ユン政権の「水産物輸入再開はしないけどCPTPPに加入する」公式立場、まだ変化なし

本ブログでも昨日(20日)、「やはり中国経済が回復しないかぎり、韓国の経済も回復するのは難しいではないか」とする率直な記事を取り上げたことがありますが、韓国経済の低成長基調に関する記事が増えています。今朝からは、先月久しぶりに黒字を達成した貿易収支も、半導体36.8%、対中輸出20.6%減少などの影響で、再び赤字が確実視されている、というニュースも目立ちます。日本など先進国とは異なり、貿易収支の影響が圧倒的ですから。そこで経済関連の記事をもう少し調べて見ましたが・・経済メディア韓国経済今月10日の記事に、低成長対策の一つとして、「CPTPP関連の議論を進めるべきだ」な趣旨の話が書いてありました。

率直に言って、処理水関連でこれだけの騒ぎを起こしている韓国が、まだCPTPP関連の話をするとは、さすがにあきれる話です。で、しばらく聞かなかったこともあってCPTPP関連の記事が無いかまた検索してみましたが、いくつかのメディアで、同じく「CPTPP入ろうぜ、なんで入らないの?」な内容の記事があるだけでした。『科学』より『怪談』が勝つ状況で、この話を持ち出すとは。「野党の問題ではないのか」と思われるかもしれませんが、そうではありません。3月29日の中央日報から、ユン政権がこの事案についてどういうスタンスだったかが分かります。「文政権の路線を受け継ぐ」です。当時も、ユン大統領(大統領当選人)は、「加入する」と言っていました。週刊朝鮮(5月6日)によると、「CPTPPに加入しても、水産物輸入再開はしないというのが政府の公式立場だ」とのことで、何も変わっていません。以下、中央日報と週刊朝鮮の順で、<<~>>で引用します。

 

<<・・「処理水に強く対応・・尹大統領職引受委員会、文政権の基調を維持」(題)・・文在寅政権に続き、次期尹錫悦政権も日本の海洋放出に対して、強く対応することにした。文政権は日本の計画に対して「深刻な懸念を表明する」と遺憾を明らかにしてきた・・・・引受委関係者は「水産物の輸入など、放流関連内容の報告を受けている」とし「現政府(※文政権)の政策を土台にし、今後の政府の政策方向を検討する」と明らかにした・・・・ユン当選者は候補当時「国民が水産物を安心して消費できるようにしなければならない」と公約した。先に外交部も対日外交政策の方向を伝えた。政府関係者は、「次期政府で日韓関係が改善される見通しがあるが、この問題だけは国民的懸念が大きい事案であるだけに、政府の基調に変化は無い」とし「現政府とレベル、表現などは異なるかもしれないが、立場は次の政府(※ユン政権)も同じだ」と伝えた(中央日報3月29日)・・>>

 

<<・・「包括的・漸進的環太平洋経済連携協定(CPTPP)に加入する」。ユン政権の国政課題の一つであるCPTPP加入は、あまりスピードが出なかった。「チップ4」のような大きな通商問題が優先され、与党・野党の対立が長引き、国会の報告もきちんと行われなかった。私たちの立場から見ると、CPTPPは大きな市場だ。これら加盟国の総合は、韓国全体の貿易の24%程度を占める。日本とベトナムは韓国の5大輸出国リストに毎年入っている。だからCPTPP加入は経済的問題だ。急変するグローバル市場に対応するためにも、加入が必須だと政府は話す・・

・・チュギョンホ経済副首相兼企画財政部長官も、「新しい貿易秩序に入ると経済全体に肯定的な効果が大きいのが事実」と加入が必要だと強調してきた。5月7日、韓国を訪れる岸田文雄首相と関連議論がなされる可能性もある。まだ「CPTPPに加入しても水産物は輸入しない」というのが政府の公式立場だ。ただし、日本の国民的理解と戦略的観点から見ると、私たちの譲歩や態度の変化を求める可能性があり、これは「交渉」の問題とされる。台湾やイギリスが加入意向を示したとき、「歓迎する」とした日本政府は、韓国の加入意向に「CPTPPの高い水準を満たすことができるかどうか判別が必要だ」と述べた。中国が加入意向を明らかにした時と同様の反応だった(週刊朝鮮5月6日)・・>>

 

一つ気になるのは、尹大統領が「ぼくたち、ともだちだよね」パターンでこの件を岸田総理に強調するのではないか・・というか、もうやっているかもしれません。イギリスや台湾のスタンスからして、まさかとは思いますが・・こればかりは下手に応じないでもらいたいところです。ちなみに、韓国政府はまだ公式にはCPTPP加入申請をしていません。いつだったか、加入を決定して公聴会まで開きましたが、反対が強くて、実際に申請まではできなかったと聞きます。

 

 

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