国際機関などから韓国家計債務への指摘が相次ぐ・・今度は全米経済研究所の報告書が「リーマン事態の前と似ている」

「House of Debt」などの著書で知られる米国の経済・金融学者アミールサフィ教授が、NBER(全米経済研究所)という民間シンクタンクの報告書(記事によっては「論文」とも)で、中国と韓国の家計債務問題を指摘しました。ネットメディア ニュースピムの記事によると、教授は「各種国際収支的な側面もあるので言い切ることはできない」としながらも、中国と韓国の2015年~2021年家計債務の増加幅が、リーマン・ブラザーズ事態が発生する前の2001年~2007年と同じであるとしながら、特に韓国の場合はこれから金利上がるだろうに、と指摘しています。世界でこんなに急激な動きを示しているのは、この2カ国だけ、とも。

サフィー教授が調べたところ、2015年から2021年まで・・ですから本ブログでこの件を積極的に取り上げるより前のデータがもとになっていますが、その期間、韓国の家計債務はGDP比で増加幅が約23%に達しました。中国も同様の増加幅だったそうです。教授によると、この比率は、いわゆるリーマン事態前の、2001年から2007年までの米国の家計債務増加率と類似している、と。フランスなどでも同じ問題が指摘されていましたが、中国・韓国の場合、フランスの2倍以上だった、とのことでして。同じ期間、他の国の場合は、ほとんどが10%未満だったそうです。本ブログとしては目新しい内容はありませんが、有名経済学者がこのテーマを指摘し、それが韓国メディアで記事になるのも珍しいので、以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・債務と不動産バブルが、中国と韓国経済に大きなリスクを巻き起こすだろうという指摘が相次いでいる。家計ローンを拡大し、住宅価格のハードランディングを防止しようとする韓国の政策も、中国の建設会社のピンチと『影金融』リスクも、なにもかも2008年から米国で始まったリーマン・ブラザーズ及びサブプライム住宅ローン事態のデジャビューだとの指摘だ。

2014年に出版された「借金で建てた家:家計債務はなぜ危険なのか(※韓国版「House of Debt」)」の共著者であるアミール・サフィー シカゴ大学ブース経営大学教授は、全米経済研究所(NBER)の実務報告書を通じて、中国と韓国の家計債務と不動産バブルを取り上げた。2008年~2009年の米国金融危機と、2014~2016年のブラジルの景気低迷は、家計債務と不動産バブルの終わりから始まったもので、それと似た状況が中国と韓国で起きているという診断だ。

 

ウォール街はもちろん、国際通貨基金を含む国際機関まで韓国の家計債務に対する指摘が相次いでいる状況でもあり、注目される。報告書で、サフィー教授は最近7年間、GDP対比家計債務が最も急増した国家が中国と韓国だと指摘した。それだけでなく、両国の2015~2021年のGDPに対する家計債務増加幅が、米国金融危機が発生する前の6年間である2001~2007年の数値と似ているとも指摘した。米国と南米地域の家計債務の急増は、最終的に不動産市場に大きな問題を引き起こし、実物経済にも問題を起こした。中国と韓国も同様に、住宅市場の低下が避けられないのはもちろん、民間消費や生産性など、経済全般に衝撃が広がる可能性があると、報告書は指摘する。

債務と住宅価格、そして家計支出はm互いに強い関連性を持ち、景気サイクルの上昇・下降の流れを起こす。両国とも、家計と建設業界のローン元利金返済負担が限界で、連鎖反応が避けられないという主張である・・・・一般的に家計債務が増える時期に建設業や不動産市場に活況が演出され、雇用市場にも非交易セクターを中心に構造的な変化が起こる。建設と不動産ブームが消えると、生産性の側面で構造的変化を元に戻すことが難しく、このため生産性の低下と成長率の鈍化が続く・・・・家計債務は、いままも金融危機に繋がってきた点でも、中国と韓国の状況が懸念されると教授は言う。実際、米国金融危機当時、延滞とデフォルトが急増し、与信を執行した金融圏の不良化問題につながり、大規模な救済金融を投入したが、金融会社の破産や資金市場の梗塞などは大きく広がった(ニュースピム)・・>>

 

セガのガンシューティングゲームに似たようなタイトルがありましたが、ある意味、内容的にも似ているのではないか・・そんな気もします。また基準金利を現状維持した韓国銀行。増える家計債務。銀行圏の住宅担保ローン(第1金融圏で住宅担保となると、もっとも良い条件です)の一部の商品が金利7%台に再進入した中、またもや大幅に増えてきた家計債務。「借りやすくするからマンションを買ってください」政策を続ける政府。はてさて。

 

 

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