もはや「与党(ユン政権)と野党(ムン政権)のどちらが問題か」という政治の世界の話になっている、世界スカウト大会ジャンボリー。一部メディアからは「外交問題であることに気づくべきだ」と言われており、また一部からはポーランド(次回ジャンボリー大会開催国)大統領が急に訪韓をとりやめた理由の一つだとも言われていますが、とりあえず台風で撤収が決定しました。それからどうなったのか、と言いますと・・予想通り、宿所に困っているようです。
一例として、大学の寮を利用する場合も多いと聞きますが、「ジャンボリー隊員たちを寮に~」という連絡が大学に届いたのは、隊員たちの到着当日。1人で寮の部屋を使っていた生徒は「ジャンボリー隊員とルームシェアしなさい」と大学側から「当日」連絡があった、とも。隊員たちのため学生食堂も利用できなくなり、大学生たちは大変困っているそうです。でもこれはまだマシで、韓国の隊員たちは体育館でちゃんとした寝具ももらえず宿泊することになり、親たちからかなりのクレームが来ているそうです。
こんな中、与党側は「あんなに多くの人をここまで素早く撤収させた」と自慢し、政権の責任ではないのかという指摘には「75歳の国務総理がトイレ掃除をするなど、頑張った」という妙な論拠を出しました(ソウル新聞など)。トイレなどの衛生問題が指摘された後に、国務総理が掃除するシーンを(取材陣に)公開しましたが、そのことでしょう。組織委員会のリーダーである長官も「私たちの優れた危機管理能力が発揮された」と話すなど(ハンギョレ新聞など)、わけがわからない状態になっています。また、相変わらず一部のメディアは「隊員たちが韓国を経験して幸せだと言っている」「オンドル体験に大満足」などとこれまたよくわからない記事を載せていますが、ノーカットニュースによると、やはり隊員たちの『思い出』は、「暑くて、非生成的」なものでしかありませんでした。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・「そこは地◯のようでした」。9日午後、ソウル市立大学キャンパスで会った台湾出身の隊員は「ジャンボリーはどうだったか」という質問に、返事を翻訳機を通じて見せてくれた。この日キャンパスで出会った隊員たちが描いたセマングムキャンプは、暑く、非衛生的なものだった・・・・政府の突然の入居通知に、現場は右往左往する姿を見せた。9日現在、スイス隊員154人を受け入れている韓国外国語大学は、隊員たちが来るという事実を、入所当日の8日に知った・・
・・韓国外大関係者は「教育部から先週金曜日(4日)の夜、初めて寮で受け入れられる人員について問い合わせを受けた」としながらも「スイス隊員たちが来る事実を正式に伝達されたのは8日午前であり、受け入れてからどうすればいいのか、それからの指針は全くなかった」と言う・・・・台湾隊員586人が滞在しているソウル市立大学も、連絡を受けたのは入居当日だった。ソウル市立大関係者は「英語で話せない隊員も多い」とし、8日になって「中国語が可能なボランティア募集を緊急に進めている」と明らかにした(クッキーニュース)・・>>
MBCや朝鮮日報などは、日本、同じ干拓地で開かれた2015年ジャンボリー大会を取り上げたりしました。すでにネットではトイレやシャワー施設などで比較にならないと話題になっていましたが、各記事によると、当時日本でも暑さによる問題があったけど、もともとセマングムジャンボリーの4~5倍の医療陣がいたのでそれ以上の問題にはならず、実際のプログラム管理などで、期間中に暑さによる患者の数を半数以下に減らすことができた、とのことです。また、そもそも暑さで患者が発生したとしても、その数はセマングムの10分の1にもならなかった、とも。こういうのを危機管理能力というのではないでしょうか。というか、そもそも『暑さ』が問題ではありません。引用部分にはありませんが、記事によると、トイレ掃除がそこそこ行われるようになったのは、米国からの問題指摘があってから、とのことでして。しかし、結局、米国チームは早期撤収、在韓米軍駐屯地に行きました。
他に、とりあえず『なんとかして』な内容ばかりで、現場はなにをどうすればいいのか分からない状態だ、とのことでして・・「まるで、新型コロナ問題が大きくなった直後、あの時と同じだ」という話もあるとか。クッキーニュースは他の記事でもこの件を取り上げているので、ひょっとすると(未定ですが)もう一度取り上げるかもしれません。
本エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において『本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2023年7月29日)からですが、<韓国人として生まれ、日本人として生きる>です。2023年、まさに心願成就、帰化できました。「韓国人として生まれた」より「日本人として生きる」を上位の概念にしたのはなぜか。なぜ名前を変えなかったのか。帰化した人たちがよく口にする「両国間の架け橋になりたい」などの言葉について、私はなぜ「そんなつもりはありません」としか思っていないのか。一つ一つ、自分なりの持論を綴りました。 ・準新刊は、<韓国の借金経済(扶桑社新書)>です。本書は経済専門書ではありませんが、家計債務問題の現状を現すデータとともに、「なぜ、マンションを買えば貴族になれるのか」たる社会心理を、自分なりに考察した本です。帰化を進めている私の率直な気持ちを書いた<日本人を日本人たらしめているものはなにか~韓国人による日韓比較論~>も発売中です。・新刊・準新刊の詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当に、本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。