韓国で連日トップニュース「楊平高速道路問題」とは・・ファースト・レディ一家関連疑惑で、ユン大統領は『また』ピンチか

ユン大統領がまだ大統領候補だった頃から、彼の奥さん、現ファースト・レディ金健希(キムコンヒ)氏に関する疑惑は何度も提起されてきました。もはや、「事実はどうなのか」より「政治としてどうなのか」のほうが優先されている案件でもあります。韓国関連ニュースでご覧になった方も多いでしょうけど、それと関連して、政府(国土部)が20年近く議論されて原案まで決まっていた高速道路建設を『野党が疑惑を提起したので、建設を取り消す』と大人げない態度を取るなど、騒ぎが大きくなっています。

ですが、前から裁判が続いてきたキム女史のお母さん、すなわちユン大統領の丈母(義母)さんが、2審でも有罪判決となりました。通帳残高証明偽造、などです。また、例の高速道路関連で、キム女史一家が所有している不動産関連疑惑がKBSから報じられるなど、ユン大統領にとっていろいろと不利な展開が続いています。家族・親族によるこういう問題は、どこの国でも話題になりやすいですが、『階級論』などが流行っている韓国では、特に強く作用します。さて、ユン大統領、このピンチ・・ほぼ毎日がピンチな気もしますが・・をどうくぐり抜けるのでしょうか。簡単にまとめてみます。<<~>>は引用部分となります。

 

本にもブログにも書いたことがありますが、韓国は「ソウルから釜山(大まかに南北)方向」の移動に比べて、「東西方向」の移動のためのインフラはちゃんと整備されていません。いまでも、普通なら1~2時間で行ける距離なのに道路(または鉄道など)の問題でその2~3倍の時間がかかったりします。東側にある山脈を貫くトンネルができたのが、1998年でした。それまでは、ソウルから慶尚北道の北部(大まかに東西移動になります)まで行く道は、事実上「峠道を超える国道」一本だけでした。

楊平(ヤンピョン)というところは、首都圏周辺にあり、ソウルまで30分~1時間で行ける距離なのに、道路が『魔法陣レベル』で、実際には3時間はかかる、そんな地域です。よって、随分前(約20年前からだと言われています)から、ソウルに繋がる高速道路を利用できるように、新設、または既存の高速道路へ繋がる道路を作ってくれという話になっていました。そして、やっと原案が通りました。これを一般的に「ヤンピョン高速道路」と言います。

 

ですが、この高速道路の路線が急に変更となり、野党側はその理由を「キム女史への特恵のため(キム女史一家の不動産の価値を上げるため)」としてきました。私はこの件について、本当にそういう理由で変更になったのかどうかは深く考えたことがありませんので、見解は控えたいと思います。で、この疑惑について、国土部長官が「じゃ、ヤンピョン高速道路を無かったことにする」と公言しました。「野党が疑惑を取り消すなら、再検討する」とも。個人的に、この対応は0点だったと思っています。地域住民のことを少しでも考えているなら、こうは言えないでしょう。そんな中、KBSがこのように報道しました。

 

<<・・キムコンヒ夫人一家の「コンフン地区」開発事業に特恵を与えた疑いで起訴された楊平郡の行為公務員が、最近論議になった楊平高速道路路線変更も主導したことが把握されました。キム夫人一家は、いままで知られている楊平の土地ではなく、このコンフン地区にもマンション一軒と商店街六軒を持っていることが、KBS取材の結果確認されました・・・・楊平郡のA局長は、昨年7月、国土部が楊平郡に高速道路路線についての意見を聞いたとき、変更路線を提出して最終決裁した人物です。ところが、A局長はキムコンヒ夫人一家のコンフン地区開発事業の際に特恵を与えた疑いで起訴され、裁判を受けています。

キム女史一家の不動産会社は2012年から楊平邑のコンフン地区にマンション開発事業を推進してきましたが、竣工が終わる前に実施計画認可期間が終わって、事業中断のピンチを迎えました。この時、書類操作で延長してくれた疑いを受けているのが、A局長です・・・・A局長は昨年7月警察捜査を受けていたが、楊平郡守(※行政区域「郡」の責任者)が新しい人が就任すると、すぐに課長から局長に昇進し、その後国土部に高速道路変更案を送りました・・・・キム夫人一家はコンフン地区にマンション1軒と商店街6軒を保有中であることが確認されました。マンションは家族会社名義、商店街6軒はキム女史の弟の名義です。国土部と楊平郡は金夫人一家の不動産と楊平高速道路で終点変更とは何の関係もないという立場です(KBS)・・>>

 

繰り返しになりますが、もう「本当なのかどうか」より「『政治』として使える案件なのかどうか」が優先されているこの件。義母さんのことでも、大統領室はまだ公式コメントを出していません。いままで、ほぼ例外なくすべての大統領に付きまとってきた『家族・親族による問題』。ユン大統領はこの件をどうくぐり抜けるのでしょうか。

 

 

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