韓国メディア「朝鮮半島有事の際には、米国はイスラエルより大幅に強く対応してくれるだろう」

ハマスの奇襲攻撃によるイスラエル事態を見て、一部のメディアが、再び北朝鮮の「長射程砲」を指摘しています。長距離砲(主に自走式)、多連装ロケット砲のうち、射程距離が40km以上のものを意味します。軍事境界線からソウルまでの距離が約40kmです。比較的新型とされる「主体100砲」などは、射程距離60kmだと言われています。韓国にとってもっとも問題になるのが、この長射程砲であるという指摘は前からありましたが・・今回、イスラエルの「アイアンドーム」でもロケット砲攻撃を防げなかったことで、再び記事が増えてきました。

北朝鮮は、軍事境界線付近に、1時間あたり1万6000発の砲弾を発射できるよう、1000以上の各種砲が配備されています。その中でも特に、交差距離54㎞の170mm自走砲6個大隊、交差距離60㎞の240mm放射砲10大隊など、340門の砲は、ソウルと首都圏を直接攻撃できると言われています。韓国軍はこれら北朝鮮の長射程砲対策として迎撃システムを作っていて、2027年から機能する予定です。それをよく「韓国型アイアンドーム」としていましたが・・そもそも本当にうまくいくのかわからないのに、アイアンドームでもこの程度かと、記事が増えたわけです。

 

10月5日に本ブログでもエントリーしたことがありますが、保守側のメディアも、「本当に米国が日米韓協力を望んでいるなら、米韓同盟を日米同盟と同じレベルに(米国が)引き上げるべきだ」という主張を載せています。その流れによるものか、中央日報は今回のイスラエル事態を「米国の支援レベルが、攻撃を受けた同盟にどれだけのものなのかを把握できる目安になる」としながら、「韓国としては、今回の対応を見て、同盟関係の米国の対応を予想できるわけだ」とも書いています。ただ、「相互防衛条約も結んでいるし、イスラエルよりずっと強力に対処してくれるだろう」、とも。さて、どうでしょうか。その場合、中国とロシアがどう出るか、という問題まで考えないといけませんが。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・イスラエルが迎撃率95.6%に達すると発表した防空システム「アイアンドーム」も、為す術もなかった。ロケット砲は、北朝鮮軍の主力武器でもあるという点で、韓国も、いつでもイスラエルと同様の安保リスク状況に直面する可能性がある。特に北朝鮮の長射程砲は、時間当たり最大1万6000発の砲弾とロケット弾が撃てるなど、ハマスのロケット砲性能を圧倒する・・・・(※米国はもし有事の際、イスラエルへの空母派遣と同じく)朝鮮半島に核を含む戦略資産を配置し、韓国の対応力を高めることができる各種軍需・安保物資を提供する方式を取るだろう。

リアルタイムで北朝鮮の動向を監視し、韓米情報チャネルを通じてこれを共有し共調する対応も実現すると予想される。特に韓米同盟は米国・イスラエル同盟とは異なり、相互防衛条約を根拠に結んだうえ、3万人に達する在韓米軍が駐留しているだけに、朝鮮半島有事の時の米国の直・間接的介入の強度ははるかに強いと予想される・・・・変数は、高度化されている北朝鮮の核兵器だ。

 

ハマスと異なり、北朝鮮は米本土を打撃できる大陸間弾道ミサイル(ICBM)技術を相当部分完成した。最近は水中核攻撃が可能な戦術核攻撃潜水艦を建造したと発表した。韓米が4月首脳会談を通じて拡大抑止を大幅に強化するワシントン宣言を採択したのも、このためだ。ただし、ワシントン宣言による核協議グループ(NCG)でも、最終的な核使用権は全面的に米国にあるだけに、韓国の実質的な参加を強化し、拡大抑止の信頼度を上げるための努力が必要だ。次期大統領選でドナルド・トランプ氏が当選するなどで、再び自国を優先する傾向になった場合、米国の同盟防衛公約はまた揺れるしかない。

韓米関係以外に拡張抑制の信頼度に影響を与えるもう一つの変数は、米国の安保負担だ。 限られた資源の中、対応課題が増える安全保障状況は、北朝鮮の核対応の優先順位が下がる結果につながるからだ。実際、米国は伝統的な安保不安要素である北朝鮮核脅威に加え、昨年2月に始まったウクライナ事態に、少なくとも768億ドルの莫大な支援を続けてきた。これに加えて、イスラエル・ハマス事態で、米国は北朝鮮・ロシア・ハマスによって触発されたり、触発される可能性がある3つの戦線に対応しなければならない安保負担を背負うことになった(中央日報)・・>>

 

北朝鮮が動くとなると、やはり台湾関連で何かがあったときでしょう。北朝鮮が動くと、在韓米軍の負担が大幅に増えるため、台湾のために動くことが難しくなります。しかし、台湾関連の問題は、韓国では「遠い世界の話」くらいしか認識されていません。韓国側の安保関連記事は、まず北朝鮮ではなく北朝鮮『側』を見る視点が足りない気がします。

 

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