JAL516便、「90秒ルール」の奇跡

各国のメディアがJAL516便の事故を報じていますが、その多くが「(旅客機で)亡くなった人は1人もいない」とし、いわゆる「90秒ルール」遵守など乗務員・乗客を称えています。BBCなどは、機体の大きさや人の数などを考えると、まさに『奇跡だ』とも報じました。「事故発生から90秒以内に乗客・乗員全員が脱出できるような構造」にするという意味です。しかし、口で言うほど簡単ではありません。韓国でも朝鮮日報など複数の大手メディアがこの件を報じています。以下、<<~>>で引用してみます。いつもより引用長めです。

<<・・飛行機が止まると同時に、JAL乗務員12人が「90秒ルール」を稼動した。案内放送が故障したため、乗務員が声を出した。一部の乗務員は、機内にこのような状況を備えて準備されていたメガホンを手にした。「落ち着いて前に進んでください。 順番に動いてください」。あらかじめ練習しておいたフレーズだ。飛行機の後ろに火がついて前に広がる状況だったので、乗客を前に送ったのだ。メガホンがない乗務員は大きな声で、手を動かしながら乗客を誘導したという。

 

乗組員たちは搭乗客を前に誘導しながら「荷物棚に触れないでください。荷物を捨てて行ってください」と繰り返し案内した。貴重品などがあるなら、誰もが戸惑ったことだろう。しかし、乗客の一人が止まって棚を開く瞬間、その後の人たちの脱出が遅滞し、数多くの人々が命を失う可能性がある・・・・乗客が荷物をあきらめて移動する間、乗組員は炎がまだ届いていない機体前方右側などに緊急脱出セットを開き、シューター(航空機緊急出入口に付着した滑り台)を広げた・・・・炎がどんどん大きくなっていく中、乗客たちはお互いを押したり争ったりせず、順番に脱出シューターを通って飛行機から出て、地に降りてきた。

皆が脱出した時間は午後6時5分だった。 衝突後減速-停止-脱出が18分で行われたわけだ。減速から停止までにかかった時間が公開されず、飛行機停止後の脱出まで90秒以内になされたかは正確には分からない。日本のマスコミは、搭乗客の証言を引用し、すべての搭乗客が降りるまで5分ほどかかったと報道している。これは「90秒」に比べて長い時間かもしれないが、400人の人員を考慮すれば実に短く、これこそ乗組員が普段「90秒ルール」による訓練を徹底的に受けてきた結果だとCNNなど外信は報道した・・

 

・・この日、機内後方に座ったという49歳の男性は読売新聞に「たった1分だけ遅れてもどうなるか分からない状況だった」とした。 札幌から東京に帰っていたという乗客は、時事通信とのインタビューで「泣く子も、大きな声を出す人もいた。だが、乗組員たちの落ち着いて正確な案内にすぐ安定を取り戻して避難することができた」とした・・・・1960年代に初めて作られたこの90秒ルールは、いくつかの事故を経験し、より精巧に進化した。たとえば、1980年、サウジアラビアのリヤドで非常着陸をしても案内放送システムではパイロットが乗客を脱出させることができず、搭乗者301人が煙により亡くなる事故があった。それから、今回のように乗務員が声と拡声器で脱出命令を下せるようになったという。日本航空は約40年前の事故をきっかけに、特に厳しい安全訓練を行うことで有名だ・・・・時間が経って当時の事故を知らない職員が増えると、2005年から本社建物に当時の機体残骸と証言を展示している(朝鮮日報)・・>>

 

不幸中の幸いという言葉がありますが、事故の原因究明などは別に、1人の人間という立場からすると、「不幸」はどうにもならないことかもしれません。でも、不幸中の幸いは、人間一人一人の力でも十分に「起こす」ことができる、今回の脱出劇がそれを物語ってくれています。余談ですが・・ソース記事に珍しく「素晴らしい」というコメントがほとんどです。「朝鮮日報が祖国を褒めている」というコメントもありますが。

 

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