中国不動産と同じか、それとも・・韓国首都圏でも「工事中断」が相次ぐ

中国不動産関連で情報をチェックしてみると、もっとも目立つのが「工事が止まっている」ビルなどです。もっとも「分かりやすい」からかもしれません。規模的に中国ほどではありませんが、韓国でも、似たような工事現場が話題になっています。地方都市ではすでに去年から話題になっていましたが、今日(9月2日)KBSの報道によると、首都圏、すなわちソウル、仁川、京畿道でも、工事中断の複合ビル、商用施設などが増えてきました。留置権(債権の支払いがちゃんと完了するまで、不動産・動産を権利者に引き渡さないこと)がどうとかの横断幕も増えてきて、さすがに住民たちも気づいているようです。

本ブログでは、何か「危機説」という言葉が出てくるたび、「本当なのかどうかはともかく、ここまで頻繁にそんな単語が流行ることは、土台そのものが『もろい』という意味ではないのか」とする趣旨を何度かエントリーしてきました。今年になってからも、「◯月危機説」という言葉が4~5回はニュースになり、政府関係者が大丈夫だとブリーフィングしたりしました。そこまで話題にならなかったものまで含めると、ほぼ毎月出ているのではないか、そんな気もします。年度を書かないと、来年また使えそうですね。エコです。今回もまた、PF9月リスクが話題だ、とのことでして・・

 

本ブログでは説明不要の人気ワード(?)ですが、PFは、まだ作っていないマンション団地などの「計画」を担保に、お金を借ります。ブリッジローンで借りて、後で正式PFに乗り換えるところが多いと聞いています。外国では、政府や自治体の確実は保証無しではPFは成立しません(政府や自治体が管理する公的施設に多いと聞きました)。韓国では、よほどの資金力を持つところでもないかぎり、これがないとマンション団地建設は出来ません。施行社という「総合管理」会社と、施工社(実際にマンションやビルを作る会社)、そしてカネを貸す金融会社がいろいろセットになっています。ただ、第1金融圏(普通の銀行)はすでに離脱しており、第2金融圏(ノンバンク)がメインになっています。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・不動産景気活況の中、分譲がうまくいくという期待感で、金融会社から多くのお金を借りて事業を進める、いわゆる「不動産PF(プロジェクト・ファイナンス)」の9月危機説が大きくなっています。9月には、資金を用意できず、事業を中断する建設現場が増え、お金を貸したり、保証をした金融会社にまで問題が広がる可能性が大きいからです。仁川の住・商 複合建物の工事現場、3ヶ月前から工事が止まっています。【地域住宅組合員「全く知りませんでした。留置権ついている横断幕が出ていて、それで知りました・・」】 建設会社が、工事代金を払えなかったためです・・

 

・・資材費、人件費は上がり、ローンの金利も急騰し、中小の建設会社から先に揺れている様子です。今年に入って、建設会社が9カ所が倒れ、廃業申告も2,300件を超えました。資金調達が問題の核心であることを意味します。ソウル市内中心部の商業ビル。事業が止まったままです。事業初期、土地買取などのためにお金を借りる、いわゆる「ブリッジローン」を組んだものの、事業を開始するためのローンに乗り換えができなかったからです。このようになると、建設会社はもちろん、貸した金融会社も問題になります。

分譲をして、返済のためのお金を用意しなければなりませんが、分譲がうまくできないでいる(※簡単に書きますと、売れないでいる)各地域商店街や産業センター工事などを中心に、倒れる事例が相次ぐのでは、と懸念が出ているのです。このようなブリッジローンの満期が、9月を前後して、押し寄せてきます。PFローンの延滞率は最近3ヶ月間で大きく上昇しており、特に証券会社(※第2金融圏の一つ)の延滞率はすでに2桁です。【クォン・デジュン、ソガン大 大学院不動産学科教授「延滞率が高まるという話は、未分譲が出たり、PFを受けて事業ができていないということです。このPFを仲介した金融圏の問題になっていくでしょう」】(KBS)・・>>

 

ユン政権は、1兆ウォン規模の支援ファンドなど対策を出していますが、もともとPFの規模が大きく、しかも急速に増えたこと、そしてすでにノンバンク金融がメインになっていることなどで、専門家たちは変わらずリスクを指摘している、とも。ソース記事の題、「首都圏『も』工事中断~~」の『も』が、現状を表しているのではないか・・そんな気がします。

 

 

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