日本、パトリオット・ミサイルを米国へ輸出・・ウクライナ問題への支援の意味も

少し前から話は出ていましたが、日本製のパトリオット・ミサイルが、米国へ輸出されることになりました。米国からのライセンスで製造した日本のミサイルが、米国へ輸出される・・日米同盟や安保という観点から、これは結構大きな案件だと思っています。いくつかの記事を読んでみましたが、このミサイルは、米国が使うもの(米国が他国への再輸出はしない)ことになっているそうです。でも、米国は保有しているミサイルをウクライナなど別のところで使えるようになるので、事実上、ウクライナ、というかウクライナ問題(米国など関わっている国を含めて)への支援にもなります。

で、いつものことですが、米国側(サリバン大統領補佐官)はさっそく「米軍と自衛隊の緊密な連携を確かなものにする」とコメントし、聯合ニュースなど韓国メディアはさっそく「日本メディアが日本が平和が」という記事を載せました。あと、実は韓国政府も砲弾でかなりの支援をしていますが、これ、ちょっと外国メディアの記事と韓国メディアの記事の内容が異なっている部分もあって、合わせてまとめてみます。以下、<<~>>が引用部分です。

 

<<・・日本政府が22日、自国で生産した地対空ミサイルパトリオットを米国に初めて輸出することに決めたと、共同通信と朝日新聞が報道した。報道によると、日本政府はこの日、閣議と国家安全保障会議(NSC)で防衛装備輸出規定である「防衛装備移転3原則」と運用指針をそれぞれ改正し、武器輸出関連で緩和した新しい規定 をすぐに適用、パトリオットを米国に提供することにした・・・・また、日本政府は米国以外の特許保有国にもライセンス防衛装備の輸出を許可し、要請があれば第三国に輸送することも受け入れることにした・・

 

・・外国軍装備修理対象国家も、米国に限定されていたが、今後は安保上協力関係にある国に拡大される。ただし、日本政府は武器と弾薬を特許保有国に輸出しても、戦闘が進行中の国家に当該装備を再移転することはできないとした・・・・米国は保有している既存パトリオットをウクライナに支援し、日本から供給された武器を日本とインド・太平洋地域の在庫補充に活用するものと観測される。日本は事実上間接的にウクライナを支援することになる・・

・・共同通信は改正過程で国会議論がなかったことを指摘し、「武器輸出は国際紛争を助長する可能性があるが、国民に対する説明が欠けたまま輸出が行われる可能性がある」と付け加えた。朝日新聞も「完成品の輸出が可能になった」、「武器輸出を制限してきた平和国家の理念は薄れ、日本の国家形態が変わっている」と述べた。日本防衛省によると、自衛隊防衛装備のうちライセンス生産品は79種で、このうち米国ライセンス装備はパトリオットとF-15戦闘機など32種だ(聯合ニュース)・・>>

 

ちなみに、一部の外国メディアが、韓国は50万発の砲弾を米国側に支援し、これはヨーロッパの国々が支援したすべての砲弾数より多いとし、使用についても制限がついていない(直接ウクライナで使ってもいいようになっている)と報道しています。これをソースにして記事を書いている韓国メディアもあるにはあります。ですが、これは、主な国内メディアの報道とはちょっと異なります。まず、どのような形であれここまで砲弾を支援したのはユン政権の外交あってのものだと言えるでしょう。一時はロシアとの関係を考えてかなり控えめだったと言われていますが、結果的に、同盟としてやることやったと言えるでしょう。文政権なら、多分、こうはならなかったはずです。

でも、先の「一部外国メディア」の報道とは異なり、この50万発は「レンタル(後で同じ分量を返してもらう)」で、最終的な使用は米軍にのみ可能です。すなわち他国軍への提供はできません。今年12月6日のソウル経済の記事ですが、国防部関係者が具体的な内容は公開できないとしているので公式情報ではないものの、韓国がレンタルしたものは米軍が使って、米軍は既存のものをウクライナに送ることにした、とのことです。また、ヨーロッパの防衛産業においては「火力の強い砲弾」というのはあまり需要がなく、生産ラインも多くないので、韓国に話すしかなかったのでは、とも(ヨーロッパの場合、もし有事の際になっても、そういうものを使うシチュエーションにはならないという判断なのでしょうか?)。韓国にはそういうもの(155mm)の在庫も生産も多く、また同盟国というのもあるので、主に韓国から調達することになったわけです。

 

 

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