2017年から始まった「最低賃金を上げればいい」政策・・最低賃金未満の勤労者は約300万人に

2017年から始まった、「最低賃金を上げればいいじゃない」政策。来年は2.5%引き上げの9680ウォンになりました。この分「だけ」を見ると大したことないようにも見えますが、7年間で見ると、上昇率は63%に及びます(朝鮮日報)。今年4月、賃金をもらう勤労者の約12.7%、275万6000人でした。経済活動参加人口が2800万人だと言われていますから(ファイナンシャルニュース、4月2日)、そう考えると、経済活動をしている人の約10%となります。現在は、約300万人になっているというのが、衆論です。ちなみに、韓国は全国に同じ最低賃金が適用されます。以下、それぞれの記事から該当部分を引用してみます。

<<・・最低賃金は2017年6030ウォンから、7年ぶりに3830ウォン(63.5%)上がり9860ウォンになった。 文在寅政権5年間、最低賃金引き上げ率(41.6%)は物価上昇率(9.7%)を大きく上回った。「馬車が馬を引く(※馬が馬車を引くのではなく)」という所得主導成長を打ち出して、最低賃金を引き上げすぎたためだ。最低賃金は28の法令で活用される。失業給与から特別災害支援金まで46分野の支給額決定基準として使われる。政府が推進する180社以上の雇用事業にも最低賃金が適用される。過去7年間で60%を超える最低賃金の上昇は、小商工人(※自営業者)と中小企業を萎縮させ、インフレを起こす可能性が高い・・

 

・・最低賃金は今年、すでに日本の平均値を超えた。日本中央最低賃金審議委員会が定めた今年の全国平均最低賃金は961円(現在の為替レートでは8700ウォン)だ。韓国の今年最低賃金9620ウォンのほうが高い。今年最低賃金は日本東京の最低賃金(1072円・9710ウォン)に迫る(※記事時点の為替レートによる換算です)。日本は地域別に物価水準を考慮して最低賃金も異なるが、物価のため東京の最低賃金が最も高い。このため、ソウルと地方に同じ最低賃金を適用するのはどうなのかという問題も出ている。慶尚北道ヨンドク郡は昨年、税金収入が全国で最も少なかった。しかし、最低賃金はソウルの江南と同じだ。 忠清南道西山市のデサン邑でコンビニエンスストアをするPさん(52)は「一日に客が多くて100人ほど、夜にはほとんど人が来ないのに、最低賃金が日本の東京レベルって、話になりますかこれが」と言う(朝鮮日報)・・>>

 

<<・・(※今年4月)2日、韓国経営者総協会が統計庁の資料で作成した「2022年最低賃金未満率分析及び最低賃金水準国際比較」報告書によると、2022年、法定最低賃金である時給9160ウォンを受け取れなかった勤労者数は275万6000人だった。全体賃金労働者の12.7%だ。2001年(57万7000人)と比較すると378%増えた。全労働市場で最低賃金未満を受ける労働者の割合(最低賃金未満率)も、2001年4.3%から2022年には12.7%に増加した。最低賃金制度と市場の現実の間に、依然として大きな溝が存在することを示す結果である・・

・・最低賃金高率引き上げに伴い、労働市場の受容性が低下したことが増加の理由だと説明している・・・・経済協力開発機構(OECD)資料を分析した結果によると、昨年最低賃金は中位賃金に比べ62.2%で、最低賃金制度が存在するOECD30カ国のうち8番目に高かった。 G7諸国と比べると最も高い数値だ。この指標が韓国より高い国は、コロンビア(97.5%)、トルコ(95.8%)、コスタリカ(82.3%)、チリ(75.3%)、ニュージーランド(69.4%)、ポルトガル(68.7%)、メキシコ(65.4%)の7カ国だけだ(ファイナンシャルニュース)・・>>

 

引用部分にもありますが、最低賃金が上がると、政府としても支出が増えます。ですが、ユンたんの国税収入は今年5月までの累計で前年同期比36兆ウォンほど減りました。しかし、ファイナンシャルニュースの別記事によると、今年の財政は去年と同じくらいに設定されている、とのことでして。もし6月から2022年と同じレベルの税収が可能だと仮定して、利用できる財源を使うとしても、約30兆ウォンが足りない、とも。馬車に引きずられて馬が大変なことになっている・・といったところでしょうか。馬車に乗っている人たちも、馬車そのものも。

 

 

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