韓国、ノンバンク金融仲介がGDPの2.5倍・・その25%が高リスク

ちょうど一つ前のエントリーで紹介した泰栄建設のワークアウト申請の件、そして韓国銀行の金融関連穂酷暑発表もあって、証券会社、キャピタル、貯蓄銀行など「第2金融圏」の体力がもう限界に来ているのではないか、という記事が増えました。その中の一つ、イーデイリーの記事に、NBFI(Non-Bank Financial Intermediation)関連情報があったので紹介します。NBFIは、ノンバンク領域の融資です。用語が変わっただけで、シャドーバンキングと書いたほうがわかりやすい気もします。

不動産バブルとか家計債務とかの話が出るたび、ノンバンク領域(第2金融圏)の話も一緒に出てくるので、このNBFIについてどうなっているのかちょっと気になっていましたが・・ソース記事に載っている韓国銀行が出した報告書によると、名目GDPの2.5倍、約5600兆ウォンだそうです。その約25%が高リスク、とも。ソース記事は、5600兆ウォンの前に「なんと」を付けています。もちろんNBFIやノンバンク領域だからって全て問題があるわけではありませんので単純比較はどうかなとも思いますが、中国のシャドーバンキングはGDPの約8割だと推定されています。経済規模に比べて金融がよわいとされている韓国にしては、規模が大きすぎる気もします。

 

ちょうど同メディアは「キャピタル、証券、貯蓄銀行の体力が限界に来ている」という題の記事を載せていますが、キャピタルや証券会社がすべてNBFIです。そこで、個人的に一つ書き加えたいですが、今回のNBFI統計に貯蓄銀行が入っていません。「預金」機能のない金融機関をノンバンクにするのが一般的なので、貯蓄銀行はカウントされないとのことです。しかし、貯蓄銀行は看板が「銀行」となっているし確かに預金も受け入れますが、実は銀行(バンク)とは別カテゴリーです。韓国でも、この「銀行」という名称を使用していいのかどうか、長い間、議論がありました。貯蓄銀行もまたPF(プロジェクト・ファイナンス)に積極的に関わっているし、第2金融圏の代表格とされているのに、貯蓄銀行以外、保険会社、証券会社、与信専門金融会社などで5600兆ウォンって、もし貯蓄銀行まで含めるとどうなるのか、そこも気になるところです。以下、<<~>>で引用し、今年の感謝のご挨拶をして、今年の更新を終えたいと思います。

 

<<・・いわゆる「非銀行金融仲介(NBFI, Non-Bank Financial Intermediation)」規模がなんと5639兆ウォンに達することがわかった。2009年の金融危機(※リーマン・ブラザーズ事態など)以後、3倍以上も拡大した。特に非銀行金融仲介の4分の1は信用リスクなどでシステムそのもののリスクを誘発する可能性が高いと調査された。金融システム内の証券会社の重要度が高まり、関連したモニタリングも強化しなければならないという声が出ている。韓国銀行が28日に発刊した「12月金融安定報告書」によると、NBFI非銀行金融仲介は6月末に5639兆ウォンで名目国内総生産(GDP)の252%に達した・・

 

NBFIは、信用仲介機能を提供するが、比較的規制レベルが低い、預金取扱機関以外の金融機関、及び金融活動の総称だ。銀行、相互金融、貯蓄銀行は除外され、保険、証券、与信専門金融会社などの金融機関と債務保証、資産流動化などの金融活動が含まれる。韓国のNBFI、非銀行金融仲介は2009年末に1688兆ウォンだったが、3倍以上も大きくなった。特に証券・保険会社の退職年金関連と不動産ファンドがそれぞれ10倍、14倍急増し、証券機関も4倍以上増加した・・・・非銀行金融仲介のうち、満期及び流動性変換、レバレッジ、信用リスクなどでシステムリスクを誘発する可能性が高い部門、いわば「狭義のNBFI」は1451兆ウォンで、全体の25.7%を占めた。例えば、マネーマーケットファンド(MMF)、債券型ファンドなど大量買い戻しに脆弱な集合投資機構や、短期で資金を調達する証券会社などがここに該当する(イーデイリー)・・>>

記事によると、証券会社は短期資金調達に依存しているものの、証券会社が支給保証した不動産PF流動化証券も大きくなっていて、その債務保証は2009年末に3兆2000億ウォンから今年6月末に41兆ウォンに急増しました。泰栄建設など建設会社の問題が、金融(まずは第2金融圏からでしょう)システムのリスクになっていくだろうと容易に想像できます。

 

 

 ・・・と、実はここからが本題ですが、本ブログ、2023年の更新はここまでになります。2023年には無事日本人になり、また新しい人生を歩むことになりました。帰化の通知を受け、『報告』と『感謝』のため韓国に行って家族に会って、親の墓参りをしたこと、伏見稲荷大社にお礼参りしたこと、伊勢神宮にお礼参りしたこと(写真)、いろいろ手続きをしたこと。令和5年のこの流れは、一生忘れることはないでしょう。すべてこのブログから始まったことです。本当にありがとうございます。毎年そうですが、今年は特にそう思っております。それでは、次の更新ですが、1月3日からのスタートを予定しております。年末は旅行ですが、大晦日と元日は家で静かに過ごす予定です。それでは、皆様、今年も本当にお世話になりました。良いお年をお過ごしください。

 

 

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