9月22日、まだまだ海外への養子縁組が多いというニュースをエントリーしたことがあります。1988年ソウルオリンピックの頃からこの件を取り上げてきたニューヨーク・タイムズが、9月、「いまでも海外への養子縁組で、韓国は世界3位」という記事を載せ、韓国でも多くのメディアがこの件を取り上げました。さすがに、韓国メディアも「合計出生率0.78なのに海外への養子縁組が世界3位とはどういうことだ」と、概ね批判的でした。詳しくは9月22日のエントリーに書いてありますが、一時は1年間で数千人以上の赤ちゃんが、海外養子縁組として海外へ向かいました。
いまは266人まで減っているものの、公式データで調べることができる中では、世界3位(1位コロンビア、2位ウクライナで、4位インド、5位中国)である、との内容です。この件でもっとも気になるのは、国内外のメディアがこれを「輸出」と書いている点です。ビジネスである、というのです。詳しくどういうビジネスが成立しているのか、それからチェックしてきましたが、中部毎日(10月6日)というローカルメディアに、『手数料』に関する話がありましたので、続報として今日、エントリーしたいと思います。
最近5年間で、海外養子縁組関連機関が、1人を海外への養子縁組するたびに、平均で1871万ウォンを受け取った、というのです。新型コロナの影響もあってか、2021年から件数も減って手数料も安くなっていますが、関連法律はまだまだ制定されていない、とも。ちゃんとした検証を経た、本当に必要な縁組ももちろんあるでしょうし、手数料も必要でしょう。でも、どういう基準でどうやって決まるのか。記事を読んでみると、完全にビジネス感覚です。手数料の上限を保健福祉部長官が決めるようになっているけど、まだ上限を決めた人は1人もいないそうです。海外への養子縁組の『後』についても、管理されていないのが実情だ、とも。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・最近5年間、養子縁組機関が海外に児童を養子として送りながら受けた手数料が、1人当たり平均1871万ウォンに達することが明らかになった。特に、『取引』対象にならないように保健福祉部長官が養子縁組手数料上限を定めるように規定しているが、今まで福祉部長官の誰もがこれを定めたことはないことも明らかになった。6日、国会保健福祉委員会所属「国民の力」チェヨンスク議員が、福祉部と児童権利保障院から受け取った資料によると、最近5年間、国内全体の養子縁組機関が1183人の児童を海外に養子縁組として送って、受け取った手数料が計221 億3千800万ウォンと集計された。1人当たり平均1871万ウォンだ・・
・・年度別海外養子児童数は、2018年303人、2019年317人、2020年232人、2021年189人、2022年142人と、減少傾向を見せた(※記事には書いてありませんが、新型コロナの影響が大きいのではないかと思われます)。これにより、海外の養子縁組手数料も、2018年63億9400万ウォン、2019年58億8500万ウォン、2020年46億8700万ウォン、2021年33億5100万ウォン、2022年18億2100万ウォンに減少した。1人当たりの平均手数料も、2018年2110万ウォン、2019年1856万ウォン、2020年2020万ウォン、2021年1773万ウォン、2022年1282万ウォンと減少した。
現行の「養子縁組特例法施行令」によれば、養子縁組機関が両親になる人から受けることができる養子縁組手数料の最大金額を保健福祉部長官が定めるようになっており、その項目を別途規定している。最近になって海外養子縁組手数料が比較的減少したが、法令上算定しなければならない最大金額を政府が定めてくれないので、養子縁組機関が勝手に養子縁組手数料を定めているのだ。また、海外養子縁組後の事後管理が行われないでいる問題も着実に指摘されてきた。しかし、海外養子縁組を管轄する福祉部と児童権利保障院は、新しい法が施行される2025年7月19日まで現行養子縁組手続きをそのまま維持しつつ、必要な場合にのみ制度改善を推進すると述べた(中部毎日)・・>>
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