今度は「9月金融危機説」・・新型コロナ支援策として満期・償還猶予していた8.5兆円が原因か

去年下半期あたりから、3~4ヶ月に1回は何かの形で危機説が記事になります。季節が変われば1回は出てくるようなものですが・・今回もやはり出てきました。「9月、金融危機説」というものです。次はクリスマスあたりでしょうか。個人的に、ちゃんとした何かの原因があって、その問題を指摘するのは肯定的なことだと思っています。そう、珍しく晴れた心で見てみると・・あまり変わりません。ちゃんとした原因が3~4ヶ月に1回はあったのか、とまた曇りますから。

今回の9月説は、主に金融関連、特に「9月から廃止される新型コロナ支援政策」が核心です。どう考えてもちゃんと返してもらえる状態ではない、というのです。支援策は、文在寅政権だった2020年4月から施行されたもので、いろいろありますが、基本的には中小企業・自営業者が対象で、ローンの満期延長、または償還猶予などの方式で行われてきました。ソース記事ビズウォッチによると、金融当局が予想する(支援対象終了時点での)与信規模は約85兆3000億ウォン、約8.5兆円です。6日、韓国には650万人の自営業者がいて(日本は約200万人)、その年所得が20万円にならないというニュースをお伝えしましたが、その650万人のうち105万人が、2021年1年で増えました。増加率で見ると19.1%で、その前までは2.4%でした。このとんでもない増加率、私はこの時点の低金利も大きな理由だと思っています。自営業者が増えた分、支援を受けた人は予想より多かったのではないでしょうか。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・金融圏が、もう一度危機を迎える可能性があるという懸念が提起されている。来る9月、新型コロナ金融支援が終了すると、小商工人(※自営業者)を中心に大規模な不実(※不良)が発生する可能性があるというのが背景だ。実際、最近発表される金融会社の健全性指標はますます低下している。このような状況で新型コロナ金融支援が終了し、その債権の一部だけでも問題が発生しても、連鎖的に衝撃波が広がる可能性があるという懸念が出ているのだ・・・・特に金融圏では、来る9月以降、不実化する貸出債権が急激に増えるのではないかとの懸念が出ている。

 

9月には、2020年4月から施行されていた中小企業及び小商工人に対する新型コロナ金融支援が終了する。この金融支援は融資満期延長あるいは利子償還猶予などの方式で行われた。金融当局が予想する支援対象終了時の与信規模は約85兆3000億ウォンだ。金融当局はこのような与信に対する支援を一気に終了するのではなく、金融会社と借主で追加協議を通じて、満期延長、利息返済猶予などを続けていく計画だ。しかし、金融圏の不安は相変わらずだ。

銀行与信管理部署の関係者は、「新型コロナ金融支援対象だった借主らの場合、融資を返済することが非常に難しい状況だと見ている」とし「銀行の立場としても、追加協議を通じて最終満期と利息返済の期間を定めるというが、そうやっても難しいと判断する分は確かにあるだろう」と説明した。続いて「新型コロナ金融支援終了の与信のうち、1%だけでも追加支援ができない場合、金融圏では8000億ウォンを超える融資が不実化する」とし「これは、普通の銀行の全体の『固定以下与信(※)』に該当する」と説明した・・

 

・・問題は、不実化する融資が増えた時、経済に及ぼす影響だ。 現在、景気がなかなか回復できない状況で、ローン返済を放棄する借主が増えると、景気はさらに急速に低迷する可能性があるためだ。金融会社の融資による影響を、『彼らだけの問題』と限定して見てはならない理由でもある(ビズウォッチ)・・>>

引用部分の「※」ですが、長いのでここに書きます。銀行のローンは、普通は「正常」「要注意」「固定」「回収疑問」「推定損失」などのランクで管理されます。「要注意」が延滞が3ヶ月未満の場合で、それよりマズイ場合(『固定』から『推定損失』まで)を高リスク債権とします。すなわち固定以下とは高リスク債権、『固定』から『推定損失』まで」を意味します。自営業者が大変だというニュースがいくつかのメディアから報じられた直後ですが・・『『『また』』』金融危機説。銀行も大変ですね。 次の更新は、17時~18時頃になります。

 

 

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