億ドルから2020年157億ドルに減少しました。逆に低位技術製造業の対中国貿易収支「赤字」規模は、2010年94億ドルから2020年122億ドルに増加しました・・・・研究院は、「の対中国貿易収支の変化は、コロナ事態、グローバル景気などの影響が大きいが、中国の貿易競争力上昇が伴って現れた現象だ」とし「革新能力を高め、優秀な人的資本を拡充するなど産業競争力を改善し、 これを貿易競争力につなげる努力を並行しなければならない」と助言しました(SBS)・・>>

SBSの結論の部分ですが、それができればどんな問題でも解決できるでしょう。間違ってはいないけど、ちょっと範囲が広すぎる気がします。でももっとも凄いのは、先の聯合ニュースTVの記事ではないでしょうか。この内容を記事にしながら「存在感が大きくなり」と、どことなく喜んでいるような書き方をするとは、もうツッコミどころが多すぎで。 そういうことで(どういうことでしょう)、明日は、1日休みます。次の更新は、4日(日曜)の朝11時頃になります。いつもありがとうございます。

 

 

おかげさまで、新刊が発売中です!今回は、マンションを買わないと『貴族』になれないと信じられている、不思議な社会の話です。詳しくは、新刊・準新刊紹介エントリーを御覧ください。経済専門書ではありませんが、ブログに思いのままに書けなかったその不思議な「心理」も含めて、自分なりに率直に書き上げました。以下の「お知らせ」から、ぜひ御覧ください。ありがとうございます

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。

   ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2023年3月1日)からですが、<韓国の借金経済(扶桑社新書)>です。本書は経済専門書ではありませんが、家計債務問題の現状を現すデータとともに、「なぜ、マンションを買えば貴族になれるのか」たる社会心理を、自分なりに考察した本です。・新刊として、文在寅政権の任期末と尹錫悦政権の政策を並べ、対日、対米、対中、対北においてどんな政策を取っているのかを考察した<尹錫悦大統領の仮面 (扶桑社新書)>、帰化を進めている私の率直な気持ちを書いた<日本人を日本人たらしめているものはなにか~韓国人による日韓比較論~>も発売中です。・刊・準新刊の詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・ンシアリーはツイッターをやっています。ほとんどは更新告知ですが、たまに写真などを載せたりもします ・当に、本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。