中「日中韓首脳会談、韓国の役割を支持します」→韓「頑張ります」→中「そんなに会談したいならクアッド加入からやめるべきだ」

タイトルだけで終わった気もしますが、コンボがキレイに決まったようで、お伝えします。本ブログでも2~3回取り上げましたが、最近、ユン大統領は妙に日中韓首脳会談に力を注いでいます。日中韓首脳会談は、数年前まで定期的にやっていましたが、最近は開かれていません。韓国の番で止まっているので、今回、日中韓首脳会談が実現すれば、韓国で開催されることになります。初めてこの話が出たのは、8月31日。王毅外交部長とパクジン外交部長官の電話会談で、「中国は、議長国として3者協力推進に積極的な役割を果たす韓国を支持する」という発言がありました。

それから9月2日、中国官営メディアのグローバルタイムズは、この発言は「中国が、韓国に対して政策の連続性と安定性を維持していると話したのは、韓国との関係発展に対する中国の善意を見せたものであり、韓国はこの善意に報いる必要がある」と主張しました。これは、ユン大統領に対するある種の圧迫です。日米韓協力の象徴的な意味を弱くするための、日中韓首脳会談の場を用意せよ、と。また、日中関係においても、中国は韓国に対して『運転者』『仲介役』の役割を要求したとも言えます。範囲はちょっと異なるけど、文政権のとき、よく耳にしていたキーワードです。

 

ユン大統領は、この前のG20で、日中韓首脳会談を強調しました。日本では「日中韓首脳会談などをアピールし、岸田総理もそれいいねと話しました。それでは次のニュース」な感じですが、韓国内、特に大統領室と与党側は、この件をかなり強調しています。たとえばニュース1の場合、「これこそグローバル中心国家の外交だ」「習近平主席の訪韓、ついに実現か」などと記事を出しています・・が、その記事の翌日、同じくグローバルタイムズが、「そんなに日中韓首脳会談がしたいなら、まずはクアッド加入の試みをやめるなど、真正性を示すべきである」と記事を載せました(韓国ではマネートゥデイなどが報じています)。G20開催地がインドだったこともあってクアッドのことを言っているものの、実は「日米韓協力を弱体化できる何かを用意せよ」という、もう一つの圧力だと見ていいでしょう。以下、2つの記事、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・ユンの止まることを知らない外交が、北東アジア、インド・太平洋でのグローバル中枢国家としての立地を固めている・・・・ユン大統領は「韓国は議長国として日中韓首脳会議の開催を積極的に推進していく」と話した。韓中日首脳会議は、2019年から開かれていない。三国がすべて肯定的な反応を見せただけに、年内開催できるという期待感もある。日中韓首脳会議が開催され、相応の成果が出せた場合、習主席の訪韓までつながるという見通しも出ている。習主席は昨年、主要20カ国(G20)首脳会議の契機でユン大統領と首脳会談を持って新型コロナ状況安定以後韓国を訪問するという意を明らかにした。ジョテヨン国家安保室長はもチャンネルAに出演し、習主席の訪韓の可能性について「訪韓を成功させてみせる」と話した(ニュース1)・・>>

 

<<・・人民日報の英文版グローバルタイムズは13日(※先の記事の翌日です)夜掲載したコラムを通じて「(韓国のクワッド加入の試みは)地域の平和と安定に問題を起こし、韓国の利益にもならない」とし「これは中国の利益を継続的に試す行為である」と主張した。インドメディア「ダヒンドゥ」に報じられたインド駐在韓国大使の発言を引用し、韓国がクワッド加入に熱中していると伝えた。ユン大統領が最近インドで開かれたG20首脳会議で韓中関係が安定的かつ健康に発展するようにすると言った点を挙げ、これでは話が合わないと批判した。クワッド加入は韓国としてはあきらめられない案件だ。クワッドは米国とオーストラリア、インド、日本が、中国を牽制するために作った安保協議体だ。親米陣営の立場では当面した競争者である中国を実質的に圧迫できる主要なツールだ。トランプ政権当時、米国は継続的に韓国のクワッド加入を要求したが、文政権が米中の間で戦略的あいまいさを維持し、時を逃した(マネートゥデイ)・・>>

 

繰り返しになりますが、これは、別にクアッド『だけ』の話でもありません。クアッドは日米ともに拡大の意向がありませんので、なおさらです。これは、何か、日米韓協力を弱体化できるプレゼントを用意せよ、そうすれば日中韓首脳会談にも応じるし、ひょっとすると習近平主席が訪韓するかもしれない、ということでしょう。ちなみに、中国は、韓国のことで「日中韓首脳会談の開催国として」「日米韓協力のための役割」などについて支持すると話していますが、「日米韓首脳会談やりましょう」とは一言も言っていません。

 

 

おかげさまで、新刊「韓国人として生まれ、日本人として生きる」が発売中(2023年7月29日発売)です!2023年、まさに心願成就、帰化できました。「韓国人として生まれた」を受け入れ、その連続性を大事にしながらも、「日本人として生きる」を上位の概念にしたのはなぜか。なぜ名前を変えなかったのか。「両国間の架け橋になりたい」などと全然思っていない理由は何か。『日本人』として初めて韓国を訪れたときの感想をメインにして、一つ一つ、自分なりの持論を綴りました。新刊・準新刊紹介エントリーもぜひ御覧ください。ありがとうございます
・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。

 ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2023年7月29日)からですが、<韓国人として生まれ、日本人として生きる>です。2023年、まさに心願成就、帰化できました。「韓国人として生まれた」より「日本人として生きる」を上位の概念にしたのはなぜか。なぜ名前を変えなかったのか。帰化した人たちがよく口にする「両国間の架け橋になりたい」などの言葉について、私はなぜ「そんなつもりはありません」としか思っていないのか。一つ一つ、自分なりの持論を綴りました。 ・新刊は、<韓国の借金経済(扶桑社新書)>です。本書は経済専門書ではありませんが、家計債務問題の現状を現すデータとともに、「なぜ、マンションを買えば貴族になれるのか」たる社会心理を、自分なりに考察した本です。帰化を進めている私の率直な気持ちを書いた<日本人を日本人たらしめているものはなにか~韓国人による日韓比較論~>も発売中です。・刊・準新刊の詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当に、本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。