まず、更新が遅くなって申し訳ございません。ブログ本文が終わった直後にある「重要な告知」の件で、いろいろブログ側からできること(限界がありますが)をしていたら、遅くなってしまいました。「重要な告知」も、かならずお読みください。本ブログ以外にも、多くのブログで問題になっている案件です・・と、 ここから本題に入ります。LG・・ではなく、Lの字についての話です。韓国側のニュースを見てみると、今年に入ってから、政府側の経済・景気予測には、「上低下高」という言葉がほぼ例外なく出てきました。上半期はパッとしない『低』だけど、下半期になってからは中国経済が新型コロナの影響から回復(いわゆるリ・オープニング)し、メモリー半導体価格も上昇して、『高』になる、という意味です。
ですが、ご存知、中国経済関連ではあまりいいニュースは無く、半導体景気においても、明るいニュースは届いていません。貿易収支が好転しているのも、実は輸入がそれ以上に減少したことにより、いわゆる「不況型黒字」ではないのかという指摘が多くなっています。それでも政府は、まだ「上低下高」予想を取り下げていません。ただ、春あたりには「Vの字」で回復するだろう、という話もありましたが、最近はそれほどではありません。ちょっと弱気になった、といったところでしょうか。そんな中、聯合ニュースによると、民間経済シンクタンクとしては大手の現代経済研究所が、初めて「Lの字」について言及しました。いままで、「政府の予想が外れるのでは」という指摘は多かったけど、長期間に及ぶ不況である「Lの字」を公にしたのは、これが初めてです。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・最近、内需と輸出が同時に低迷し、下半期の景気回復は難しくなったという指摘が提起された。現代経済研究院は3日、「上低下高の可能性のための景気回復モーメンタム確保が必要だ」という報告書で、4~6月の経済成長率(前期比0.6%)は輸入減少による事実上逆成長だと評価した。部門別に民間消費(マイナス0.1%)、建設投資(マイナス0.3%)、設備投資(マイナス0.2%)、輸出(マイナス1.8%)などすべての需要部門が減少したが、輸入(マイナス4.2%)減少幅がこれを上回り、逆成長にならなかったという意味だ。研究院は、夏季の豪雨を勘案しても、予想より大きな幅で需要が減少し、心理的・景気的要因が強く作用したと判断した。7月の小売販売は前月比3.2%減少し、新型コロナ事態が始まった2020年7月(マイナス4.6%)以後、3年ぶりに最大幅に減少した。
また、高物価、高金利などで投資心理が影響を受け、内需と輸出が同時に低迷し、7月の設備投資は前月比8.9%減少し、11年4ヶ月ぶりに減少幅が最も大きかった。今後の建設景気を予測できるデータである建設受注額は、7月、前年同期比55.3%も減少し、12年9ヶ月ぶりに最大減少幅を記録した。研究院は、7~9月期、韓国経済は対中・半導体輸出不振、高物価による実質購買力の弱化などで、輸出と内需が共に不振な、典型的な不況局面になると診断した・・・・当初予想されていた下半期の景気回復の可能性が徐々に弱まり、輸出景気の回復が難しく、「L字型」の長期沈滞シナリオ、「上低下底」が現実化されるだろうとも予測した。ただ、昨年下半期の不振による基底効果で、下半期の経済成長率が上半期より高くなる「指標上での上低下高」は出来るかもしれないが、家計と企業が体感する景気はそれとは異なる可能性があると、研究院は付け加えた(聯合ニュース)・・>>
ここにもう一つ書き加えたいのが、政府の予算です。来年の予算が、今年より2.8%増えた656兆9000億ウォンに策定された、とのことでして。新型コロナもあって、最近は、毎年6~8%増えていました。これは、20年間でもっとも少ない上昇率です。まだまだ政府支援を求める分野が多く、来年の予算は大幅に増えるのではないか、という話も数ヶ月前まではありましたが・・本ブログでも取り上げた税収不足の影響が予想より大きく、YTNによると「物価上昇などを考えると事実上のマイナス予算になった」、とのことでして。政府予算に頼るところが多かったことを考えると、来年の「L」は、思ったより長くなるのではないか、そんな話も聞こえてきます。同じく現代経済院は、まず必要なものは「通貨政策」と「財政政策」なのに、米国の金利の動きがあるので通貨政策ではなにもできず、財政政策でも税収などで身動きが取れなくなっているので、「方法が無い(記事原文ママ)」としています。
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