中韓の対立、本格化?・・駐韓中国大使「中国にベットしないと後悔するでしょう」「ちゃんと約束を守ってください」

駐韓中国大使シンハイミン(邢海明)大使が、15分に渡って韓国政府に不満を表出したことで、韓国政府(外交部)が大使を招致する事態となりました。共に民主党のイジェミョン代表との会談で、シン大使は韓国政府に対して「今の問題は中国には責任がありません」「中国にベットしない人たちは後悔することになるでしょう」「ちゃんと約束を守ってください」「もっと問題を直視してください」「対中貿易赤字も、韓国が脱中国したからです。外部要因にふりまわされていませんか」などと発言しました。

「脱中国」発言は、韓国の企画財政部などが話した「脱中国はしたことないし、するつもりもない」発言などに対する「返事」にもなります。「責任はない」発言は、例の『4つの不可』関連質問に中国政府が答える際に用いた表現と一致します。この発言はそのまま共に民主党SNSでライブ配信され、中国大使館はそのままブリーフィング資料まで出しました。韓国政府は「ウィーン条約(外交使節の友好増進任務)を守れ」「内政干渉」としていますが・・それを言うなら、あの像からなんとかしてほしいところです。

 

私見ですが、まず『約束』というのが具体的にどんなものなのか、気になります。そして、前にも大使の発言関連で似たような事がありましたが、韓国と中国の対応には根本的な差がありました。ユン政権はあくまで「大使の発言」に範囲をしぼっていました。今回はどうなるのでしょうか。中国は、これを両国関係全般の問題として見ています。KBSはこの件で、「政府の許可を得た発言であり、中国が韓国関連の何かの措置を取る可能性がある」とも報じています。他には、メディアによっては、「ベットはバイデン大統領がよく使う表現で、2013年に朴槿恵大統領にも同じことを言った。当時、政府は何も言わなかったのに、なんで中国には強く言うのか」という、中国寄りの反論もあります。『大使』としての発言としてふさわしいのとかという側面で、これはバイデン氏の発言とは別の問題だとする再反論もあります。以下、KBSから<<~>>で引用してみます。

 

<<・・形式も問題です。外国の大使が野党代表に会って食事をすることはできます。しかしその場でこのような発言をして、また報道資料まで作って配布したのは、外交官の間では「見たことない」と言われています。内容も問題です。後悔するだろう、約束を守ろう、のような表現は、内政干渉の所持があり、大使が駐在国野党代表の前でするものではない、というのが外交関係者たちの見解です。

大使という役職を勘案すれば、個人の意見で見ることはできません。各発言は本国の承認を受けた可能性が高いです。発言による外交的影響を知らなかったはずはありません。最近、韓国の外交政策に対する中国の不満を効果的に知らせようと意図したのだ、こういう分析もあります。ここに、シン大使がいつもストレートに言うほうなので、そんな個人的な特性も加わり、議論がより大きくなったという分析もあります・・

 

・・鍵はやはり、台湾問題です。ユン大統領が韓米首脳会談などを通じて、中国が「核心利益」とする台湾問題を繰り返し言及しました。以前の政権より一層鮮明になった立場であり、中国は米中競争状況で、韓国が米国に傾く政策を広げると判断し、特に台湾問題に対してこれ以上はならないという意思を明らかにしたと見られます。実は「相手にベットしない」という言葉は、バイデン大統領がよく使ってきた表現です。返すように、あえてその表現を使ったのも、こういう意図が敷かれているようです・・

・・今後の両国関係にもかなり影響がありそうです。今後、自国利益のために韓国を圧迫するという意味を明らかにしたものと見なければならないからです。関連措置がさらに強化されるという分析も一角から出てきます。今、米国はブリンケン国務長官の訪中の話が出てくるなど、関係改善を予告し、経済的な実益を得ようとする雰囲気なのに、私たちはむしろ逆行しているのではないかという懸念も出ています(KBS)・・>>

 

最後の部分は、ほとんどの韓国メディアに共通する見解だったりします。さて、G7終わってから「G7新設経済協議体に参加しない」「脱中国しません」「半導体サプライチェーン協力強化します」など、最近の韓国政府関係者たちの中国寄りなスタンス。今回の大使発言で全部吹き飛ばされたようなものですが・・ユン政権、今回こそスタンス変更なるか、それともまた「発言に対して、だけです」として終わるのか。例の4つの不可とともに、注目したいところです。 今日と明日は1回更新になります。次の更新は、11日(日曜)の11時頃になります。

 

 

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