文在寅政権の「THAAD部隊の意図的遅延」、本格的調査が始まる・・3不は「政府間合意」なら、尹政権の対応は?

一つ前のエントリーで久しぶりに3不やTHAADの記事を読んで、そういえばTHAAD部隊機能正常化とかどうなったのだろう、と気になって、もうちょっとサードりました。残念ながらサード部隊関連の記事はこれといってありませんでした。普通に正常化できているから記事にならないのでしょうか、それともこれ以上取り上げない何かの理由でもあるのでしょうか。別にユン政権だけの問題でもありませんが、なんだかんだで介入が多いですから。ただ、文在寅政権がサード部隊の正式稼働を意図的に遅延していた疑惑で、本格的に調査が始まった、という記事は普通にありました(9月20日のものですが、イーデイリーなど)。数ヶ月前から同じ話がありましたが、どうやら9月末あたりから、本格的に始まったようです。以下、<<~>>で引用してみます。

<<・・監査院が、文在寅(ムン・ジェイン)政権のTHAAD(高高度ミサイル防衛システム)関連疑惑に対する監査を本格化していることが確認された。7月、シンウォンシキ国防部長官候補者などが会員である「大韓民国守護予備役将星団」の監査請求によるものだ。(※9月)20日、政府情報筋によると、監査院監査官10人余りは慶北城州にある在韓米軍サード基地現場を監査する。遅れた環境影響評価などサード正式配置の意図的遅延などに対する調査のためだ。監査院は国防部に基地現場訪問のための出入り手続きを依頼し、これに対して米軍側は承認手続きを進めていることが分かった・・

 

・・監査院は監査請求が提起された「環境影響評価協議会構成の遅延」、「電磁波及び低周波騒音等の測定結果を公開しなかったこと」、「サード関連文書破棄疑惑」、「中国との3不1限の実体」などに対する事案を覗いているという。一般環境影響評価(※THAADが正式に配備されるには環境評価が必要です)は、事業計画書の要請及び受付、評価準備書作成、評価協議会の構成、評価準備書審議などを経て通常20ヶ月かかるが、文在寅政府では事業計画書作成に約13ヶ月、評価準備書作成に 約9ヶ月かかった。評価協議会の構成も通常1ヶ月程度でできるが、2年以上かかったのに構成されていない。THAADが仮の配置で運用されているのもこのためだ。これにより、現政権は、意図的に遅延させたという疑惑を提起した(イーデイリー)・・>>

 

長いので、ここからは監査内容の「遅延」「電磁波」「文書」「3不」関連内容をまとめてみます。別ソース(7月21日MBCなど)の内容も含まれています。環境評価ですが、政府が意図的に遅延させたという証拠として、「外交部長など中国ハイレベルの訪韓、韓国ハイレベルの訪中などへの影響が避けられないので、環境評価のための協議会構成を制限する」とする文書が確認されています。一つ前のエントリーで、3不の堅持などを約束しないと習近平主席の訪韓は難しいという話も紹介しましたが、文政権のときも、中国は「文政権が、遅延のために相応の努力をしている」ことはわかっていたでしょう。だからハイレベルの交流などにも(表面的には)応じていたのかもしれません。一応、文在寅大統領は習近平主席との首脳会談もできました。

電磁波や文書などは、市民団体がよく使うネタの一つ「THAADからの電磁波は大きな問題」に関する調査結果のことです。国防部が調べてみましたが、当たり前ですが問題は無いという結論になり(そこまで問題があったなら基地内の米軍がまっさきに倒れるでしょう)、報告書も提出しましたが、当時の大統領府はこの調査結果データを公開しませんでした。3不1限(3不と、既存THAAD部隊の運用を制限するというもの)の実態というのは、「合意または約束なのか」というのがメインです。

 

文在寅政権は、合意ではないとしてきましたが、実は7月、国防部が2019年12月に作成した文書に「3不は、韓国と中国の合意である」と明示した公式文書が見つかっています。そしてその翌年、「1限」関連の文書も作成しました。文政権関係者たちは「それは政府の公式立場ではない」としていますが、さて、どうでしょうか。もし合意だったとなると、ユン政権としては、それはそれで困るのでは、な気もしますが。さて、もし合意だったと明らかになったら・・文政権が「日本との合意」に対してやったようなことを、ユン政権は中国に対してできるのでしょうか。

明日、1日休みを頂きます。前に休んでからあまり経ってないのに、申し訳ございません。急に良い条件のツアーが出て、また出かけることになりました。次の更新は、13日(金曜日)の11時頃になります。

 

 

おかげさまで、新刊「韓国人として生まれ、日本人として生きる」が発売中(2023年7月29日発売)です!2023年、まさに心願成就、帰化できました。「韓国人として生まれた」を受け入れ、その連続性を大事にしながらも、「日本人として生きる」を上位の概念にしたのはなぜか。なぜ名前を変えなかったのか。「両国間の架け橋になりたい」などと全然思っていない理由は何か。『日本人』として初めて韓国を訪れたときの感想をメインにして、一つ一つ、自分なりの持論を綴りました。新刊・準新刊紹介エントリーもぜひ御覧ください。ありがとうございます
・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。

 ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2023年7月29日)からですが、<韓国人として生まれ、日本人として生きる>です。2023年、まさに心願成就、帰化できました。「韓国人として生まれた」より「日本人として生きる」を上位の概念にしたのはなぜか。なぜ名前を変えなかったのか。帰化した人たちがよく口にする「両国間の架け橋になりたい」などの言葉について、私はなぜ「そんなつもりはありません」としか思っていないのか。一つ一つ、自分なりの持論を綴りました。 ・新刊は、<韓国の借金経済(扶桑社新書)>です。本書は経済専門書ではありませんが、家計債務問題の現状を現すデータとともに、「なぜ、マンションを買えば貴族になれるのか」たる社会心理を、自分なりに考察した本です。帰化を進めている私の率直な気持ちを書いた<日本人を日本人たらしめているものはなにか~韓国人による日韓比較論~>も発売中です。・刊・準新刊の詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当に、本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。