駐韓米国大使「放流について米国は満足しています。米国と韓国の立場は一致しています」・・韓国政府の「支持しない」発言の翌日に

ハリー・ハリス前大使に比べるとメディアなどが取り上げることは少ないですが、いまの駐韓米国大使はフィリップ・ゴールドバーグ氏です。詳しくはありませんが、氏は専門外交官で、外交官が大使として就任するのは珍しいと言われています。そのゴールドバーグ氏が、昨日(23日)、米国大使館で外交部(外務省)取材担当記者たちと懇談会を開き、今回の日米韓首脳会談に関していろいろと話しました。多くのメディアは、いわゆす外交成果としての首脳会談関連の話を取り上げていますが・・京郷新聞など一部のメディアが「大使は、処理水放流(表向きには議題にならなかったことになっています)のことを言い出し、『米国と韓国の立場は一致する』と話した」と大きく取り上げています。

首脳会談の共同声明発表は、こちらの時間で19日でした。懇談会でわざわざこの話をするには、ちょっと遅かったのではないか、そんな気がします。昨日(23日)やったのは、「他の理由」があったのではないでしょうか。22日、韓国政府は初めて放流に関する立場を話しました。昨日のエントリーでもお伝えしましたが、大統領室は何もせず、国務総理補佐機関の国務調整室の次長(副大臣クラス)が、「科学的・技術的問題は無い。ただ、政府としては支持・賛成するわけではない」と話しました。わざわざゴールドバーグ氏が23日に懇談会を開いて、この件について『米韓の立場は一致する』と話したのは、この国務調整室の発言をカバーするためのものではないでしょうか。

 

もちろん、これ『だけ』が懇談会の理由だとも思えませんが、関連性はあると思われます。米国政府はすでに支持表明しており、31日にはラムエマニュエル駐日米国大使が福島を訪問、魚料理で食事をすると公言しています。まだ首脳会談の前の16日、ホワイトハウスの安保関連担当の「大物」たちが参加したワシントン・シンクタンク・ブルッキングズ研究所主催の対談行事で、カット・キャンベル ホワイトハウス国家安全保障会議インド太平洋調整官は「国際原子力機関(IAEA)がとても明確な調査結果を発表し、日米韓ともに概ね受け入れた」と話したことがあります。今回のゴールドバーグ氏の発言は、これよりさらに明確になっていると言えましょう。

 

本件、韓国では完全に政治案件になっているし、ユン政権は来年4月の総選挙を強く意識しています。まさかいまより議席が減ることはないでしょうけど、これといって連帯できる政党があるわけでもないし、野党のスタンスがいまのようでは・・やはり与党「国民の力」だけで過半数までいかないと、国政運営においていろいろ困ることになります。駐韓米国大使がこのような事情を知らないはずはないのに、それでも本件についてここまでコメントするとは、ユン政権としてはかなりの負担になるでしょう。これからも、大統領室がちゃんと前に出ることはなさそうです。以下、<<~>>でソース記事引用してみます。

 

<<・・フィリップ・ゴールドバーグ駐韓米国大使は23日、「福島の『water』放流において、韓国と米国の立場は一致している」と話した。ゴールドバーグ大使はこの日、ソウル中区米大使官邸での外交部出入記者団懇談会で、「私たちは、放流において日本が全世界的に容認されている科学的プロセスに沿っていると考えており、これに満足している」と述べた。ゴールドバーグ大使は「日本のこのような措置は、国際原子力機関(IAEA)の基準とも一致する」とし「私たちはこれが科学に基づく措置だと思う」と話した。また、放流過程の透明性も強調した。ゴールドバーグ大使は「日本は自分たちが行うことにとても開放的で、域内当事者、欧州連合(EU)、米国などに説明をしてきた」とし「韓国も関連して日本と色んな協議をしているし、今も持続すると考える」と話した(京郷新聞)・・>>

 

 

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