一時ほどではありませんが、まだまだ「G8」関連記事が出ています。今回は、西側の国々がブロック経済を形成しているので、その連結の役をやればいい、ただし、そのためには脱中国することになるから、その分の補償はもらうことにしよう、という主張です。原文ではヨンギョルゴリ(連結の環)、すなわちコッターとなっていますが、趣旨的に「連結役」に訳しました。マネートゥデイの記事、韓国経済研究院というシンクタンクの人が出したもので、「半導体などの部門で高い競争力を持っているので、ブロック経済圏の連結役を十分果たすことができる」が基本で、そのためにはG8になる必要があるというものです。先の「補償」というのは、多分(直接記述はありませんが)、韓国がG8になるようG7各国が同意すること、だと思われます。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・このような地政学的環境が展開され(※サプライチェーン再編成のこと)、韓国がG8編入を通じて、多様な西側経済ブロックを中心に輸出入市場で重要な連結の役割を果たさなければならないという声が大きくなった。韓国は特に半導体とバッテリー、モビリティ、防産など自由西方経済バリューチェーンの核心要素に対する強力な競争力を保有している。中国を除くグローバルバッテリー産業は、LGエネルギーソリューション・SKオン・サムスンSDIなど国内バッテリー3社が最大のシェアを占めており、サムスン電子は台湾TSMCとともに半導体ファウンドリ市場を二分している。
イ・ギュソク韓国経済研究院副研究委員は、「G8加入による経済同盟の強化は、サプライチェーンの再編によって国内主要産業の有利な方向に作用するだろう」と明らかにした。 続いて「脱中国が(国内企業に)問題になるのは事実」とし「しかし、韓米同盟中心のサプライチェーンの再編が大勢の流れになり、中国の核心部品・鉱物の割合を下げなければならない」と話した。米国・欧州との貿易のために脱中国が要求される中、その流れを避けることができないなら、脱中国に相当する補償を欧州・米国側に要求する政府レベルの対応が必要だとの説明だ(マネートゥデイ)・・>>
5日、中国との貿易で赤字になっている理由は、新型コロナなど外的要因によるものではなく、製品の競争力によるものであり、まずそこから認めないと話が始まらない、という記事を紹介したことがあります(6月5日のエントリー)。ソウル経済の記事でしたが、記事は「まだ韓国では、中国内の事業不振を、高高度ミサイル防御体系(THAAD)配置以後の両国関係、中国の自国製品消費重視などを理由に挙げるが、そうではない。製品の競争力の問題だ」、「いまの米中関係にもアップル製品がよく売れる現象はどのように説明するのか」などと指摘しました。
記事は、「中国との技術差により、中国はもちろん世界市場で優位を占めた韓国企業は、ますます難しくなってきた状況」であり、「世界市場でも中国市場と同じ結果が現れる可能性は十分にある。中国市場は、そのような点で、韓国企業が世界市場でどのような運命に直面するかを予測するバロメーターになるといえるだろう」と指摘しています。他にも、メモリ半導体においても、もう中国と韓国の技術力の差はほぼ無い、または中国製品のほうが優れているとするとする意見も出ています。
ある意味、盧武鉉政権のバランサー論、文在寅政権の運転者論も、「韓国だからこそできる役だ」という主張から始まりました。しかし、他はともかく現実的に、そんなバランス外交ができる状態ではありませんでした。すなわち、「私たちだからこそ」という前提からしてハズレだった、と言えるでしょう。先のG8連結役のマネートゥデイ記事とソウル経済の記事を合わせて読んでみると、同じ感じを受けます。
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