金を借りすぎで、個人再生で削減してもらい、お祝いにまた金を借りる・・韓国メディア「青年たちは『個人回生(個人再生)すればいい』と話している」

最近、高価ブランド品関連内容が増えて来ましたが・・ちょうど、「その終着点は、豪華なレストランでなく、裁判所(個人破産・回生)だった」と言い切る記事があったので、紹介します。この件で結構記事を出している、国民日報です。記事に個人回生という言葉がよく出てきますが、趣旨的には日本の「個人再生」と似ていると言えるかもしれません。個人破産の一つの形で、生計費だけ残してそれ以外の所得を債務返済に使うようにする制度です。債務は最大で9割まで『なかったこと』になるので、大人気(?)です。

こういう制度そのものが問題ではありませんが、記事によると、「青年たちは『債務を返済できなかったら回生すればいいじゃないか』と話している」とのことでして。記事は、いくら良い趣旨の制度だとしても、本当にこれでいいのかと指摘しています。「ささやく回生ブローカーも多く、法律事務所は弁済率を下げたことを実績のように提示する。青年たちはもはや『借金返せないなら回生すればいいじゃん』と話している」、と。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・ローンによる無理な投資、収入を超えた消費、それらの最後のシーンは、豪華なレストランやデパートではなく裁判所で繰り広げられたりする。債務を負担する能力がなくなった人々が、裁判所に個人破産・回生を申請し、債務の削減を訴えるのである。裁判所は、債務者の陳述と弁済計画を中心に、彼らの行為の合法性、経済観念の健全さなどを総合的に調べる。その後、最終的に免責かどうかを決定する。 免責決定を告知されるとき、債務者の顔は光輝くという。これらを全て『モラル的に問題がある行為』とすることはできない・・・・倒産制度を通じた救済で労働力を維持することが社会全体の利益という判断も、一般化している。破産・回生が最も活性化された国は、保守的市場経済を運用する米国だ。

 

ただ、こういう風潮を見守る人たちは、裁判所の『外の世界』の変化を懸念している。貯蓄の価値が落ちて、消費水準がその人を「説明」する世界になったこと。格差と景気低迷が深化していること。このような外部環境と、賢いとは言えない個人の選択が複合的に現れる事例が多くなったこと、などなどだ。扶養する家族がいない20代の若者たちが、ますます多くの借金をして、その削減を要請するようになったこともそうだ。ソウルの回生裁判所によると、個人回生申請の「30歳未満青年」の割合は2020年10.7%、2021年14.1%、昨年15.2%と着実に大きくなっている・・

・・一部の債務者は、免責を得るために、最初は「高級品」の購入や、複数回の整形手術などを述べない。しかし、支出内訳はその後の調査でバレたりする。本人と配偶者の収入を超えたショッピングを続ける事例、クレジットカードだけを信じて海外旅行を続けていく事例、輸入車を何度も買い替える事例などがそうだ。債務者たちは消費習慣が間違っていると『懺悔』の陳述書を書き出すが、一部は裁判所手続きの進行中にもショッピングとオンラインギ◯ンブルを続けて摘発されたりもする。 稀には、債務者が個人回生と認められた後、「お祝い」としながら追加でお金を借りる事例も見られる。「限界が感じられる」というのが、裁判所関係者の経験談だ・・・・「簡単なローン」広告はあらゆる手段で人々に向かう。容易に多くを削減できるノウハウがありますとささやく回生ブローカーもあり、法律事務所は弁済率を下げた事例を実績のように提示する。青年たちはもう「返済できないなら回生すればいいじゃん」と話している(国民日報)・・>>

 

個人回生になると、金融取引に相応の制限があるはずですが・・そういう抜け道もちゃんと用意されている、ということでしょうか。引用部分にはありませんが、実際に債務者の財産、所得、弁済計画案などを検討する「回生委員」たちによると、「収入に比べ過剰な支出をする事例」、「株式およびコイン投資による事例」などなどが多い、とのことです。中には、高価な塾に金を使いすぎる人(過ぎた私教育)も少なくない、と。債務が多いのに頻繁なタクシー利用、インターネット放送への数百万ウォン台の「投げ銭」後援、「繰り返しグッ(シャーマニズム儀式)を行う」など、普通とは思えない消費パターンも多いとのことです。これらは「投資失敗と繋がっている場合もある」とのことです。すなわち、投資失敗の原因をなんとかするためにグッをしたのかもしれませんが、それで個人破産したとなると、もうどこからどうツッコメばいいのか分かりません。最後に、中央日報の記事によると、今年5月末時点で、20代の個人回生受付件数は6993件(去年全体1万3868件)でした。30代は1万3846件(去年全体2万6626件)。ちなみに、去年(2022年)が最高記録でした。

 

 

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