米韓の金利差、初めて2%P・・専門家「韓国銀行は金利を上げることができないのに、家計債務と延滞率が上昇している。『金利の罠』だ」

米国Fedが基準金利を0.25%上げ、日銀が長短金利操作を柔軟化(0.5%超えを容認)するなど、金利関連のニュースが多くなってきました。日銀の場合、予想できなかったわけではないけど今までの発言からしてちょっと早かったかな、な気はします。そんな中、米韓の金利差は初めて2.0%Pとなり、中央サンデー(中央日報の週刊紙)によると、韓国の中央銀行は「金利を上げることも下げることもできないが、すでに今の金利でも延滞率が増えているので、何もしないこともできない」状態になっています。

セマウル金庫など、一部の金融機関に関する延滞率の上昇も目立っており、専門家はアメリカなどで金融危機とされる時期の前に、コマーシャルバンク(商業銀行)の延滞率が7%だったことを指摘しています。最近の一部の金融機関の延滞率が6%台です。金利を上げる(ローン規模を減らす)ことができないのに、すでにローンが増え、延滞率が上がっている・・記事はこれを「金利の罠」としています。見方にもよりますが、上げるタイミングを逃した、ということでもあります。こんな中、政府との対立も目立っています。ユン政権はむしろローンの基準を緩和しました。選挙対策でもあります。

 

本ブログでも結構前から書いてきました・・傳貰(ジョンセ)保証金問題がいよいよ台頭してきました。いわゆる逆・伝貰(ジョンセ)問題(大家が、入居者にジョンセ保証金を返すことができなくなる)です。ユン政権としては、ローン組みやすくしておくから、さっさと借りて、保証金を返しなさい、という趣旨です。でも、中央銀行は、米国との金利差を考えて「金利を上げたくても上げられないでいるのに、さらに上げられなくなったではないか」という立場。どこの国も困っているのは同じでしょうけど、ハードカレンシーを持たず、家計債務世界1位(機関によっては3位)という高難度モード。さて、4月の総選挙を前に、ユン政権はどう動くのでしょうか。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・米韓金利の逆転がすぐに外国為替・金融で大きな問題を起こすわけではないが、市場では「9月危機説」が再点火している。韓米金利格差2%Pは一度も経験したことがない。特に韓銀が半年近く基準金利を3.50%に止めている間、融資規模と延滞率が急速に増え、債務返済に対する懸念が高まっている。 現在、韓銀は金利引き上げできない状況だが、金利が縛られている間に、債務がさらに増え、その健全性が低下する「金利の罠」におちいっている。市場で「9月危機説」が出てくる理由もこれだ・・

・・9月の関連措置終了で『年内』の問題は無くなったというが、市場での懸念はかなりのものだ(※政府は9月から予定されていた自営業者へのローン政策、新型コロナ対策として、元利金返済の猶予・延期などを2025年まで延長しましたが、思ったほど市場の評判は思わしくないと聞きます。「金融機関及び次の政権への丸投げではないのか」という指摘もあります。この部分は省略します)・・・・9月の逆ジョンセ問題も台頭している。延滞率上昇傾向も深刻だ。 6月末セマウル金庫の平均延滞率は6%台で、すでに金融危機レベルだとされる。貯蓄銀行の延滞率も2021年の2.5%水準から今年1~3月5.1%に達するほど急増した。

 

ソン・テユン延世大経済学科教授は景気低迷と金融危機の前兆現象で「延滞率増加」に注目する。 金融危機直前、米国商業銀行の延滞率が7%に達するほど高まったという点を考慮すれば、最近セマウル金庫などの延滞率上昇傾向に留意する必要があるという指摘だ・・・・だからといって国内基準金利を引き上げることも容易ではない。韓銀は現在「物価」より「景気」に通貨政策の中心を置いている。今年4~6月期実質国内総生産(GDP)成長率は0.6%だが、輸出(-1.8%)より輸入(-4.2%)減少幅が大きい「不況型成長」だ。

キム・ヨンイク、ソガン大学経済大学院教授は、「消費と投資が共に不振な局面であり、韓銀が金利を上げるのは難しい状況」と話した。キム・ジョンシク延世大経済学部名誉教授も「通貨政策に制約があれば財政政策で景気不振が深化しないようにしなければならない」とし「積極的な輸出・内需進行政策で対応する必要がある」と話した(中央SUNDAY)・・>>

 

貯蓄銀行の延滞率は、延滞が発生しても3ヶ月連続にならないと延滞率としてカウントしないところもある・・という話がありますが、さて、どうでしょうか。セマウル金庫だけでなく、保険会社、証券会社なども問題です。第1金融圏がPFから離れてから、証券会社などが積極的にPFに参加しました。しかし、結果はおもわしくありませんでしたし、海外での投資もかなりのマイナスになっている・・とか、そんな記事も目立ちます。はてさて。

 

 

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・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
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