今朝、フリーランス職の方々に最低賃金が適用されないケースが多すぎる、賃金未払いが多すぎる、という記事がありました。ざっと読んでみると、どうやら、2023年の賃金未払いが今までで最大になるかもしれない、とのことでして。そこで、別にフリーランスだけでなく、全体で最低賃金未満(統計によっては「以下」)労働者問題がどうなっているのか、賃金未払いデータで何か続報があるのか、ちょっと気になりました。そういえば、しばらく関連記事を見ていません。最低賃金の上昇幅に関する記事なら無数に読んだ記憶がありますが。そこで、ちょこっと探してみたら、どうやら関連データが2023年春に発表されてから、続報が出ていないようです。
OECDデータも、2021年のデータを扱ったものが(韓国メディアで発見できたものでは)最新でしたが・・せっかくですので、関連エントリーのまとめとして紹介したいと思います。さて、結論から書きますと、OECDの最低賃金『以下』データによると、最低賃金制度がある25カ国の中で、最低賃金以下労働者がもっとも多いのはメキシコ(25%)で、その次が韓国(19.8%)でした。ちゃんと制度が機能している国としては、ベルギー0.9%、米国1.4%、オーストラリア1.7%、日本2.0%、チェコ3.1%などです(アジア経済2023年4月2日)。制度がちゃんと機能していないのが、22位フランス(12%)、23位スロベニア(15.2%)、24位韓国、25位メキシコ。
ここからはOECDではなく韓国経営者総協会が集計した国内のデータとしては、2022年基準で最低賃金『未満』労働者のデータは、12.7%でした。人数として275万6000人になります。韓国も、最低賃金『未満』は2001年4.3%(57万7000人)だけでした。それから急増したことになります。さて、ここで、「文在寅政権になってから最低賃金を大幅に上げすぎたのが問題ではないのか」と誰もが思うところですが・・実は、たしかにその影響は大きかったけど、2019年に16.5%でピークになって、それからは少しずつ減少しています。なんでこうなるのか、景気がよくなったか、そうではありません。実は、雇用側が「働く時間」を減らすことにしたからです。聯合ニュース(2020年6月16日)の記事によると、「労働時間を減らすことで、最低賃金引き上げの分に対応した結果と推定される」、と。それより前の労働時間だと、さらに最低賃金未満の割合が増えていることでしょう。
業種別に見てみますと、農林漁業で36.6%もそうですが、特に宿泊・飲食店業で31.2%なのが気になります(2023年4月2日ニューシース)。韓国といえば大企業グループの影響力が強い印象がありますが、実はもっとも多くの働き口が発生しているのは飲食店業です。自営業者が多いのも一因です。そこでこんなに最低賃金未満が多いとなると、さすがに。また、小規模な仕事場(この場合、5人未満)の場合は、労働者375万人のうち29.6%である110万9000人が最低賃金未満でした。でも、賃金未払いが多いのもあって、それでもこの人たちはまだ幸せなのかもしれません。
賃金未払いもまた、定期的に話題になるニュースですが、特に去年(2023年)は、1兆7000億ウォンを超えるとされています。雇用労働部長官が自ら言及しました。いままで最高記録は2019年の1兆7200億ウォンだったので、記録更新になる可能性が高い、とのことです。朝鮮日報(2022年6月4日)によると、「2017年~2021年までの5年間、未払い賃金が7兆ウォン。同期間の日本の未払い賃金に比べると14倍規模」としながら、「文在寅政権が急速に引き上げたことで、最低賃金が支払えない小規模の商・工業者、中小企業が急増、5年間の未払い賃金が7兆ウォンに達した」としています。でも、実はその前の政権でも同じ問題が指摘されていました。
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