韓国上場企業の42%、営業利益で利子も払えず・・メモリー半導体大手SKハイニックスも

もう本ブログでは不定期定番ネタになっていますが、利子補償倍率(インタレストカバレッジレシオ)関連で最新情報があったのでエントリーしてみます。簡単に言いますと、利子補償倍率が1.0にならないと、営業利益で利子も払えないという意味です。営業利益が赤字の場合も含まれます。今回は中央日報の記事(1月5日)がソースですが、この手の記事は記事毎に基準が異なるので、そこだけちょっと注意してください。たとえば、「特定時点でのもの」なのか、「3年間連続した場合(限界企業とも言います)」なのか。すべての企業を対象にしたのか、上場企業だけなのか、特定基準で上位の企業だけか、などなどです。今回の記事は、去年7~9月期(3年連続などは関係ない)で、上場企業だけになります。

金融情報会社「FN(エフエヌ)ガイド」によると、2023年7月~9月期(韓国で言う「3分期」)基準で、KOSPI、KOSDAQ合わせて上場企業は1674社。その中で利子補償倍率が1未満の企業は710社でした。42.4%になります。1年前には34.3%でした。新型コロナの影響が強かった2年前の同じ期間にも39.9%で、いまほどではなかった、とのことでして。新型コロナが収まって少し回復したものが、それ以上に落ちこんでしまったと見ることもできそうです。中央日報は、スタグフレーションによるものだ、としています。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・最近、上場会社10社のうち4社以上は、「稼いだお金で利子を返済することができない」ことが分かった。 資金問題で脆弱とされる企業が、新型コロナの影響を強く受けていた2020年よりさらに増えたのだ。高金利と景気低迷の中で物価が上がる「スタッグフレーション」で、経営環境と財務健全性に非常灯がついた・・・・金融情報業社FNガイドによると、昨年7月~9月期基準で1674社の上場会社(コスピ+コスダック)のうち、利子補償倍率が1未満の企業は710社(営業赤字含む)だった。割合で見ると全体の42.4%で、1年前(34.3%)より8.1%ポイント増加したうえ、新型コロナ事態が起きた2020年7月~9月(39.9%)より増えた。

利子補償倍率は、企業の営業利益を金融費用(利子費用)で割ったもので、企業の債務返済能力を示す指標の一つである。 利子補償倍率が1を下回れば、営業活動で稼いだお金で利子すら返済できないでいるという意味だ。真っ先に問題が指摘されたのが建設業界だ。FNガイドによると、昨年の7月~9月期基準、証券市場に上場した建設会社53社のうち約半分(25社)の利子補償倍率が1を下回った。特に土木・建築施工能力評価30位までの建設会社のうち、ワークアウトを申請した泰栄建設はもちろん、GS建設と新世界建設などが含まれた(中央日報)・・>>

 

最近、李在明代表とともに本ブログで人気上昇中の泰栄建設ですが、昨年(1月~9月まで)977億ウォンの営業利益が出せたものの、利子費用も増えて、利子費用だけで1271億ウォンになっていた、とのことでして。PF(プロジェクト・ファイナンス)がどれだけハイリスクなのか、よくわかるくだりでもあります。他にも、これまた本ブログによく名前が出てくる半導体大手「SKハイニックス」、「LGディスプレイ」、「ロッテケミカル」も利子補償倍率が1にならない、とのことでして。

記事によると、これらは時価総額2兆ウォン超えの韓国屈指の大企業だけど、それでも利子補償倍率からすると脆弱な状況にある、とのことです。個人的に、ロッテケミカルとLGディスプレイは同じ指摘を(数年前から)何度か見ましたが、SKハイニックスも入っているとはちょっと驚きです。ここ、中国工場関連でまだまだお金を使わないとならない立場のはずですが。

 

 

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