韓国経済メディア「中国の経済が回復しないかぎり、韓国の経済回復は難しい」

最近・・というか、今年になってから、各国際機構の出した韓国の成長率展望が、下がる一方です。昨日はADB(アジア開発銀行)も、韓国の経済成長率を下方修正しました。政府は「もうすぐ反騰できる」としている、いや、『していた』けど、なんで下方修正が相次ぐのか。韓国の経済メディア「アジア経済」が、単純明快な記事を載せました。中国経済が回復していないのに、韓国経済が回復できるはずがないじゃないか、そんな趣旨です。もちろん、そうダイレクトに書いてあるわけではありませんが。

「家計債務」と「中国経済」が、韓国経済を牽引していたというのは本ブログの持論でもありますが・・ユン政権になってからも、政府や中央銀行から経済反騰の主な理由として「中国のリ・オープニング(経済活動再開)があるから」を挙げてきました。しかし、いまのところ中国のリ・オープニングは期待したようなものではなかったし、外国からの投資は明らかに日本に向かっているし、なにより、中国の技術力向上により、韓国と中国の貿易には構造的な変化が生じました。アジア経済の記事も基本的には似たような趣旨のもので、「これからもしメモリー半導体価格が回復することがあっても、中国経済がいまのままでは、韓国経済成長率の反騰は難しい」としています。もう一つの理由は、内需であり、特に金利上昇の影響が大きかった、とも。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・政府が「(※経済反騰は)今年下半期から」を自信していたのも、半導体循環サイクルと関連している。国内外の主要機関は、コンピュータ・モバイル機器の需要が4~9月頃から回復すると予想している。コンピュータが4~5年、モバイル機器が2~3年ごとのサイクルだが、それぞれ2019年と2020年に最低点があった。計算通りなら、今まで通り、下半期から半導体の状況が急速に改善されるはずだ。 「中国が回復しないかぎり、韓国経済の回復も難しい(※見出し)」。それでも韓国の成長率見通しがどんどん下がるのは、中国の影響が大きい。中国は韓国半導体輸出の55%を占めている。米中対立の影響で2018年から対中依存度を下げてはいるが、依然として高い。

 

中国のリ・オープニング効果が予想より弱く、中国内の半導体自給率が着実に上がれば、国内半導体景気回復も遅くなるしかない。政府と主要機関の当初の予想より、半導体景気の上昇時点が少しずつ遅れてきた。チェ・テウォン大韓商工会議所会長も、最近記者懇談会を開き、回復時点について「6ヶ月後または1年後」と話したことがある。一方、世界経済の見通しは当初予想より希望的に変化している・・・・内需が支えている国では成長見通しが良くなるだろう。韓国は内需不安要因が大きい・・

 

・・高金利政策が物価上昇を抑え込んだものの、反対給付として、内需回復を制限した。現代経済研究院は先月、修正展望報告書を出して、「高金利・高物価の衝撃が反映され、家計実質購入力が弱化したことも内需回復を制限した」とした。OECDも「韓国の高まった債務返済負担と、不振な住宅市場は、民間消費と投資に負担となり続けるだろう」と指摘した。需要が回復する時点は、今年下半期ではなく2024年と予想した。ADBが予想した民間消費・投資の流れも、2024年からの改善を予想している(アジア経済)・・>>

 

最後の部分の「内需」ですが、もしこれから回復するように見えても、それは「家計債務が回復した(また増えた)」ことによるものでしょう。個人的に、韓国の「外」の経済を支えるのは中国で、「内」の経済を支えるのは家計債務です。家計債務が再び増加してきたというニュースもありますが、増えるとしても、いままでのような増加は難しいでしょう。新型コロナのときのような低金利が再び訪れないかぎりは。家計債務も中国との貿易も、構造的な変化が生じています。その影響はすでに表面化してきました。これを「一時的なもの」とし、家計債務も対中貿易も、『特定時期が来れば回復する』とするのは、果たして『予想』と呼べるのでしょうか。

 

 

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