なんか、いろいろなネタの詰め合わせセットのような記事があったので、紹介します。米中対立の中、韓国が取るべき方向性は何なのか、それは、「各潜水艦技術を米国からもらって、すぐ中国と関係改善する(原文ママ)」オーストラリアこそがベンチマークにふさわしいという内容です。ソースはファイナンシャルニュース、中国経済金融研究所というシンクタンクのジョンビョンソ博士の寄稿文です。オチは少し後にして、まず<<~>>で引用してみます。
<<・・米中対立が強くなり、韓国の最大輸出国である中国に「ピークチャイナ」の話があふれている。 しかし私たちは他人を心配する時ではなく、ピークコリアに注意しなければならない・・・・米中対立において、韓国は主要7カ国に4回招待されて今すぐG7の一員に上がらなければならない時だ、という主張があふれたこともある。しかし、虎の皮を被って草を食べても意味がない。私たちは2011年以降成長率が鈍化しており、世界平均を下回る成長にとどまっている・・
・・人口が減少し、外国人投資家も離れていく。もはや経済成長で資本・労働の寄与が効かなくなった。潜在成長率が1%台に下がった経済システムでは生産性向上だけが唯一の解決法だ。これを解決するためには、労働、金融、年金、公共の改革と新技術に集中しなければならないのに、政治的な背景の政策が出ているだけだ・・・・国際関係でもっとも重要なのはお金だ。韓国は「安米経中(※安保は米国、経済は中国)」がもうすぎたというけど、先に安米経中を終えたとされたオーストラリアは、米国から核潜水艦技術を受けとり、すぐに中国と経済協力している。軍事的に実利を得て、再び安米経中だ。私たちはこの「オーストラリア版安米経中」をベンチマークする必要がある。弱くなった経済。自强のない同盟は虚構で、同盟は万能ではない。
今、中国は半導体以外ではすべて私たちより上手くなった国だ。しかし、米中の技術競争の中心には人工知能(AI)があり、AIの中心に韓国がある。AIは韓国産ブロードバンドメモリ(HBM)がなければ意味がない。実利こそすべての外交の中心だ。今、半導体以外のデ・リスキングは米国ではなく韓国に必要で、隠れて実力を育てて決定的な瞬間に勝つ韜光養晦は中国ではなく韓国に必要だ。しかし、小さな国が1、2位の国に大声を出せば、やられるだけだ。米国も中国も、韓国がなければならないことにレバレッジをかけて、実利を国益を最大化しなければならない(ファイナンシャルニュース)・・>>
さて、ツッコミタイムですが・・まずいつも思うのが、半導体といってもメモリーになりますが、韓国と中国のメモリー技術力にそこまで大きな差があるのでしょうか。一部、メインになる製品群においてほとんど同じだという話も聞きますが。次、「同盟」という言葉が出てくると、ほぼ間違いなくこの話になります。いつもは日米韓三「角」同盟を主張する専門家やメディア、たとえば保守側の代表的メディアである朝鮮日報(8が21日)も、日米同盟になにか進展があると「米国が本当に日米韓協力を望んでいるなら、米国は米韓同盟を日米同盟と同じレベルまで引き上げるべきだ」という主張を出します。
米国に対しては「同盟だから」と何かをもっともらうべきだとしながら、中国の話になると、「同盟でも」という展開になります。韓国半導体企業の関係者が、「(中韓の半導体事業は絡み合っていて)同盟への義理だけで中国から離れることはできなくなっている」と話したのが(本ブログ的に)有名です。国益や実利を求めるのは何も問題ありませんが、自分自身がその状況の一部である自覚がないと、いつまでも『弱い環』とされるだけでしょう。鎖を構成する環がどれだけ強くても、その鎖の強度はもっとも弱い環の強さで決まる(そこで切れる)という意味です。さらに問題なのは、こういう主張が他のメディアからも結構出ているという点です。
本エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において『本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2023年12月21日)、<韓国の絶望、日本の希望(扶桑社新書)>です。若い人たちと高齢の人たち、女性と男性、「私たち」と「それ以外」、こっちとあっち、私と他人、豊かな人たちとそうでない人たち、様々な形で出来上がった社会の壁、「分断」に関する話で、特に合計出生率関連の話が多めになっています。・準新刊<韓国人として生まれ、日本人として生きる>(2023年7月29日)も発売中です。2023年、まさに心願成就、帰化できました。「韓国人として生まれた」より「日本人として生きる」を上位の概念にしたのはなぜか。なぜ名前を変えなかったのか。一つ一つ、自分なりの持論を綴りました。 ・既刊<韓国の借金経済(扶桑社新書)>、<日本人を日本人たらしめているものはなにか~韓国人による日韓比較論~>も発売中です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。