データから見えてきた、文在寅政権での「市民団体の政治勢力化」

朴槿恵大統領の弾劾あたりから、本ブログは何度も「『市民団体の政治勢力化』が韓国社会の最大のイシューになっている」とする趣旨を書いてきました。やっと、それがデータとして明らかになったので、エントリーしてみます。別に保守側だろうと市民団体とつながりが無いというわけではないでしょうけど、一般的に左側が、市民団体との癒着が強いとされています。朴正煕大統領の頃から、彼ら左側政治家たちを支援したのが市民団体(またはその前身)だった、という経緯もあります。

労働組合や市民団体関連で今までより強硬なスタンスを示し、これが主に保守側からの支持率上昇にもなっている、ユン大統領。大統領室が発表した「(2022年)非営利民間団体への補助金支援」データを見てみると、まさに市民団体無双だったことが分かります。日曜ソウルというメディアがまとめた内容ですが、2016年から2022年の間、市民団体に支援された金額は31兆4,000億ウォン。支援を受けた団体の数は2016年2万2,881から2021年2万7,215に、年平均で1000団体ずつ増えました。不正使用も多かったけど、政治勢力として使った分も相当なものでした。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・国務調整室が総括し、最近3年間、国庫補助金を受けた民間団体1万2,133か所に対する補助金執行実態監査を行った結果、合計1兆1,000億ウォン規模の事業で1,865件の不正が確認された。横領、リベート、私的使用、書類操作など様々なタイプの不正行為が摘発されたのだ。監査範囲を拡大する場合、補助金の不正受給及び使用履歴も増えていくだろう。政府は2024年、支給される補助金を5,000億以上削減することにしたが、金額の範囲を定めるより、国庫補助金全般に対する点検と制度改善が必要だと見られる。

不正使用も問題だが、政治的用途で使われる点も大きな問題だ。特に、彼ら団体が自分たちの好みに合った政党や組織の前衛となって宣伝活動に乗り出す場合、反対側にある政党や組織に対する非難に血税が使われることになる、という点だ。国民の税金で支援された補助金が、国民を非難するための行為に使われるのは、事実上、民主主義を破壊するようなことだ。税金をこのように使用する行為は、直さなければならない。朴槿恵(パク・グンヘ)政権の最後の年、3兆ウォン規模だった補助金規模が、文在寅(ムン・ジェイン)政権になって、り総選挙と地方選挙を経て、年平均4千億ずつ増加して、5兆ウォン台に急増したことは、単純に見るべき問題ではない。

 

ソウル市長になる前、市民団体活動「だけ」をしてきたパク・ウォンスン弁護士は、古い靴を自慢しながら、庶民と弱者の代弁者を名乗った。しかし当時、月々の家賃250万ウォンのマンションに住んでいた。「資料があまりにも多くて、広い家が必要だった」という解明に、呆れた国民も多かった。「企業協賛で生きてきた人が、一体どうやって月250万ウォンずつ家賃を用意することができたのか」と疑問に思うの人も多かった。後にソウル市場になってから、自分の支持基盤を拡大するために市民団体に補助金をバラマキ式で支援した、という批判が続いた。結局、自分が大統領になるための支持勢力を広げるためだけではないのか、という市民の疑問は当然だった(日曜ソウル)・・>>

こういうところにメスを入れるのは賛成ですが、すでに彼らの影響力は強く、簡単ではないでしょう。労働組合もそうですが、政権が変わればなんとかなると思っているでしょうし、実際、いままでそうでした。さて、ユンたん、どこまでできるのでしょうか。5年単任制(人気商品に付き、大統領になれるのは1人様1回までです)ですからね・・

 

 

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