韓国メディア「産油国への夢『第7鉱区』、米国は仲裁を」

そこまで大きな話題になっているわけではありませんが、不定期に「第7鉱区」関連記事があがってきます。昔は韓国でも結構話題でした。1970代後半~1980年代に小学校に通った世代なら、ニュースなどで第7鉱区について聞いたことがあるでしょう。ガス・原油などが眠っているとされる第7鉱区。1978年、日韓両国は第7鉱区をめぐり「日韓大陸棚共同開発協定」を結びましたが、この協定は2028年に終了します。2025年6月から、相手国への「終了通報」が可能であるため、事実上、残り時間は1年半ということになります。

その間に国際法も変わっており、このままだと、第7鉱区の殆どは日本のものになる、というのが「今までのあらすじ」です。2020年6月5日中央日報(日本語版)によると、「(※このまま協定が終了すれば)第7鉱区の資源の大部分を日本が握る可能性があるという点だ。国際慣例と国際法が変わったのが問題だ。1980年代初期までは「陸地と大陸棚が続いた国」が有利だった。過去に朴正熙政権が第7鉱区に対する権利を主張した強力な根拠だ。それが、1980年代半ばに入って、単純に領土からどれほどの距離かを問う方向に変わった。海上に両国の領土から同じ距離にある線(中間線)を引いて海を分ける方式だ。この場合、日本が第7鉱区の大部分に対して資源を開発・占有する権限を持つことになる」、と。

 

そこで、協定を持続すべきだ、という主張が出てくるわけですが・・ついに、この件を「安保」とつなげて(無理がありますが)、日米韓協力側面、すなわち米国の仲裁でなんとかしようという話が出てきました。毎日経済、国土交通部の企画官が書いた寄稿文です。「米国は、いそいで仲裁すべきだ」の理由は、日韓大陸棚協定が終了すれば、中国が喜ぶだけだから、というのです。東シナ海で中国海軍の動きが正当なものになる、すなわち日米韓協力のためにも、米国が仲裁すべきだ、と。

第7鉱区は資源の無い二つの国が結んだ協定なのに、このまま終わらせる訳にはいかないとかそういう内容もありますが・・要は「日本のものになる」に反対しているだけでしょうに、なにを言っているのでしょうか。この前、『米国は、本当に日米韓安保協力を望んでいるなら、米韓同盟を日米同盟と同じ水準まで引き上げるべきだ』という主張を紹介したことがあります。韓国側が何かをやるという話はなく、すべて米国がそうすべきだ、という内容でした。今回もまた、「政府は急いで対策を」という内容があるにはありますが、具体的な話はありません。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・現在、産業通商資源部は慎重な姿勢だ。産業部の立場は「両国間共同探査について合意されたことがない」と、「2028年6月以降も協定の一方の締約国が協定終了を希望する時点の3年前まで他方の締約国に終了意思を通知しなければ、効力が持続する」という協定規定だ。協定終了時期が近づくにつれて、何の反応もしない日本に対し、韓国だけで開発するという案も最近提起された。しかし、協定終了通知時限が1年半残った状況では、実際の探査開発をするには時間が短すぎて実効性がなく、むしろ日本側に協定終了の名分を与えるだけだ・・

・・米国が協定の状況を傍観して終了になるなら、東シナ海で中国海軍はより正当性を持つようになる可能性が大きい。米国と韓国、日本3国の協力が堅固になるためには、JDZ(※共同開発区域)共同開発において米国がより積極的な仲裁の役割を果たさなければならない。一つの先例として、1965年イギリス・ノルウェー大陸棚境界交渉で英国が北大西洋条約機構(NATO)加盟国として安保上の理由でノルウェーの地形的特性(ノルウェー海岸近くに水深海口があるという点)を中間線原則で画定したという点は参考になるだろう(毎日経済)・・>>

 

 

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