韓国各メディア、「違法新生児売買問題」を指摘・・98万ウォンで買って300万ウォンで売るなど摘発が相次ぐも、実態把握されず

本エントリーは、最近韓国で大きな問題とされている、違法新生児売買問題についてのものです。一部の単語をマイルドに調整していますが、読むだけで怖い内容ですので、苦手な方はご注意ください。今年の春~夏あたりから、いわゆる「新生児売買」たる問題が各メディアで報道されています。基本パターンは、違法貸金業者と同じで、メッセージアプリなどの匿名チャット・掲示板などを利用、相応の書き込みを残すと、ブローカーが接近してきます。一部メディアが(わざと)同じ書き込みを残したところ、3時間で6人のブローカーから売買提案が来た、とのことでして(8月24日CBSノーカットニュース)。

ニュース検索してみると、同じ案件のものを外しても、2ヶ月に1件はこの『売買』関連ニュースがヒットします。特に8月には、「98万ウォンで買って300万ウォンで売った」というブローカー女性の証言が話題になったりしました。政府が2015年~2022年の臨時新生児番号(医療機関で生まれた子に限りますが、出生の際に臨時的に与えられる番号のことです)を頼りに調べてみたところ、出生届無しに「消えた」子供が2236人もいました。出生届け無しだと、たとえば健康保険などの恵沢を受けることができなくなります。

 

ちゃんと幸せに育っている子もいると信じたいところですが、専門家たちはその可能性は高くないと指摘しています。本当に「育てる」ために買ったのかどうかが分からないし、手続きそのものが違法だから『痕跡を残さない』が基本で、確認する方法も事実上無い、とのことでして。ファン・ウンスク韓国「家庭の愛」会会長は、「このような形だと、子がどの家庭で育つのか、何もわからない。養育する意思があるというより、物売りとして働かせるなどの可能性もある」と話しています。

このようなケースが、合法的な養子縁組の約2倍以上はあるのではないか、とも(この部分は2012年7月18日時事ジャーナルからです)。また、実態把握はされておらず、裁判にかけられたブローカーは、執行猶予ばかりです。以下、一応複数の記事を読んでみましたが、8月24日のノーカットニュースの記事を、<<~>>で引用してみます。本当は今日「アジア経済」がこの件を取り上げたのでそちらにしようかと思いましたが、実際に書き込みをしてブローカーと会話するなどリアルな記事なので、ノーカットニュースのほうにしました。

 

<<・・このような類の取引は、私たちの日常からそれほど遠くないところにあった。新生児の買い手に会うのは難しくなかった。取材陣がカカオトークオープンチャットルームを開設して、販売側のふりをしてタイトルをつけたのが、23日昼。それから3時間で、6人から連絡が来た。まるでモニター画面の向こうから見ていたかのように。「何ヶ月ですか?」Aさんはいきなりそう尋ねてきた。昨日出産したと答えると、基礎的な身上把握が続いた。彼は出生申告の有無、血液型、生親の年齢や職業、居住地などを一つずつ確認した。

こうしてAさんと短答型メッセージをわずか50通程度やりとりしたが、そのまま口頭合意がなされた。150万ウォンだった。A氏は、自分が子供を直接育てるのではなく、中小企業社長である「姉さん」に送る予定だという。それとともに「専門ブローカー」に売るのは危険だというアドバイスも忘れなかった。「なかみだけ売ることだってありますからね」と言った・・

 

・・B氏からも、取材陣が話しかけたらすぐに返事が来た。金額を聞いたら、B氏は「どのくらい必要か。明日にでも連れて行きたいが」とした。また「私は幼稚園教師だ。夫の職業もしっかりしている。おばさんたちも、みんな可愛がってくれるだろう。よく育てる」と、こちらを安心させようとした。やがてクールな(?)口頭合意がなされた。300万ウォン。ただ、B氏は、子の状態がどうなのか、親はどんな事情があるのかなどはまったく問わなかった・・・・このような『市場』は、オンラインに広がっている。ソーシャルメディアや地域コミュニティー、ママカフェ、さらには中古物品を取引するサイトでも取引が行われているという(CBSノーカットニュース)・・>>

 

 

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