ついに中央銀行も認めた? ・・「輸出の急な反騰は難しい。中国製品との競争力が低下している」

本ブログで取り上げた回数だけでも十数回にはなると思いますが・・「中国で韓国製品が売れなくなった(対中輸出が大幅に減少した)のは、競争力の問題である」との主張。この件、ついに韓国銀行から同じ趣旨の分析が出てきました。ソースは東亜日報です。いままでは「中国が韓国から買って、それで最終製品を作って中国内、及び他国で売る」パターンだったけど、その構造に変化が生じて、すでに表面化しているという主張。今まで結構大勢の人たちがこの主張をしてきましたが、「中国の経済が回復していないのが原因だ」とする主張が主流であり、政府側も中央銀行も、いままでは同じ主張をしてきました。多少とは言えスタンスの変化が見られるようになったわけです。以下、<<~>>で引用してみます。

<<・・今月に入って20日までに輸出が1年前より約15%減少した。 昨年10月から始まった輸出減少傾向が今月にも続く可能性が高まった。主力品目である半導体輸出が11カ月目の後退を見せ、韓国銀行は情報技術(IT)景気が良くなっても輸出が大幅に反騰するのは難しいだろうと見通した。政府が予想していた「上半期の不振が下半期から回復する」にブレーキがかかるのではと懸念される・・・・(※その政府の予想とは異なる)輸出が今後も大きく増えるのは難しいと思われる・・

 

・・韓銀はこの日に出した「最近の韓国輸出の特徴および示唆点」で、「7~12月以降、IT景気不振が緩和されても国家別産業構造と競争力変化など構造的要因のため、輸出が今までのように大幅に反騰するのは難しいだろう」とした。特に韓銀分析結果によると、対中輸出減少で中国自体の需要が減ったことによる「景気的要因」は64.7%。中国内の韓国のシェアの下落に関連した「競争力要因」は35.3%だった。対中輸出減少の原因の約3分の1は、韓国製品の競争力が低下したためだという意味だ(東亜日報)・・>>

 

「中国への輸出が減少したので」というのは、たしかに大きな理由です。半導体関連で中国輸出が55%になるので、「対中輸出が減少した」というのは大きな問題になります。7月1日~20日までのデータを読んでみると、輸出額は312億3300万ドル、去年同期比マイナス15.2%。半導体輸出額は43億300万ドルで前年同期比マイナス35.4%、対中輸出はマイナス21.2%。しかし、それだけなのか、と言いますと・・他の国への輸出も結構減少しています。マレーシアへの輸出がマイナス40.2%、ベトナムがマイナス22.6%など。特にアセアン地域への輸出減少が著しく、1~6月統計で見ても、対中輸出が26%減少、アセアンへの輸出がマイナス20.4%でした。

あと、なぜかほとんどのメディアには載っていませんが、こちらは7月1日~10日の統計なので単純比較はできませんが、日本への輸出はマイナス20.8%。同期間の対中輸出はマイナス20.6%で、実は中国より日本への輸出のほうが減少していました。私が読んだ中では、ザ・スクープというネットメディアだけ、報じています。ただ、他のメディアは20日までの統計なので、11日~20日の間に急に増加した可能性もゼロではありません。

 

そして、それらよりもっとも大きな問題は、中国の競争力上昇という「構造」には変化が起きているのに、韓国の産業、特に半導体やバッテリーなどにおいて、中国から離れられないとする「構造」は変化が無いことでしょう。同じく本ブログでも取り上げましたが、「中国市場を失うと、私たちには回復力がない」、「(米国との)同盟という義理だけで中国市場から離れるわけにはいかない」とした半導体関係者たちの発言が、それを証明しています。

 

 

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